店主たみこの観光案内ブログ

石動山資料館 珠玉の仏像コレクションに惚れ惚れ♪

2021年03月24日

 

中能登町の山間にある石動山(せきどうざん)。

かつてこの地は信仰の聖地でした。
記録によると平安時代には既にその名が知れ渡っており、全盛期には房舎360余り、宗徒3,000人以上を抱えていたと言われています。
しかしながらその大きすぎる影響力は時代時代の政争に否応なしに引きずり込まれることとなり、南北朝時代と戦国期の2度、全山を焼失するほどの戦禍に遭いました。
さらにとどめとなったのが明治時代の神仏分離政策で、これによって房舎はほぼ全て棄却、貴重な寺宝や美術品といった文化財もほとんどが散逸してしまいました。

 

が、その一部は今も残っており、それらを収集・展示しているのが石動山資料館です。

 

 

展示室は2階。
入口には仁王さまがどーんとお出迎え。

 

パネルだけど(笑)。

 

この仁王像、中能登町の本土寺ってお寺にあるそうです。
いずれ機会があれば訪問してみます。
記事書くかどうかは現場次第ですが。

 

 

中に展示されているのは、かつてこの山にあったお寺に関するもの。
仏画だったり、仏具だったり、古文書だったり、焼失した建物の木片だったり。
なんやかんや色々。

 

部屋自体はそんなに広くなく、点数もそれほど多くありません。
”見応え”という意味では、正直ボリューム不足。

 

 

でもね、わたし個人としてはメチャメチャ☆ト☆キ☆メ☆クのですよ~♪
だって仏像がズラリ。
仏像マニアにはウキウキわくわくのワンダーランド。
おお~、ええの並んでるやん~~~♪♪みたいな。

 

ちょっと片っ端から見ていきます。

 

 

一発目、毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)。

 

毘沙門天と言えば軍神ですね。
かの上杉謙信が篤く信仰した事でも有名。
七福神の一柱でもあります。

 

軍神らしく、まとう衣装は甲冑、左手には戟。
眉をぎゅっとしかめ、雄々しく直立しています。

 

カッコええ~~♪♪
欲しい~~~♪

 

 

その隣には虚空蔵菩薩坐像(こくうぞうぼさつざぞう)。
虚空蔵菩薩とは無限の智恵と慈悲を持った仏です。

 

右手には魔を打ち払う宝剣、左手には願いを叶える宝珠。
足を半跏趺坐(はんかふざ)に組んでゆったりと瞑想し、後に船形の光背を輝かせて、静かな瞳で衆生を見据える。

 

いいじゃないですか~♪
欲しい~~~♪(2回目)

 

 

次は弘法大師座像。
弘法大師とは、言わずと知れた空海ですね。

 

右手に三鈷杵(さんこしょ)、左手に数珠。
袈裟をまとって座禅を組み、虚ろな目で前を見る。

 

正直言って、やや像としてのクオリティは低いんですけどね。
でもいいな~♪
欲しい~~~♪(3回目)

 

 

その隣にあるのが不動明王立像。

 

不動明王と言えば密教界のスーパースター。
無限の炎で全ての不浄のなるものを焼き尽くすという、究極降魔の仏です。

 

足元は岩座。
両足を軽く開いて、重心をやや左後方に傾けています。
手には・・・・何もない。
多分本来は左手に羂索(けんさく)、右手に宝剣を握っていたのが、いつの間にか失われてしまったのでしょう。

 

これもカッコイイな~。
欲しい~~~♪(4回目)

 

 

そして大日如来坐像。
大日如来は真言宗における最高仏で、あまねく宇宙そのものの姿と言われています。

 

この像、ちっちゃくてシンプルなんですけどね。
でもね、オーラがすごいんですよ。
なんたって大日如来ですからね。
大宇宙の真理ですからね。
エネルギーが違いますわ。

 

欲しい~~~♪(5回目)

 

 

その隣も大日如来坐像。
こちらは印(手の形)が智拳印(ちけんいん)となっています。

 

曼荼羅ってご存知でしょう。
あの仏さまがぎっしり並んでる絵ね。
その曼荼羅の中で最も代表的なのが金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)と胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)のふたつ。
これら両曼荼羅は共に中央に大日如来が据えられており、金剛界では智拳印、胎蔵界では禅定印(ぜんじょういん)の印を結んでいます。
つまりこの大日如来は金剛界の大日如来なんですね。

 

素晴らしいですね~。
欲しい~~~♪(6回目)

 

 

ちょっと離れた所にも仏像がもう一体。
こちらは十一面観音立像(じゅういちめんかんのんりゅうぞう)。
その名の通り、顔が11あります。
こちらもイケてますわな~♪

 

左手には煩悩を洗い流す水が満たされた水瓶、右手はあらゆる願いを叶える与願印(よがんいん)。
頭には円光と煙光の光背をいただき、仏の大いなる法力で衆生を包む。

 

ええな~♪
欲しい~~~♪(7回目)

 

 

その他にも展示品は色々。

 

こちらはかつての石動山の様子を描いた絵。
かなりデフォルメすさまじいけど(笑)。

 

あと掛け軸とか法具など、往時のにぎやかさを偲ばせる品物がいっぱい。
でもやっぱインパクトで言えば、仏像のコレクションが圧巻ですね。

 

欲しいですわ~。
ひとつ残らず全~~~部欲しいですわ~。(←欲しがりすぎ)

 

 

信仰の場であった頃の石動山の痕跡がたどれる石動山資料館。
外からの見た目はパッとしないですが、展示物の充実度はなかなかにイケてます。
特に仏像大好きって人には絶対おすすめですので、興味があればぜひ一度遊びに来てみてください。

 

すぐ目の前には大宮坊跡っていう、かつてのお寺を再現した施設もあります。
こちらも見応えありますよ~。

 

 

石動山資料館

住所:石川県鹿島郡中能登町石動山 1-2

TEL:0767-76-0408

ホームページ:なかのと観光ナビサイト

 




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関連タグ >> 美術館・博物館 石動山 

 


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