羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 今しか見られない貴重なお宝がいっぱい
2025年03月15日
過日、羽咋市歴史民俗資料館にて開催されていた“渚の正倉院 氣多大神宮展”。
12月からやってて、すごく興味があったので行く気マンマンだったのですが、色々忙しくてなかなか都合がつかず。
会期ギリギリになってよーやく訪問してきました。
いいよね~、歴史のある神社の神宝展。
気多大社は展示館持ってないからね。
普段見られないお宝が見られる、貴重~な機会です。
では早速ズラズラっと見てきましょう!
一発目は気多大神宮寺木簡。
延暦2年(783年・奈良時代)のものです。
神宮寺とは神社に付属するお寺。
奈良時代、既に気多大社に神宮寺があった事を示す査証となっています。
涅槃浄土への往生を願って紙布米を奉納したと書かれており、当時の宗教観が伺える貴重な資料です。
銅鏡。
奈良~平安時代頃のものです。
祭祀具として使われていたと考えられていて、神獣や葡萄の装飾が施されています。
画像からなんとな~くニュアンス伝わると思うけど、ちっちゃいのよコレが。
一番大きなものでも直径5センチほどかな?
もっと間近で見たいんだけど、残念ながらブツはガラスケースの向こう。
んーーーー遠い!
三彩陶器片。
これも奈良~平安時代頃のもの。
陶器に白土と緑色・黄色の釉薬をかけて再焼成してあります。
なんでもこっちでは作れないそうで、中央から取り寄せたプレミアム品なんだとか。
ただご覧の通り、展示されてるのは欠片の寄せ集め。
これじゃど~にもイメージが湧かない。
そこでと言う事で、完全体の写真が背面に飾られています。
それがこちら。
壊れてなければ大体こんなようなものだったみたいで。
しかしながらこのサンプル、気多大社とは直接関係ありません。
1000kmも離れた福岡県の宗像大社の沖ノ島祭祀遺跡から出てきた品。
なんでそんな離れた所同士で同じようなものが出てくるのかと言うと、元々は中央(大和地方)で作られて下賜されたものだから。
つまりこの時代、もう全国的な交易が始まっていたって事なんですね。
勾玉。
やはり奈良~平安時代頃のもの。
出雲大社から出てきたものと酷似していることから、出雲からもたらされたものではないかと考えられています。
出雲も遠いよ。
島根県だからね。
距離にして600km、とても歩いて行けるような距離じゃない。
多分船を使って移動したんだろうな。
上は帯金具、下左は皇朝銭、右は刀装具。
古銭に魅かれるね。
なんでも奈良・平安時代には12種類の銭貨が鋳造されたそうで、ここにあるのはその内の6種。
通貨と言うよりも、祭祀具として使われてたんだとか。
貨幣経済が回り始めるのは室町時代くらいからだからね。
この頃はまだまだ秘蔵コレクション的なアイテムだったんだろうね。
気多社祭儀禄。
享禄4年(1531年・戦国時代)のもの。
気多大社の年中祭祀の記録が網羅されています。
これによると、500年も前から今と同じ形式で祭祀が続けられていた事になるんだとか。
すごいね。
500年だよ。
そんな古くからずっと同じ営みが続けられてきたんだからね。
無形文化の化石ですわ。
前田利家書状。
気多大社からの贈答品に対する礼と、鵜祭の神事をしっかり執り行うようにとの命が書かれています。
利家との強い結びつきを示す文書です。
気多大社の歴史は、その時代時代のパトロンとの付き合いの歴史。
いかに由緒正しい大神社と言えど、権力者の庇護なしには生きていけませんからね。
今も昔も、世渡りは大事な処世術なのです。
某消息(なにがししょうそく)。
利家の正室まつが、小田原合戦に向かう利家と息子利長の無事と戦勝を祈って気多大社に当てた書状です。
ただまつ本人の筆ではなく、だから「某」。
人間臭いね。
全国屈指の大名と言えど、戦場に行けば生死は時の運。
あとは神に祈るのみ。
そんな緊迫感が伺える書状です。
最後に、気多社古縁起。
気多大社の由来が記されており、出雲の祭神大己貴(オオナムチ)が300余りの神々を引き連れてやってきて、人々を苦しめる化け鳥や大蛇を倒してこの地に鎮座した、みたいな事が書かれています。
ロマンいっぱいのファンタジーストーリー。
で、実際どうだったんですかね?
本当に出雲にルーツがあるのか、単なる後付け話なのか?
なかなか興味深い資料です。
貴重な気多大社の神宝が見られる渚の正倉院 氣多大神宮展。
面白いね。
これだけのものが一度に見られるのはなかなかない機会。
貴重~な体験をさせてもらいました。
できれば第2段、3段もやって欲しいな。
まだまだあるんでしょ、お宝?
今回未出品の超レアな奉納品なんかもあるはず。
眠ってるお宝、もっともっといっぱい見せてくれーーー!!!
関連タグ >> 美術館・博物館 羽咋市歴史民俗資料館 気多大社
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