店主たみこの観光案内日記

金沢老舗記念館

2018年11月13日

金沢老舗記念館

 

長町武家屋敷跡を犀川方面にぽてぽて歩くと、道路沿い右側に古い屋敷が現れます。
金沢老舗記念館です。

 

この建物は元々中屋家のもの。
中屋家とは代々薬種業を営んできた名家で、その起源は1579年、前田利家が金沢入りする4年前にまでさかのぼります。
出自は山城の国との事ですので、京都の方ですかね?
戦に敗れて落武者となり、たまたま金沢の戸室山の方に流れつき、定住したそうです。

 

そんな彼らがこの地で始めたのが薬種業。
元々製薬の技術に長けており、初めは村の人々に分け与えていた程度のものでしたが、それが次第に評判を呼び。
それなら商売にしちゃえ、と始めたそうです。
その後事業は順調に発展。
五代目藩主の前田綱紀(まえだつなのり)の頃には、加賀藩の御用薬種商を命じられるほどになりました。
さらに本業以外でも町年寄の役を務めるなど、いわゆる土地の名主的な立場にもなり。
家は大いに栄えたそうです。

 

やがて時代は下り、明治11年。
かの有名な明治天皇行幸が行われます。
行幸とは簡単に言えばパレード。

時代が江戸から明治に変わったんだよ、という事を国民にアピールするための政治的プロパガンダでした。
総勢800人の大行列、かの岩倉具視も参列した壮大なものだったそうです。
その北陸滞在の際の宿を用意したのが、この中屋家。
当時の屋敷図を見ると敷地513坪に6棟もの土蔵を備えていたと言うのですから、その時点で相当な資産家だったようです。
この行幸に合わせて母屋と離れ、2棟の建物を新築し、明治天皇を迎え入れました。

 

さらに時代は下って、昭和62年。
今度はこれら2棟の建物が、中屋家の申し出により市に寄贈されることとなりました。
保全目的との事ですが、詳しい経緯は分かりません。
ひょっとしたら税金対策かなんかだったのかもしれないですね。

 

受け取った市はこの建物を移築。
元々南町にあったものを、母屋は長町へ、離れは湯沸の方へと分離しました。
そしてその母屋の方が平成元年、「金沢老舗記念館」として公開されたのです。

 

内部は二層構造。
1階と2階で展示内容が違います。

 

1階はかつての生活風景を見られる趣向になっており、「みせの間」「おえの間」「茶室」「座敷」「書院」の5つの部屋があります。
「みせの間」は藩政期の店頭を再現したパブリックスペースで、実際に商売で使っていた様々な物が見学できます。
その他の部屋は全てプライベートルーム。
恐らく家人たちが普段の生活を営んでいたであろう和室がつらつらと続き、かつての金沢の文化風習なども紹介されています。

 

2階に上がると今度は展示スペースとなっており、石川の伝統工芸に関する資料が見られます。
どうもここの展示は「金澤老舗百年會」という組織が仕切っているらしく、商売に関する骨董品がずらりと並んでいます。
金澤老舗百年會とは県内にある創業100年以上の企業によって構成された会で、現在は60社が加盟。
料亭から仏壇屋、酒屋、印刷業まで幅広い分野の企業が名を連ねています。
下の階とえらい趣が変わるのが少々???ですが、これはこれでなかなかに興味深い展示です。



かつての薬種業の商売風景や生活の雰囲気が味わえ、かつ石川の老舗企業の概要が見られる金沢老舗記念館。
長町武家屋敷跡を散策するのなら、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
展示品だけでなく、まだ江戸時代の情緒を残す建物の雰囲気もすごく味わい深いですよ!

 

さらに時間がある方は湯沸まで足を伸ばし、離れの方も見学してみてはいかがですか?
金沢湯沸創作の森という施設の端っこにひっそりとあります。
内部公開されてないのが残念ですが、こちらも趣があって面白いですよ。



ちなみに中屋家は現在も「中屋彦十郎薬局」として営業しています。
香林坊の交差点近くに店がありますので興味があったら行ってみて下さい。
まあ普通に薬局なので全然観光にはなりませんが(笑)。

 

 

金沢老舗記念館

住所: 石川県金沢市長町 2-2-45

TEL:076-220-2524

 



変容する家 ブーフーウーの藁の家

2018年11月10日

変容する家 ブーフーウーの藁の家

 

「東アジア文化都市」。
文化庁の推進により行われている事業です。

 

その目的は日本・中国・韓国の三ヶ国の協力によって様々な文化芸術イベントを開催、相互理解を深め、新たな文化を発信していくというものです。
事業は2014年からスタート、横浜→新潟→奈良→京都とリレーし、そして2018年、ついにそのバトンがここ金沢へと回って来ました。

 

今回のテーマは『家』。
家とは何なのか?
家と人とのつながりとな何なのか?
そもそも家の存在意義とは?
そんな哲学的な問いを「変容する家」というタイトルの元、日中韓のアーティスト達がそれぞれの解釈で表現し、製作に当たりました。

 

作品は市内広域に散在。
実際の生活空間である民家や建物をステージにしています。
その数全部で22。
さすがに全部は紹介し切れないので、今回はその内のひとつを。
それがこの”ブーフーウーの藁の家”です。
金沢21世紀美術館の敷地内に展示されています。

 

作者はミヤケマイさん。
京都造形芸術大学客員教授にして美術家。
活動内容は良く分からんのですが(←?)、造形と空間表現が得意みたいです。

 

今回の”ブーフーウーの藁の家”は、「家」という名の閉鎖空間とその曖昧な隔絶性にスポットを当て。
日本家屋の脆弱な構造は「三匹の子豚」に出てくる藁の家にそっくりではないか?
そこには緩やかな外界との仕切りがありつつも、同時に自然との一体感も存在し。
でもそんな中でも個の思い出や愛着は確実に生まれ。
その場所こそがその人にとってのかけがえのない「家」となる。

 

という彼女なりの表現だそうです。

 

深いですね。

 

あほなわたしにはちょっとよく意味が分からんですけど(笑)。



ちなみにこの”ブーフーウーの藁の家”、なんと1日家主になれるんです。
つまり住めるんです。
事前に申し込みをすれば「1日家主」の権利が取得でき、その日1日「自分の家」として占有できます。
多分抽選だと思いますが。

 

わたしが行った時も、誰か住んでました。
おかあさんと、娘ふたり。
まるでキャンプみたいなノリで。
表札まで出てたし(笑)。



なお「変容する家」のイベントは9月15日(土)~11月4日(日)の2ヶ月間。
なのでこの記事が上がってる時点では終わってるはずですが、即時作品が撤収されるのかは不明。
ひょっとしたら作品のいくつかはしばらく残される可能性もあるので、見ておきたい人は急いで下さい。

 

作品の展示場所は公式サイトでチェックできます。
「変容する家」で検索して、詳しくはそちらを参照してください。

 

 

金沢21世紀美術館

住所:石川県金沢市広坂 1-2-1

TEL:076-220-2800

 



ハム&ゴー ブルーチーズバーガー

2018年11月06日

ハム&ゴー ブルーチーズバーガー

 

今回はカフェ。
野々市にあるハム&ゴーです。

 

入口をくぐるとすぐ横にレジ、その奥に飲食スペース。
まずはレジで注文と会計を済ませ、番号札を貰って適当な席に座って待つ。

 

店内の照明はやや暗め。
インテリアはモダン&スタイリッシュ。

 

完全に若い人を意識した内装ですね。
実際客層は若く、20代が中心といった感じ。
わたしみたいなおっさん独り客には、ちょ~っと居づらい(笑)。

 

オーダーしたのは期間限定の”ブルーチーズバーガー”。
ブルーチーズ苦手ーって人多いですけど。
わたしは全然200%ベリーオッケー。
白カビ・青カビ・ウォッシュ、何でもコイ!
臭っさ~いチーズ大好き♪♪

 

そんなクセの強いチーズLove全開で。
本日は”ブルーチーズバーガー”。
ガンガンもりもり食べたおします。

 

期間限定ブルーチーズバーガー

 

ブルーチーズバーガー。

 

お肉や~んわらかぁ~い♪
もうじゅわじゅわ♪
大量の肉汁が口中にべっちょりと流れ出し。
熱いうま味がどばっ!と湧き返る。

 

鬼のインパクトだわ♪

 

その一方で野菜は冷え冷え。
キンと冷たい水気がぱっと弾け、ぱりぱりと小気味よく砕ける。
目が覚めるほどにフレッシュ!

 

やや遅れて顔を出すのがブルーチーズソース。
もうちょっとエゲツない青カビ臭を期待してましたが、意外と香り控えめ。
香りよりも濃縮したミルクの風味を前面に押し出すような味付け。

 

バンズも存在感ありますね。
温かくて食感ふかふか、香り高く。
濃厚な小麦の味わいが、肉+チーズをぶ厚く包む。



サイドメニューはバーガーの定番、フライドポテト。

 

素切りのじゃがいもは歯当たりほっくほく。
厚くカットしてあるのでボリューム感があり、食べ応え抜群。

 

味わい滋味たっぷり。
根菜類特優の金属質なミネラルがキンと走り。
でんぷんの爽やかな甘みが後から静かにしみ出す。



最後にコーラをちゅちゅっと吸い上げて。
完食。



ハム&ゴーの”ブルーチーズバーガー”。
じゅわじゅわ肉汁大爆発の。
うま味満点バーガーでした。

 

やっぱ肉のクオリティが高いバーガーってのは、迫力が違うね!



その分値段も高いけど(笑)。



ごちそうさま。


 



[参考]

・ブルーチーズバーガー:1,080円
・ポテトセット:300円
・スモールコーラ:380円

 


 

 

HUM&Go coffee and stock 野々市

住所:石川県野々市市住吉町 14-56

TEL:076-256-3386

 



小松天満宮

2018年11月03日

小松天満宮

 

小松天満宮。
その名の通り、小松にある天神様を祀った神社です。
創建は1657年、加賀藩三代目藩主前田利常(としつね)がこの地に隠居した折に造営されました。

 

なぜこの場所に建てられたのかと言うと、そこにはちゃんと意味があり。
加賀藩の心臓部である金沢城、そして利常の隠居所である小松城から見てちょうど鬼門に当たるのがこの位置なのです。
つまり災厄除けの防波堤という訳ですな。

 

また天神様を祀っているのにも意味があり。
天神様ってのは学問の神様として有名な菅原道真の事ですが。
前田家は元々はこの道真の血を引く家系なんだそうです(本当?)。
なのでご先祖様にして神である天神様に鬼門の方角を鎮護していただくと、そういう意図があったらしいです。

 

ちなみに神社ってのは妙なシステムになってまして。
他の神社から神様を分けてもらうことができるんですね。
これを勧請(かんじょう)とか文霊(ぶんれい)とか呼ぶんですが。
ここ小松天満宮の場合は、京都の北野天満宮から勧請してもらったそうです。
北野天満宮と言えば、九州の太宰府天満宮と並んで天神様の総本家とも言える由緒正しい神社。
そんなビッグな神社がなんでこんな辺鄙な田舎に勧請してくれたのかと言うと。
どうもその裏には前田家の強力なコネが働いていたらしいです。
さすがは百万石のお殿様!
そんな縁もあってか、小松天満宮の社殿は北野天満宮の4分の1サイズで作られています。

 

なお社殿の建造に当たったのは、当時加賀藩のお抱え大工だった山上善右衛門嘉広(やまがみぜんえもんよしひろ)。
小松の那谷寺(なたでら)や羽咋の妙成寺(みょうじょうじ)、高岡の瑞龍寺(ずいりゅうじ)なども手掛けたスーパー大工です。
その技術というか作品は今なお評価が高く。
この天満宮の社殿や神門も、江戸期建築の傑作のひとつとして数えられています。

 

さらにこの神社、建物以外にも面白い見所がありまして。
それは立地。
実際に現場に行ってみれば分かるんですが、この神社まるで長崎の出島みたいに川の中にぽこっと突き出てるんですわ。
もちろん自然にこんな地形が出来る訳もなく。
これは人工的に作られた「島」。
川の中に中州状の島をわざわざ作ったんです。

 

と言うのもこの川、梯川(かけはしがわ)と言うんですが、度々氾濫を起こす暴れ川で。
治水対策として、川幅を広げる工事が行われたんですね。
当然川沿いにあった小松天満宮には移転の声が掛かり。
とは言えこの神社がここにあるのには、前記の通りちゃんと意味があり。
どうしてもこの場所を動く訳にはいかない。
どうする?どうする?と行政側と散々協議を重ね。
出された結論が「出島化」。
島にして残しちゃえって事ですね。

 

天満宮は一旦陸から切り離し、周囲にはぐるりと水除けの堤防めぐらす。
川の水はその堤防に沿って左右に分割する事で、水流の威力を軽減。
対岸とは橋で繋ぎ、往来を確保。

 

こうして川の中に浮かぶ不思議な出島神社が出来上がったのです。



加賀藩前田家を霊的に守ってきた小松天満宮。
参拝の際には、建物だけでなく周辺環境にも注目して下さい。

 

神社を取り囲む堤防は歩くことも可能。
ぐるっと回っても5分程度ですので、時間のある方はぜひ散策を。
川から吹き込む風がとても気持ちいいですよ!

 

 

小松天満宮

住所:石川県小松市天神町1

TEL:0761-22-2539

 



呉竹文庫

2018年10月30日

 

手取川河口。
ほぼ海の見える位置。
その河川敷のちょっと入った所に呉竹文庫(くれたけぶんこ)はあります。

 

呉竹文庫?
何?
と思う方も多いでしょう。
ざっくり言えば、旧私営図書館。(※図書の貸し出しは、現在は行われておりません)

 

「私営」と書きましたが、実際私営で、ここの図書は全部いち個人が集めたもの。
収集者は熊田源太郎(くまだげんたろう)。
明治19年に生まれた実業家です。

 

17歳にして実父の急逝により家業を継承。
元々家は回漕業や鉱山業で財を成した家系だったそうです。
その後事業は順調に発展し、倉庫業・運送業・銀行業など、多方面において活躍。
さらに県下有数の大地主でもあった彼は、小作民と協力し合いながら農業分野においても多大な功績を残しました。

 

その一方で、向学心が人一倍強いという一面も持っており。
学問への意欲は並々ならぬものがあったそうです。
とは言え17歳の若さで家業に身を投じた彼には、学校へ通うような時間的余裕はなく。
その情熱はもっぱら読書に注がれました。
片っぱしから本を買い集めては読書!読書!の読書三昧。
旺盛な知識欲を、膨大な読書量で満たしたのです。

 

ただ彼、やり過ぎグセがあるんですかね?
買って買って買いまくった結果。
気が付けば本の山がどどーーん!!
あまりの量に流石に持て余してしまい、使い道を友人に相談ところ、図書館にでもしたらどう?と言われ。
よし、それで行こうと、一般公開を開始。
こうして呉竹文庫が生まれました。

 

蔵書数は実に1万4千冊。
当時の一般的な公営図書館でも7~9千冊程度だったそうなので、この数がいかに尋常ならざるものかお分かりでしょう。
これが全部個人の持ち物なんですからね。
もうほとんど狂気の沙汰ですわ。

 

って言うか、これだけあると単純計算1日1冊のペースで読み進めても、全部終わるまでには38年以上もの時間が必要。
源太郎は48歳で亡くなってるので、絶対全部読み切れてない。
集め過ぎでしょ(笑)。

 

すごいのは数だけじゃありません。
内容の充実度もものすごく、その多くは初版本、中には非売品のものも少なからずあり。
レアものだらけ!
さらに百科事典のような全集ものも豊富にあり、厚い革表紙でくるまれた本は重厚感満点。
これ一冊いくらすんの?みたいな豪華な本がシリーズでどどーん!
クラクラする程に圧巻です。

 

蔵書だけでなく、建物も立派。
土蔵を改装した書庫は、重く力強く。
柱はどっしり頑強。
建材はてらてらと深い飴色に輝き。
壁の白と金具の黒とのコントラストが実に見事。

 

さらに二階に上がると、今度は洋風装飾の超ゴージャスな書斎が出現。
ゆるやかなカーブを描いた天井の中央には瀟洒なシャンデリアがつり下がり。
調度品はどれも風格たっぷりのレトロモダン。
観音開きの扉にはアーティスティックなコテ絵。

 

もひたすらため息。

 

ため息。

 

ため息。



・・・・・って言うか。



金持ち過ぎーーー!!!(←ひがんでます)



そんな熊田源太郎の貴族ぶりとコレクションが存分に味わえる呉竹文庫。
ちょっと場所分かりにくいですが。
行く価値アリ、です。
美術品とも言える古書の数々、どうぞ思う存分ご堪能ください。

 

なお本は鑑賞オンリー。
お触り厳禁です。
本棚に隠れてこっそりいぢっちゃえ、なんて考えたらダメですよ!

 

 

呉竹文庫

住所:石川県白山市湊町ヨ146

TEL:076-278-6252