店主たみこの観光案内日記

金沢城の石垣 大手門~河北門◆金沢城の誇る防御力と見栄が詰まったエリア

2021年12月01日

金沢城大手門の石垣

 

金沢城の入口と言えば石川門を思い浮かべる人が多いと思いますが、ノー!ノー!
アッチは裏口で、正式な入口は別にあります。
それが今回のスタートとなる大手門。

 

とは言ってもここから入る人はほぼいないですね、場所的に。
わざわざ回り込まないと、まずここまでたどり着けない。
多分ここから入る人は訳も分からずウロチョロした人か、道に迷った人だけです。

 

金沢城石垣マップ

 

では恒例の金沢城マップ。

 

ご覧の通り大手門はメジャーな回遊エリアからやや離れた場所にあります(赤文字の部分)。
なのでここの石垣が見たい人はわざわざここまで行ってください。

 

とは言え「大手」という名前が示す通り、本来はここが正規の入城ルートでした。
その痕跡は石垣にもしっかり残されています。

 

金沢城の大手堀

 

まずは大手堀。(※石垣マップの11)
今でこそ埋め立てられてこじんま~りとしてますが、かつてはもっと大きな水堀でした。
堀の中を覗くと優雅に鯉がゆ~らゆら。
なんとなく往時の雰囲気を漂わせています。

 

ただ今回見て欲しいのは、その堀際にある石垣。
これが妙~な感じになってましてね。
ちょっと角度を変えて見るとこんな感じ。

 

大手堀の石垣

 

分かるでしょ、上と下とで全然表情が違うのが。
下は荒くてガッキガキ、上はピシっとキレイ。

 

これ、明らかに築造年代が違いますね。
まず下の石垣が先に築かれ、その数十年後(くらいかな?)に上が付け足されたのでしょう。
そのタイムラグがこうして表情の違いとなって残っているのです。

 

左右で違う石垣

 

ここなんかもっと露骨。
右と左でハッキリ違います。
右が自然石を積み上げた野面積み(のづらづみ)、左が割石を積み上げた打ち込み接(うちこみはぎ)。
恐らくは右が金沢城築城原始の石垣で、左は後年に積み直されたものでしょう。

 

左側にはお城の正門である大手門がありますんでね。
野面積みじゃみっともねーって事で、後からきれいに化粧直ししたんでしょうね。

 

大手門入口の石垣

 

その大手門。(※石垣マップの12)
今はもう門は失われて石垣だけなんですけど、この石垣がすげー迫力なのですわ。
高い!ブ厚い!デカい!
なんちゅーか、重量感が格別なのですよ。
どーん!と迫るような威圧感。

 

本来はここにさらに頑強な門もあったんですからね、そりゃもースゴかったでしょうね。
重厚な石垣+巨大な門、そして加賀百万石の威光。
きっと壮絶パワフルな光景が広がっていた事でしょう。

 

大手門の鏡石

 

そしてこのドデカい石。
いわゆる鏡石ってヤツなんですが、大人の身長軽く越えてます。
デケー!デケー!

 

金沢城に限らず、江戸時代のお城ってのはやたらとこの鏡石を正門に置きたがりました。
なぜなら石がデカけりゃデカいほど、ここスゲーお城だな!!って事になったからです。
誰が考えたルールか知らんけど。

 

連続する鏡石

 

さらに金沢城の場合はこの鏡石が1個じゃないんですね。
アッチにもドスン!コッチにもドスン!
どんだけ鏡石好きなのよ?みたいな感じで、置かにゃ損みたいに置きまくっています。

 

悲鳴だったでしょうね、作業現場。

このデカい石、1個1個手作業で運んで来たんですよ。
「1個でいいだろ?なんでこんなにいっぱい置くのよ?」ってグチが聞こえてきそう。

 

前田の殿さま。
ドSだ~(笑)。

 

新丸広場から見上げる石垣

 

そこから城内に入ると新丸広場というダダッ広いエリアに出ます。(※石垣マップの13)
ここを抜けて河北門へと進むのが正規の登城ルートとなるのですが、その河北門の直前で再びダイナミックな石垣模様が現れます。
100メートル以上に渡って続く長大な高石垣!

 

この高低差+横方向の空間的広がりがたまらなく圧巻でして、大手門のヘビー石垣とはまた違った迫力が楽しめます。
うお!スゲーな!と思わず口に出てしまうほどの巨大なエネルギー量。
押されますゼ~!!

 

高石垣を間近から

 

寄るとこんな感じ。
高いでしょ?ゴツイでしょ?怖いでしょ?

 

いざ戦になると、この上から弓矢がビュンビュン飛んでくるのですよ。
低地にいる攻め手側は成す術ナシ。
ひたすらヤられるだけ、ヤられまくるだけ。
悪魔のバリケードです。

 

河北門内側の隠し石垣

 

そして今回最後の石垣、河北門内側です。(※石垣マップの14)

 

え?石垣どこ?塀の下っかわ?と思われるでしょう。
ノー!ノー!この白い塀、実は丸々石垣なんです。
その名も『隠し石垣』。
一旦石垣を組み、その上に白漆喰を塗りつけて「見た目だけ」漆喰塀にしてあるのです。

 

なのでね、頑丈ですよ。
芯が石垣でガッチガチに固められてんですから。
蹴ったくらいじゃビクともしません。(※蹴ってはいけません)

鏡石と石垣

 

以上、大手門から河北門までの石垣を見てきました。

 

なんたって金沢城の正規の入城ルートを飾る石垣ですからね。
ハイクオリティ&ハイディフェンシブ。
パワーギンギンです!
あんまり人の来ないエリアですが石垣だけでも見応え満点ですので、しーっかりじーっくり見てってください。

 

次回は金沢城の石垣編最終回、玉泉院丸庭園周辺を見ていきます。
日本で唯一の「アノ石垣」が見られる場所ですね。
素敵ですぜ~!

 

 

金沢城公園

住所:石川県金沢市丸の内 1-1

TEL:076-234-3800

ホームページ:金沢城公園公式サイト

 

 

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金沢城の石垣 二の丸周辺◆謎の記号石垣を解読せよ

2021年11月29日

金沢城の二の丸

 

金沢城の石垣を巡る旅。
いよいよ城の中心部である二の丸周辺を見ていきます。

 

ここの眺めがダイナミックでしてね。
「水堀+石垣+櫓」のお城ゴールデントリオが視界いっぱいに広がる、ザ・お城な場所。
お城好きには見ているだけで心拍数上昇無限大な、魅惑のワンダーゾーンです。

 

金沢城石垣マップ

 

まずは今回見ていくエリアの確認。
お城のほぼ中心となる二の丸周辺をぐるりと回ります(赤文字の部分)。

 

この辺りの石垣は実にバリエーション豊かで、次々と移り変わる石垣模様が魅力的。
さらに、金沢城独特の「アレ」もいっぱい見られます。
石垣ビギナーもまず喰い付く意味不明な「アレ」。
この「アレ」を追いかけるだけでもメチャクチャ楽しめますよ!

 

五十間長屋下の石垣

 

では早速石垣を見ていきましょう。(※石垣マップの5)

 

どーですか、この美しさ!
色とりどりの石がモザイクのように入り乱れる。
明らかに「見る」事を意識して積まれた石垣です。

 

この石垣、平成に一度解体・再構築されています。
なのでそう言われて見てみると、表面が妙に真っ平ら。
もし江戸時代の頃から残ってるものなら、もっと歪みやたわみが出てるんですけどね。
やけに疲労感がなく美しさが際立っているのもそのためです。

 

二の丸の隅落とし

 

その脇に回るともうひとつ面白いものが見られます。(※石垣マップの6)
どう?何が面白いか分かります?

 

この部分、角地なのですが、なぜか内側にへこんでいます。
これは「隅落とし(すみおとし)」と呼ばれる、厄除けのおまじないです。
以前に上田城の本丸でも見たヤツですね。

 

ここでスマホをお持ちの方はぜひコンパスで確認して欲しいのですが、この位置、二の丸中心から見ると北東に当たります。
つまり鬼門。
陰陽道では鬼門に角があるとそこから鬼や災いが侵入すると考えられており、それゆえこうして角を落としたのです。

 

二の丸横の石垣

 

そこからズラーっと続くのがこの長石垣。(※石垣マップの7)
先に見たモザイク色の石垣と違い、ここはメチャメチャ無機質。
すげー工業的。

 

これ、なんでこうなってんのかというと、実際工業的に作られたからです。
この石垣が積まれた頃になると石垣製造もある種ライン化されており、規格に沿った石を大量に供給できる体勢が整っていました。
なのでこうしてサイズ・形がきれいに揃った石を整然と積むことができたのです。

 

第六旅団司令部の数寄屋敷石垣

 

さらに進むと第六旅団司令部の建物が残る広場に出ます。(※石垣マップの8)
そこで見られるのがこちらの、数寄屋敷石垣と呼ばれるもの。
金沢城内で最も「江戸時代っぽくない」江戸時代の石垣です。

 

見ての通り素材こそ石ですが、まるでコンクリートブロックを積み上げたみたいな整然とした長方形の連続。
荒い石垣好みの人には多分退屈な眺め。
実際わたしもこの石垣はあんまり好きじゃありません。

 

でもね。

 

石垣に刻まれたマーク

 

ここの石垣、マークがいっぱい見られるんですわ。(※画像は分かりやすいようにマークに着色してあります)
金沢城の石垣と言えば石に刻まれた謎のマークが有名ですが、ここはその謎マークが最も多く見られる場所。
うおっ!あるわあるわ!うじゃうじゃあるわ!みたいな。
めっちゃミステリアスです。

 

なんのマークなんですかね、これ?
一応石材を切り出した集団ごとに割り振られた目印と言われてはいますが、真相はいまだに不明。
仮にそうだとしても、わざわざこうして見せるモンでもなし。
遊んでたんですかね、やっぱり?

 

土橋門跡

 

その第六旅団司令部の広場の前に土橋門跡ってのがあります。(※石垣マップの9)
現在はご覧の通り往時の姿を思わせる石垣が残るのみ。

 

これだけの石垣が組まれているんですから、きっとここには立派な門があったんでしょうね。
ゴッチゴチの武装仕様。
ブっとい柱と分厚い扉で閉ざされた、頑強なゲートがこの入口を守っていたのでしょう。

 

土橋門跡の亀甲石

 

ここの石垣にも面白いものがありまして、それがこちら。
画像中央に六角形の石があるのが分かると思うのですが、これは亀甲石と呼ばれるもので、亀の甲羅の模様を模しています。
何の意味があるかというと防火。

 

亀は水辺の生き物ですよね。
なのでこうして亀を象徴するものを据える事で水のパワーを引き込み、火の侵入をシャットアウトするのです。
先に見た隅落としと同じく、単なるおまじないの類ではありますが、結構他のお城でもよく見掛けます。
例えば天守閣に飾られるシャチホコや波を紋様化した青海波の飾りなども、同じ意味が込められています。

 

極楽橋の下

 

さらに二の丸をぐる~っと回ると、空堀跡に出ます。
極楽橋の下。(※石垣マップの10)

 

見た目地味なんで、多分ここを歩く人はあんまりいないと思いますけど、ここもね大事~なポイントなんです。
何が大事って、ここにもいっぱいあるんですよ、謎マーク。
見てるだけでわくわくしますゼ!

 

極楽橋の下の石垣のマーク

 

アッチコッチに点在する謎マーク!謎マーク!謎マーク!
何がしたいんじゃ?ってくらい謎マーク!謎マーク!謎マーク!

 

アート性はないんですけどね。
うざいんですけどね。
しつこいんですけどね。

 

でもなんかい~んですよ♪
ここまでトンがらせちゃうと面倒臭さ通り越して逆にカッコイイ。
「吹っ切れた美学」みたなのがビッカビカに光ってます。

 

五十間長屋と橋爪門続櫓

 

ここだけでしか見られない様々な石垣模様が楽しめる、金沢城二の丸周辺。
マジで面白いですよ。
石垣愛(←?)に目覚められますよ。
菱櫓や橋爪門などの城郭建築もイイですが、これらバラエティ豊かな石垣の表情も絶対に見逃さないでください。

 

次回は金沢城の正門である大手門から河北門までのエリアを見ていきます。
ここは入城の際に通る正規のルート。
それだけに風格あふれる石垣がガッツーンと並んでいます。
もー圧倒されますゼー!

 

 

金沢城公園

住所:石川県金沢市丸の内 1-1

TEL:076-234-3800

ホームページ:金沢城公園公式サイト

 

 

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金沢城の石垣 石川門付近◆ここが金沢城の石垣の原点

2021年11月27日

金沢城の石垣

 

金沢城の石垣、前回はいもり堀付近に展示してある石垣のサンプルを中心にレポートしてきました。
今回からいよいよ本物の石垣を見ていきます。

 

なんたって「石垣の博物館」の異名を持つお城ですからね。
バリエーション豊か。
アッチもコッチも見所だらけです。

 

金沢城の石垣マップ

 

ではまず今回紹介する石垣の位置確認。
前回同様、金沢城の石垣マップで見ていきます。

 

今回見ていくのはいもり堀付近から石川門まで(赤文字の部分)。
県外から金沢城観光に来た人は、多分あんまり歩かないエリアです。
でもね、い~い石垣がいっぱい見られるんですよ、ココ。
素通りは絶対もったいないですよ!

 

金沢城の段々石垣

 

スタートは段々石垣。(※石垣マップの1)
輪郭がガックンガックン入り組んで、スゲー事になってます。

 

何度見ても圧倒されますわな、この要塞感。
ここからの侵入は絶対許さねーぞ!って気合いでむんむん。
見てるだけで吹っ飛ばされそうです。
まさに戦いのアート!

 

段差のある石垣

 

でもこの石垣、元々は段のないフラットな壁面でした。
確かに冷静に考えると、こんだけ段々があると足場ができて登りやすいですわな。
それがなんで今の形になっちゃたかと言うと、明治時代に一度崩れたから。
なんでも陸軍が土を取るのに石垣の下を掘ってたら、石垣に近づき過ぎて崩落しちゃったんだそうです。

 

アホやの~(笑)。

 

で、積み直した結果、段々ができちゃったのです。

 

合計4段の高石垣

 

その補修の痕跡は石垣の表情から読み取ることができます。

 

現在はご覧の通り4段となっていて、一番下は軍が一から積んだオリジナルです。
2段目は江戸期に詰まれたオリジナル。
3・4段目は軍が補修したものです。
だからよーく見ると2段目だけ石の表情が荒いでしょ?
1・3・4段目は石を斜めに積む「落とし積み」、2段目だけは不規則に積む「乱積み」。
この違いは築造期の違いから来ているのです。

 

辰巳櫓からの眺め

 

ちなみにこの石垣、かつては突端に辰巳櫓と呼ばれる櫓が建っていたそうです。
その櫓跡からの眺めがこちら。

 

素晴らしいね、この高度感。
なんだか空を飛んでるみたい!

 

実はこの辰巳櫓、現在も進められている金沢城の復元事業計画において再建の候補に挙げられました。
しかしながら明治期に一度足元の石垣が崩れているのと、その際に櫓台が削られてしまった事で、足場の強度に不安アリということで見送られてしまいました。

 

うーーーー残念。
ホント明治陸軍、余計な事してくれたモンです。

 

百間堀沿いの石垣

 

そこから石川門方向に向かってぐるりと回り込むと、長い高石垣がずらーっと続きます。(※石垣マップの2)
この辺りは金沢城内でも最も古い石垣が並ぶエリアで、それゆえご覧の通り実に積み方が粗野。
自然石をゴツゴツッと積み上げた、いわゆる「野面積み(のづらづみ)」というスタイルになっています。

 

これがもーカッコエーのですわ♪
石垣の表情ってのは時代と共にどんどん洗練性を高めていくのですが、それゆえどこか優しい見た目に変わっていきます。
でもここは城ですんでね。
戦闘要塞ですんでね。
いかつくゴツゴツしててナンボ。
この原初の姿こそお城のバリケードとして最強の表情だと思うのですよ。

 

遠くから眺めた石垣の全景

 

こちらは別角度から。
木で全然見えんけど、高度感満点の高石垣がズバッとそびえています。
下から数えると全部で3段。
先の例を参考にするとここも積み直ししたの?って感じですが、この段々は一切いじられていないオリジナルです。

 

3段になっているのにはちゃんと理由があって、まず1番下は元々水堀だった頃の名残りです。
その上の2段がバリケードとしての地上部分で、全高約21メートル。
わざわざ2段に分けたのはこの21メートルの高さを確保するためで、こうしないと石垣が崩れたのです。
石垣建造当時(1592年)、まだこの高さを一直線に積み上げる技術がなかったんですね。

 

百間堀園地から見上げる石川門

 

百間堀園地から見上げる石川門。(※石垣マップの3)
画になるわ~~♪♪
観光パンフレットなんかでお馴染みの構図ですね。

 

ただ今回のテーマは石垣。
見て欲しいのは石垣です。
この石川門下の石垣もよく見ると面白い事になってます。

 

出っ張って積まれた石垣

 

それは石の角度。
この石垣、よーく見ると石材の下部分をアゴを出すようにやや出っ張らせて積んであります。
だから凹凸が激しく、表情が荒々しくなっています。

 

これ、この石垣を積んだ後藤彦三郎・小十郎という親子のこだわりだそうです。
先に説明した通りこの場所は元々水堀だったのですが、石工職人的に「水堀の石垣は荒くあるべし!」ってのがセオリーだったそうで。
なのでこうしてわざわざ石の角度をズラして荒い仕上げにしたのです。

 

いつの時代も職人ってのはメンドー臭いねー(笑)。

 

石川門内の石垣

 

そしていよいよ城内へ。(※石垣マップの4)
石川門をくぐります。
すると目にするのがこの光景。

 

おかしいですよね?
左と右とで石垣の積み方が違う。
なんでこんな妙なコトになっとんじゃい!?と疑問に思われるでしょう。

 

積み直された石垣

 

実はこの石垣、火事で焼けて一度積み直しされています。
その積み直した部分が右のキレイな方、左の荒い方はそのままにされた部分。

つまり中途半端なまま補修を終えてるんですね。

 

なんでそんな妙な事をしたのかというと、お金がなかったから。
この頃の藩の金蔵はスッカラカン、収支は借金まみれのド赤字。
そんな中での石垣修復はかなりの負担だったらしく、苦肉の策として取られたのがこの「半分だけ直しましょう作戦」。
そしてその哀れな姿のまま現在まで残されてしまったのです。

 

積み直し前の石垣

 

直してない方のオンボロ感、すごいですよ。
隙間を埋める間詰石(まづめいし)が取れてしまって、奥にある栗石(ぐりいし)がボロボロこぼれてしまっています。

 

ただこれが楽しくてね。

栗石にどんな石が使われていたかが分かるんですよ。
パッと見ただけでも花崗岩、安山岩、砂岩、礫岩、凝灰岩と手当たり次第。
多分どこかこの近くから適当にかき集めてきた石を片っ端から突っ込んだんでしょうね。
恐らくは浅野川と犀川の河原あたりじゃないですかね。

 

金沢城の二の丸

 

次回はさらに城内に入り、二の丸周辺の石垣を見ていきます。
この辺りはいわば金沢城の心臓部。
古いものから平成になって積み直されたものまで様々な石垣模様が楽しめます。
そして金沢城石垣のトレードマークとも言える謎マークもいっぱい!

 

密度の濃い石垣散歩をお楽しみください。

 

 

金沢城公園

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金沢城の石垣 石垣展示◆まずは石垣の基本を学ぶ

2021年11月24日

金沢城の石垣サンプル

 

『石垣の博物館』の異名を持つ金沢城。
城内には戦国期~明治時代、カウントの仕方によっては平成時代までを含む石垣がアチコチに散在しています。
時代だけでなく造り方も色々。
武骨な野面積み(のづらづみ)からスタイリッシュなアート系までバリエーション多彩!

 

この石垣ネタ、前から1回やりたいな~と思ってたんですが、とにかく見てもらいたいポイントが多過ぎてどうまとめていいか分からず、ず~っと先延ばしになってました。
実際ね、見所だらけなんですわ、金沢城の石垣って。
何回見てもわくわくが止まらない!

 

そんな金沢城の石垣を今回から5回に渡って特集。
1回目はウォーミングアップ編として、石垣の基本構造をサンプルを交えて見ていきます。

 

金沢城石垣マップ

 

まずは金沢城石垣マップ。

 

ご覧の通り、金沢城は石垣だらけ。
これらをこれからひとつひとつ紹介していく訳ですが、よほどの金沢城マニアでない限り、どこの話をしているのか多分分からないと思います。
なので番号を振って、今どこの石垣の話をしているのか分かるようにしてみました。

 

スタートはいもり掘近くにある石垣のサンプル展示からです。

 

金沢城の石垣の石

 

こちらには石垣をバラしたもの、石垣用に切り出された石材の残骸などが並べられています。
展示用のダミーではなく、全てホンモノ。

 

なかなかないですわね、こういう眺め。
通常石垣が見られるのは表面だけですから。
でもここなら石の横も裏も、好きな角度から見放題。

 

もちろんお触りも自由です。
ベタベタ触ってたら裏から怖いお兄さんが出て来てヒドイ目に遭う・・なんて事はありません!(←何の話?)

 

粗加工石積みの石垣

 

石垣の積み方にはいくつか種類があって、これは「打ち込み接(うちこみはぎ)」と呼ばれるもの。(※現場の案内には「粗加工石積み」の名前で紹介されています)
粗く打ち割って成形した石を積み上げた石垣ですね。
金沢城内で最も使われている形式です。

 

形をよく見て欲しいのですが、奥に長くなっています。
こうやって固定域を増やし、構造を安定させるんですね。

 

石垣の内側

 

裏っ側に回り込むとこんな感じ。
感動ですわな、石垣の裏側が見られるなんて!

 

ゴロゴロと置いてあるコブシ大の丸い石は栗石(ぐりいし)と呼ばれるもの。
このように小石をたくさん詰めて隙間を作っておくことで、石垣内部に水の流れ道を作るのです。
これがないと溜まった雨水が風船のように石垣を膨張させ、崩落に繋がってしまいます。
石垣を長く保つ、大事な仕掛けです。

 

切り込み接の石垣

 

その隣にもサンプル。
こちらは「切り込み接(きりこみはぎ)」という積み方。(※現場の案内では「切石積み」の名前で紹介されています)

 

見た瞬間分かると思いますが、キッレーに形が整えられています。
それこそカミソリの歯も入り込まないくらいの精緻さ。
これを作るにはクソミソに面倒な手間暇と高い技術が必要となり、それゆえに城内でも特に目につく限られた場所でしか使われていません。
超プレミアムな石垣ですね。

 

石の整形の様子

 

こちらは石垣のタネと成形済の石材です。
通常、ここまでの加工を石切り場で行ったそうです。

 

どんだけ時間かかったんですかね?
機械も何もない時代ですから、当然オール手作業。
ノミや金槌でガッキンガッキンやってこの形まで落とし込むんですよ。
くどいですけど手作業で。

 

いやー、やりたくねー!
絶望的重労働ですわ!

 

タガネを打ち込んだ跡

 

そんな重労働の痕跡がこんな所に残されています。
一直線に並ぶ同じ形の窪み。
これはタガネを打ち込んだホゾの跡ですね。
こうしていくつものタガネを連続して打ち込み、ハンマーでガーン!ガーン!とやって石を適当なサイズに叩き割るのです。

 

これもキツイですよー!
1個2個じゃないですからね。
こんなのを何百何千と作んなきゃいけないんですよ。
重労働通り越して、地獄の鬼作業ですわ。

 

鬘石

 

これはちょっと変わったサンプルで、「鬘石(かずらいし)」と呼ばれるもの。
石垣天頂部のへりに使われる石、いわゆる天端石(てんぱいし)のアレンジ型です。

 

見ての通り凹凸を彫って別の石とドッキングさせているのですが、これは上に乗せる建物を安定させるためです。
こうやって地震などの揺れに対応すると共に、建物と石垣との密着性も増すのです。

 

鉛を浴びた石

 

こんなのもあります。
ツートンカラー石。

 

これ、上の赤茶色い部分が地の色、下の白っぽくなってる部分が鉛の色です。
なんで鉛が付いてんのかというと、火事で溶けた鉛が貼り付いたから。

 

以前にも鉛瓦の記事で紹介しましたが、金沢城の屋根ってのは基本的に鉛瓦で拭かれています。
それが火事の際に溶け落ちて、こうしてべったりと表面に貼り付いたんですね。

 

金沢城の鉛瓦

 

これがその鉛瓦。
黒でも赤でもなく白でしょ?
これが鉛の色です。

 

鉛ってね、簡単に溶けるんですよ。
火事なんかに遭ったら一発です。
技術の授業なんかでハンダ付けをした経験のある方なら分かると思いますが、ちょっと熱であぶるとすぐにトロトロに溶けます。
この石についている白もその溶けた鉛の跡なんですね。

 

戸室石の表面

 

最後に石についてちょっと。

 

金沢城の石垣は主に戸室石(とむろいし)という石で作られています。
戸室石というのは俗称で、学術的には「角閃石安山岩(かくせんせきあんざんがん)」と呼ばれます。
その石肌をルーペで拡大した画像がこちら。

 

全体的に黒っぽいですよね。
この黒いのが角閃石です。
安山岩というのはマグマが地表かその近くで固まったもので、主にこの角閃石や斜長石(白っぽい部分)、輝石(緑っぽい部分)などで構成されています。
日本中どこへ行っても見られる、比較的メジャーな岩石です。

 

いもり堀沿いの石垣

 

以上、金沢城石垣のウォーミングアップ編として、まずはいもり堀付近の石垣展示について見てきました。
次回はこのいもり堀付近から石川門にかけての石垣模様をて行きます。

 

この辺りは金沢城でもっともクラシックなスタイルの石垣が見られるエリア。
それゆえに疲労感むんむんで、造りも雑なのですが、それがまたい~い味になってまして。

 

詳しくは次回!

 

 

金沢城公園

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そば処まつや おろしそば この蕎麦、つゆのキレがタマランわ~♪

2021年11月22日

そば処まつや おろしそば

 

この日はお寺巡りの日。
ブラブラひたすら歩きまくる。
参道、仏堂、仏像、そしてそれらを取り巻く空気。
やっぱお寺って楽しい~♪

 

がむしゃらに歩き回っている内にいつの間にかお昼を回り、気が付けばお腹ぺこぺこ。
ええ加減メシ食わな力が出ん!
と、飛び込んだお店がまつや。
越前そばのお店です。

 

空いてる席に適当に座ってメニューを拝見。
一番食べたかったのはソースカツ丼だったんだけど平日限定とか書いてあったので断念、普通におろしそばを注文。
サイズはもちろん大盛り。

 

それではぺこぺこお腹をさすりさすり。
そば処まつやにてオーソドックスな”おろしそば”を食べたおします。

 

蕎麦つゆ

 

つゆ。
美味ぇーのよ、このつゆ。
醤油がキレッキレに光ってて。
出汁がじん~わり効いてて。
無駄にしょっぱくなく、ほんのり甘さがあって。
そしてスキッとクリア。
これ単体だけでするするっと飲めてしまう美味さ。

 

香りもいいわね。
す~っと鼻を通る香ばしさが悶絶エクスタシー!

 

まつや おろしそば

 

蕎麦はバラつきのある太さ。
自家製麺なんでね、自分で切ってんでしょうね。

 

麺は粘りのない、きゅっと締まりのある質感。
ほんのりザラつきがあり、蕎麦の風味がふうわ~と豊潤で。
タイト&ソフト。

 

蕎麦とつゆ

 

これを醤油キレッキレつゆに浸して食べるとンも~タマランのですわ♪

 

ビッと走るつゆのうま味。
ふわりと膨らむ蕎麦の香味。
心地良く抜けていく鮮やかな喉越し。

 

どれも秀逸で、まーひたすら美味くて。
すすり込む箸が止まらない!止まらない!
ノンストップですすって、すすって、すすりまくる!



2分(←?)で完食。



まつやのおろしそば。

 

美味いですわ。
素敵に美味いですわ。
文句ナシに美味いですわ。

 

でも、ただひとつ注文付けるとすれば。
この1.5倍は盛って欲しい。

 

大盛りでこのボリュームはちょっと寂しいな~。



ごちそうさま!





 

[参考]
・おろしそば:600円
・大盛:300円

 


 

 

そば処まつや

住所:福井県勝山市平泉寺町 65-7

TEL:0779-88-2047

ホームページ:そば処まつや公式サイト