店主たみこの観光案内日記

高尾城跡 見晴らし台だけ楽しんで帰っちゃダメ!ダメ!

2022年03月05日

高尾城址見晴らし台

 

かつて「百姓の持ちたる国」と呼ばれた真宗王国石川。
その始まりの地が今回紹介する高尾城(たこうじょう)です。

 

ご存知の方も多いと思いますが、北陸は浄土真宗の力がめっちゃ強い土地でした。
そのせいで政情が不安定だった戦国期、真宗教徒による一向一揆がジャンジャン起こったんですね。
で、しまいにゃこの辺り一帯を統治していた守護大名である富樫氏を滅ぼしちゃったのです。
その富樫氏滅亡の舞台となったのが、ここ高尾城です。

 

高尾城跡の全体図

 

では全体マップから。

 

入口はいしかわ師範塾って施設の駐車場脇と、そのちょっと手前にある墓地の脇の2ヵ所にあります。
アクセスの良さではいしかわ師範塾側から入った方が簡単ですが、今回のレポートは墓地側からスタートします。

 

構造はシンプルで、通路を上った先に見晴らし台として整備された曲輪があり、ここがゴール。
ヤル気のあるマニア(?)はもうちょっと先まで、って感じです。

 

入口の階段通路

 

入口はいきなり狭路の階段。
圧迫感満点!

 

今はちゃんとステップを設けて階段として整備されてますけど、戦国期はもっとガタガタに足場が悪かったでしょう。
山城の通路なんて上りにくくてナンボですからね。
見通しも相当悪かったはず。
そんな不気味な通路を、攻め手は周囲を警戒しながら恐る恐る進むのです。

 

下から見上げた高尾城の曲輪

 

すると突然視界が開けます。
お、上が見えるぞ!みたいな。

 

なのですがよーく見てください。
この目の前の斜面の上、明らかに城側の陣地になっています。
恐らくは前面を柵でがっちりガードし、そこから矢がびゅんびゅん飛んでくる仕掛けになっていたのでしょう。

 

雨ですよ!雨!
矢の雨!
怖っえーーーー!!!!(震)

 

高尾城の曲輪

 

その陣地はこんな感じ。
いわゆる「帯曲輪(おびぐるわ)」ってヤツで、そんなに広くありません。

 

でも迎撃するにはこれだけあれば十分。
攻め手側の足場もそんなに広くないので、どんなに大軍で来ても数の優位が生かせないんですね。
なのでここから飛び道具でガンガン攻めまくれば、相手は完全にお手上げ状態となるのです。

 

上へと登る階段

 

そしてこの先がキツイ!
何がキツイって角度。
メッチャメチャ傾斜が急なのですよ。

 

画像は上から見下ろした眺めですが、伝わりますかね、この急角度感??
一番急な所だと、多分45度越えてます。
そこを上ったんですよ、しかも重い甲冑や武器を身に着けて、さらに城側からの攻撃にさらされながら。
当然手すりなんかある訳ないし。

 

山城攻め、キッツイわ~~~!

 

高尾城址見晴らし台

 

そしてゴールです。
頂上は見晴らし台として整備されていて、山側はアレですが平野側はかなり向こうまで見渡せます。

 

気持ちいいですよ~ココ♪
吹く風が涼しくて、空気が美味しくて、生活音が何もしなくて。
なんかココロの洗濯場みたいな感じ。

 

見晴らし台からの眺め

 

こちらがその眺め。
金沢の平野が一面ズバッ!
この日はちょっと霞がかってて精彩に欠けてましたが、空気が澄んでる時は青々とした眺めが楽しめます。
ン~~もぉ~~爽快♪♪

 

でも500年ほど前はここで凄惨な殺し合いが展開されたんですね。
そう考えるとちょっとホラー。

 

曲輪横の枡形

 

この見晴らし台、反対側にも出入口がありまして、何気にそちらの方がかつてのお城の痕跡がリアルに見られます。
こちらがその出入口。

 

どう?何か違和感感じません?
通路が真っすぐではなく、なぜか広場をぐるりと巻き込むような形で通されています。

 

これは「食い違い虎口」と呼ばれる防御のための仕掛け。
こうして通路をわざとぐにゃりと曲げることで敵の勢いを削ぎ、さらに側面+正面の2方向から攻撃できるのです。

 

敵側からすれば鬱陶しいですよ~。
一気に突っ込みたいけど突っ込めないーー!みたいな。
地味だけど効果の高いトラップです。

 

高尾城の堀切

 

その先を進むとまた面白いものが見られます。
堀切(ほりきり)です。

 

なんとなーく通路が窪んでいるのが分かりますかね?
この窪み、人工的に掘り込まれています。
今はかなり形が崩れてなだらかになっていますが、戦国期はもっと露骨に窪んでいたはず。
おっと、これじゃ前進めないじゃん!みたいな。
これも敵の進行を阻止する仕掛けです。

 

竪堀

 

その先を進むと通路としては行き止まりになるのですが、まだお城は終わりません。
この左側の斜面を確認して欲しいのです。
縦方向に掘られた溝が幾筋か見られます。
竪堀(たてぼり)です。

 

これも攻撃に備えた仕掛けです。
こうして斜面上に縦方向の溝を掘っておくことで、敵の横移動を阻止するのです。
これに足を取られて身動きが取れずにモタモタやってる所を、矢でドシュドシュドシュー!と射貫くんですね。

 

未整備の曲輪

 

その竪堀のある斜面をよじ登ると、再び曲輪。
今は木がアチコチに生えちゃっててもうひとつイメージしづらいですけど、かつてここはちゃんと一面の広場になっていました。

 

この広場、面積的には結構なサイズです。
先に見た見晴らし台の倍くらいはあるんじゃないですかね?
現在整備中のようですので、何年か先にはもっとちゃんと全貌が分かるようになるのかもしれません。

 

高尾城址見晴らし台の案内板

 

何気に恐怖の仕掛けが生々しく残る高尾城。
平和~な見晴らし台だけに惑わされちゃいけません。
ここは凄惨な殺し合いの舞台になった現場なのです。
訪城の際には、そんな戦慄の緊張感を意識しながら回ってみてください。
結構恐怖ですゼ!

 

 

高尾城跡

住所:石川県金沢市高尾町ウ 31

 

 

関連タグ >> お城 

 


貴舩神社 よぼよぼの老木が生む不屈の神霊力

2022年03月02日

貴舩神社

 

貴船神社と言えば水の神を祀る神社。
東京に本拠を置き、全国に分社を持っています。
そのひとつがここ、白山市にある貴船神社。
松任駅から徒歩で15分ほどの距離にある小さな神社です。

 

創建は康平6年(1063年)という事なので平安末期。
すぐ目の前にある若宮八幡宮の末社として興されたそうです。

 

貴舩神社の手水舎

 

手水舎がいきなりイケてるわ~。
黒瓦の屋根でばさっと覆われてて、その下の龍口から水がとくとくと流れ出してて。

石の鉢が放つ冷たい緊張感が独特。

 

参考までに手水舎のルール、ご存知でしょうか?
手水舎ってのは正しい作法があって、洗う順番がきちーんと決められています。
正式な手順は、左手→右手→口→左手→柄。
スマートにできるよう、しっかり練習しておいてください。
上手にできるとご利益がアップします。(※しません)

 

入口の石鳥居

 

そして入口に構える石鳥居。
丸柱を内側にやや転ばせ、笠木(上の横材)をさらりと上に反らせた明神鳥居。
比較的よく見るタイプの、ごくスタンダードな鳥居です。

 

この鳥居なんですけどね、妙なものがぶら下がってるんですわ。
中央部分に鎖が1本だらり。
これ何のためのものなんですかね?
祭りの時にでも何か吊るすのかな?
分からん・・・。

 

貴舩神社の御神木

 

そして御神木の欅(けやき)。
ぶっとい幹でデデーン!!

 

樹齢は不明、主幹が途中で折れちゃってますが、それでも樹高19メートルもあるそうです。
冬なので見た目的に少々寒々しいですけど、夏はちゃんと葉も茂ります。

 

なんか貫禄ありますわな。
まさにこの木に神さまが宿ってるんだ、みたいな。
漂う霊威がどこか神秘的。

 

鎌の宮

 

その脇に末社がひとつ。
石柱には「鎌の宮」と記されています。
詳細については不明で、なんの神社か良く分からないのですが、「鎌」の字が入ってるんですから多分鎌を祀った神社なのでしょう。

 

日本人には古来より釜や鍋、鍬や刃物など、道具を祀るという風習がありました。
自分たちの生活を支えてくれる道具に感謝し、神格化するんですね。
この神社もそんな流れをくむものなのかもしれません。

 

貴船神社の末社

 

さらにもうひとつの末社。
こちらはもっと詳細不明。

 

なんやろ?
分からん。
ナンも説明ないしさっぱり分からん。
なんやろ?

 

謎や・・・(悩)。

 

拝殿正面

 

その奥に拝殿。
この神社のセンターです。

 

アルミサッシでがっつり覆われててイマイチ建物の具合がよく分かりませんが、木造のさっぱりとした社殿になっています。
扉は閉じられてて内部の様子は不明。
隙間から覗くと小振りな神棚と内陣・外陣がチョロっと見えるだけで、かなりこざっぱりした感じ。
どこにでもある、ごく普通の地方の神社。

 

なの。

 

ですが。

 

甘ーーーーい!!!

 

あるんですよ、アレが。
この時点で実は既に画像に写り込んでいるのですが、わたくしの大ぁ~~い好きなアレがあるんです!

 

逆立ち狛犬

 

逆立ち狛犬~~♪♪
ぴょこっと後ろ足を蹴り上げて、ま~かぁ~あいい~~♪♪

 

いやー素敵ですわ、逆立ち狛犬。
これを見付けるのが楽しいのさ、金沢の神社巡りは、ここは金沢じゃないけど。
今回の記事もこの狛犬を紹介するためだけに書いたって言うね。
これ見付けちゃったら、記事書かなおれんですわ♪

 

貴船神社の石柱

 

平安の世よりずっとこの地の崇敬を受け続けてきた貴船神社。
小さな神社ですが、なかなかに雰囲気のいいところです。
お近くまで来ることがありましたら、ぜひお参りしてみて下さい。

 

すぐ目の前には若宮八幡宮という大きな神社もあります。
せっかくなのでハシゴしてお参りすればさらにご利益アップですよ!(多分)

 

 

貴船神社

住所:石川県白山市若宮 2-135

TEL:076-275-0513

ホームページ:石川神社庁公式サイト

 

 

関連タグ >> 逆立ち狛犬 神社 

 


トリプルアール 炭火焼ステーキ丼セット ザ・贅沢な至福のひと時をどうぞ

2022年02月28日

トリプルアール 炭火焼ステーキ丼セット

 

この日は健康診断。
当たり前だけど朝から何も食ってねー。

 

おおおーーーハラ減ったぁーーー!!!

 

と診断後、激々ハングリーモードで飛び込んだお店はトリプルアール。
ちょっとオシャレ系な洋食屋さんです。

 

店内は明らかに若い女子向け仕様。
そんな中、ザ・ヲッサンお独りさまという場違いオーラをギンギンに放ちながら堂々とテーブルに座り、メニューを物色。
しばらーく眺めて、ズバッと目をつかんだのが”炭火焼ステーキ丼セット”。

 

やっぱ肉っすわ、肉♪
地獄の胃カメラ飲まされたし、肉♪(謎)

 

みたいな流れでアフター健康診断よれよれモードを解消すべく、トリプルアールの”炭火焼ステーキ丼セット”を。
いつも通り大盛りにして食べたおします。

 

前菜のサラダ

 

前菜のサラダ。

 

野菜はパリッパリ。
軽快な破砕感と弾ける水気がたまらなくフレッシュ。

 

その隣には生ハム3種とカルパッチョ2種。
生ハムは味がぎゅっと凝縮してて、薄切りでも圧力十分。
カルパッチョはしっとりみずみずしく、魚肉の甘みが濃厚。

 

炭火焼ステーキ

 

メインの炭火焼ステーキ丼。


肉はミディアムレアに焼き上げられた牛肉。
質感もっちゃもちゃに柔らかく、まるで舌にねっとり吸い付くような感覚。
その肉からとろ~と流れ出す肉汁が濃密と言うか妖艶と言うか。
目が覚めるような純度で甘く甘く口の中を舐める。

 

ふ・・と立ち昇る炭火のビターなニュアンスもイイですね。
大人な煙燻香がもうひとつのスパイスとなり、味の練度をさらに一段高める。

 

炭火焼ステーキとごはん

 

そんなお肉ちゃんとごはんと一緒に。

 

ごはんはややパラ感強め、ちょっとコワめの歯応え。
でも甘みはしっかり。

 

このごはんにステーキのタレが降られててね、こ~れ~が~美味ぇ~のですわ♪
ごはんの味+タレのうま味、これだけで独立したメニューにできるくらいのインパクト。
そこにやわやわもちゃもちゃのステーキ肉ですよ!
溶け合う味+味+味。
噛めば噛むほど深みを増して、湧き出す唾液がさらに甘みを誘って。
脳みそまでトロけてしまいそうな美味さ♪

 

デザート

 

デザートはかぼちゃのケーキとチョコレートのアイス。

 

かぼちゃケーキはかぼちゃの甘みがそのまんまどん!
ほっくりとした甘みの中にクッキーのサクサク食感が軽やかに踊る。
ちょびっとチーズっぽいニュアンスも。

 

チョコレートアイスは甘みヘビー。
ゆる~りと溶けながら強い甘みを次から次へと乗せていく。
ふっと揺り戻すカカオの香りがメチャメチャ贅沢♪



完食。



トリプルアールの”炭火焼ステーキ丼セット”。

 

素晴らしいね、クオリティ。
”美味ぇーモン食った”と言うより”え~え時間過ごした~♪”って感じ。
料理だけじゃなく、空間までもが食事。
そんな事を感じたひと時でした。



ごちそうさま。





 

[参考]
・炭火焼ステーキ丼セット:1,738円
・丼大盛り:110円

 


 

 

トリプルアール

住所:石川県金沢市鳴和町イ 10-3

TEL:076-218-9119

ホームページ:トリプルアール公式サイト

 

 

 


大師山 清大寺 九龍殿・日本庭園◆この庭に隠された仕掛け、アナタは見抜けるか?

2022年02月26日

大師山 清大寺の裏門

 

ここまで4回に渡ってお届けしてきた、ツッコミ所とサプライズが満載の清大寺(せいだいじ)。
今回のレポートがいよいよ最終回となります。

 

さてこのお寺、なんでか知らんけど中国と太いパイプを持っています。
これまでに何度か登場した黒・白の大理石製の石仏はオール中国製だし、初っ端に見た巨大な仁王像も中国製。
多分他にもわたしの知らないチャイナパワーが、あちこちに潜んでいると思います。

 

そんなザ・中国色の極が、今回紹介する九龍壁(きゅうりゅうへき)です。

 

九龍殿

 

こちらがその九龍壁が格納されている建物、九龍殿。
ご覧の通り屋根の反りがびっしゃーと極端にシャープ。

 

これはもうバリバリの中国様式ですね。
日本にも反り屋根はあるけど、ここまではやらない。
明らかに中国文化をオマージュしてます。

 

九龍壁

 

中には9頭の龍がデザインされた九龍壁がどーん!
高さ7メートル、長さ20メートル。
色の鮮やかさが凄まじいですな。

 

九龍壁とは中国の国宝第1号に指定された装飾壁で、オリジナルは北京市にあります。
そんなの勝手にパクっちゃって大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、心配無用。
ちゃんと中国に許可を取ってあり、勝手に模造した海賊版ではありません。
本物は見たことありませんが、かなり精巧にコピーしてあるそうです。

 

瑠璃瓦で彩られた九龍壁

 

この九龍壁を飾る瓦、瑠璃瓦と呼ぶらしいですが、これもやっぱり中国製。
別に国産でも良かったんですけど、これと同じものがどーしても国内では作れなかったんだとか。
ネックとなったのは色と凹凸。
この鮮やかな色を出す顔料がなく、さらにこれだけ凹凸の激しい焼き物は焼成の際にどうやっても割れてしまうんだそうです。
最終的には国産を断念し、中国の業者に焼いてもらったのがこの瓦。
その数実に8,263枚!

 

執念ですな。
そこまでしてこの壁作りたかったんか?って感じですが。
ちゅーかどんだけカネかかったんかな?(←ソッチの方が興味ある)

 

爪が5本ある皇帝の龍

 

ただクオリティは激高でしてね、龍の描写の躍動感がハンパない。
ぐねぐねにうねりまくるポージング、豊かな表情、さらに背景の波と雲(水?)。
それらが鮮やかな彩色と共に、大画面でバーン!と展開するのですよ。
直に現場で見るとブッ倒れるほどに圧巻です。

 

そして龍。
よーく見て下さい。
爪が5本あります。
これは皇帝の龍の証。
つまり9頭ものザ・キング・オブ・龍が、水辺でぴちゃぴちゃ遊んでいるのです。

 

おおーー!ダイナミック!!

 

清大寺の日本庭園

 

そこから3分ほど歩いた先にあるのがこの日本庭園。
中央に大池を配した池泉回遊式の中規模庭園です。

 

ぶっちゃけね、地味~な庭です。
ここまでやたら派手なデカさにばかりこだわってきた清大寺ですが、ここだけは不自然なほどに地味。
明らかに覇気がない。
なんでやろ?

 

心字池

 

この池、「心字池(しんじいけ)」と呼ばれるもので、草書体の「心」という字を模して造成されています。
草書体の「心」ってどんなんや?って人は、ググって調べてください。
なんかグネグネ~っとした感じの一筆書きみたいな文字です。

 

なんで池が「心」の字なのかはよー分からんのですが、どうも「心」という文字に精神世界的な意味が込められているみたいです。
つまりこの心字池はこの世とあの世との境界であり、中央にある橋はこの世とあの世との架け橋をイメージしているのだとか。

 

九山八海を表現した配石

 

その精神世界はこの配石にも表現されています。
高さのある岩を中央に置き、その四方に平たい岩。
これらは仏教世界における九山八海(くせんはっかい)と呼ばれる世界観を表現しています。

 

まず中央にある高い岩、これは須弥山(しゅみせん)と呼ばれる仏の住まう山です。
四方にある平たい岩は、その須弥山をぐるりと囲む4つの島。
ここでスマホをお持ちの方はコンパスを使って方位を確認して欲しいのですが、これら4つの岩、きっちり東西南北に配置されています。
これにより各島(ここでは岩)の名前が特定でき、画像だと左から順番に牛貨洲(ごけしゅう・西)、倶盧洲(くるしゅう・北)、勝身洲(しょうしんしゅう・東)、贍部洲(せんぶしゅう・南)となっているのが分かります。

 

どう?見えます?仏教世界??

 

三尊石を配した滝

 

その九山八海の奥には滝。
ぱちゃぱちゃと水を落として、なかなかいい味を出しています。

 

この滝、よーく見ると左右に大きな石が配されています。
これらは「三尊石(さんぞんせき)」と呼ばれるもので、仏の姿を模しています。
中央の滝がメインとなる仏さまで、左右の石がその仏に付き従う脇侍(わきじ)。
基本的には中央が不動明王で、左右がその眷属である矜羯羅童子(こんがらどうじ)・制多迦童子(せいたかどうじ)とするのが一般的です。

 

越前大仏建立記念碑

 

池の奥に回り込むと巨大な石碑がぽつん。
『越前大仏建立記念碑』と刻まれています。
恐らく落成に合わせて建てられたものでしょう。

 

きっと夢いっぱいで建てたんでしょうね。
よーしドデかい花火ブチ上げたるぞー、みたいな感じで。
結果的にはメガ観光施設としてオープンしたこのお寺の経営は瞬く間にとん挫し、大負債を抱える事になったのですが。

 

でもいいじゃないですか。
これもロマンですよ、ロマン。
男なら夢はでっかくなきゃね!

 

大仏殿前の石仏

 

以上、合計5回に渡ってお届けしてきた清大寺のレポート。

 

とにかくデカいのですよ。
敷地が広大なのですよ。
全部歩くだけで結構疲れるのですよ。
だけどね、その分楽しさもいっぱいですから、時々休憩しながらゆ~っくり見てってください。
ホント素晴らしいですよ!

 

日本一の越前大仏が。
あなたを待ってまーーーす!!

 

 

大師山 清大寺

住所:福井県勝山市片瀬 50-1-1

TEL:0779-87-3300

ホームページ:清大寺公式サイト

 

 

関連タグ >> お寺 清大寺 

 


大師山 清大寺 五重塔◆3階と4階のあの部屋、なんとかなりませんか?

2022年02月23日

大師山 清大寺 五重塔

 

越前大仏で有名な清大寺(せいだいじ)。
前回はそのメインである大仏殿を見てきました。
今回はもうひとつの目玉である五重塔を見ていきます。

 

この塔のご自慢は何と言っても高さ。
なんたってデカいの大好きな清大寺の五重塔ですからね、当然高さにはこだわります。
全高実に75メートル、なんと日本一!

 

ほんとデカいの好きだよな、このお寺(笑)。

 

造形が美しい五重塔

 

プロポーションが素敵ですわな。
上階に向かって規則正しくサイズが縮小していく逓減式(ていげんしき)のフォルムは見ていて爽快。
見事としか言いようのない美しさです。

 

天頂には相輪(そうりん)がすらり。
相輪ってのは金色のアンテナみたいなヤツね。
この先に仏の住む天界があるんだよって事を暗示しているかのように、真っすぐに伸びています。

 

九輪のサンプル

 

そしてこの相輪、塔のすぐ足元で一部だけですが見られます。
これがそれ。
九輪(くりん)と呼ばれるパーツです。

 

デカいのよ、近くで見るとデカいのよ。
え?あの頂上にあるヤツ、近くで見るとこんなにデカいの?と思わず目を疑うほど。
これが9個バンバンバーンと並んでんですからね。
スゲーな屋根の上。

 

登りてー・・・。(←高い所大好き)

 

清大寺五重塔の入口

 

さてこの五重塔、入れます。

 

五重塔ってのはね、本来入れる必要がないのですわ。
なぜならあれは単に仏舎利(釈迦の骨)を祀るだけのモニュメントだから。
なので全国各地にある五重塔も、普通は入れません。
外観だけ見て、あー高いなー、ほー、って感じ。
入れてもせいぜい1階部分だけ。
でもここの五重塔はね、入ってしかも上に登れます。
最上階の5階まで登れます。

 

素晴らしい♪

 

塔内のエレベーター

 

それだけじゃありません!
なんとエレベーター付き!

 

いやーなんちゅーかね、ここまで散々お寺の建物が鉄筋なんてカッコ良くないって文句ばかり言ってきたけど。
ここで初めて鉄筋のアドバンテージが発揮されたね。
ビバ!近代建築♪

 

仏像の部屋

 

だからって急いでエレベーターに乗っちゃいけません。
各階にこんなファンタジックなものが用意されています。

 

仏像ルームぅ~~~♪♪

 

ズラリと並ぶ仏像は全部で11体。
前列は左から順に不動明王、金剛界大日如来、(多分説法中の)大日如来、(多分)釈迦如来。
2列目は(多分)宝生(ほうしょう)如来、(多分)毘慮舎那(びるしゃな)如来、(多分)阿閦(あしゅく)如来。
3列目は(多分)阿弥陀如来、十一面観音、(多分)不空成就(ふくうじょうしゅ)如来、地蔵菩薩。

 

いわゆる立体曼荼羅ってヤツですね。
正規の曼荼羅とはやや配置と顔ぶれが違いますが。

 

上に登る階段

 

いよいよ改めてエレベーターに戻って上階に向かおうって流れになるのですが、ストーップ!
階段もあります。
ここは黙って階段を登りましょう。
だってこの仏像ルーム、1~5階、全部の階にあるのです。
これは見なきゃ損!
階段使ってこれらの部屋を全部制覇しましょう!

 

2階の仏像ルーム

 

こちらは2階の仏像ルームの様子。

 

白っ!
めっちゃ白っ!
きっとここをお参りすれば美白効果満点!!(※そんな効能はありません)

 

いや~独特ですよ、ここの雰囲気。
白が作り出す荘厳な静謐感。
1階とは全く違う清浄な空気がピーンと張り詰めています。

 

3階の仏像ルーム

 

3階の仏像ルーム。

 

1階・2階と幽玄な仏像空間を見てきて、今度はどんな部屋があるんだろう?とわくわくしながら覗くと、まさかの1階ルームの再現。
しかも照明切れてて暗れー。

 

いやいやいや、なんでや?
もーちょい何かできんかったんかい?
違う仏像用意できんかったんなら、仏画並べるとか、掛け軸飾るとか。
なんで1階と同じことやんねん?

 

4階の仏像ルーム

 

さらに4階。
まさかの再び1階ルームの繰り返し。

 

コケますゼ。
右奥のお地蔵さんを金色にして、微妙ぉ~に変化を付けてはいるんですけどね。
ほぼ1階と同じ。
なんでやねん!と思わずツッコまずにはいられない。

 

え?これならわざわざ階段登らんでも、一気に上までエレベーターで上がれば良かったんじゃないかって?
ノー!ノー!
この悔しさを味わって欲しいのです、他の人にも。
だって自分だけ被害者って悔しいじゃないですか!(←そういう性格)

 

最上階の仏像ルーム

 

そして最上階の仏像ルーム。
ここは流石にパターンを変えてあります。
仏さまを3体並べた、いわゆる三尊像形式。
左から順番に、阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来。
如来さまのビッグスリーですね。

 

この部屋も荘厳ですよ~。
ラストを飾るに相応しい、仏のエネルギーが満ち満ちた感じ。
ここまで地道に階段で登ってきた人のストレスも一気に吹っ飛ぶ神秘感です。

 

5階から見る外の眺め

 

そして外にも出られます。
高欄の上からは勝山の景色が360度の大パノラマでズッバー!!!
山と民家と田んぼしか見えんけど(笑)。

 

でもね、すげー気持ちいいのですよ、ココ。
涼風がさーっと吹いて、高度感のある眺めがタマラナク壮観で。
高所恐怖症でないのなら、この景色は絶対楽しんでってください。

 

清大寺五重塔の石柱

 

日本一高い、清大寺の五重塔。

 

楽しいよ~。
五重塔に登れるって、それだけで楽しいよ~。
高いトコ大好きな人も、お寺大好きな人もきっと大満足。
どうぞ張り切ってお参りください。

 

次回は清大寺レポート最終回、九龍殿と日本庭園を見ていきます。
皇帝の龍がにょろにょろしながらアナタをお待ちしてますゼ~♪

 

 

大師山 清大寺

住所:福井県勝山市片瀬 50-1-1

TEL:0779-87-3300

ホームページ:清大寺公式サイト

 

 

関連タグ >> お寺 清大寺 

 


 


 

新着記事

>> 記事一覧