うみっこらんど七塚 海と渚の博物館 失われた能登の漁村風景が今に蘇るノスタルジック空間
2020年08月01日
石川県能登半島は、かつて漁業が盛んな地域でした。
最盛期には沿岸にだーっと漁村が展開されていたそうで。
そんな漁業と人とのつながりを紹介しているのが「海と渚の博物館」です。
場所は、のと里山海道の白尾インターチェンジを下りてすぐ。
ちょびっと脇道に入ったところにあります。
キャンプ場なんかが併設されていて、多分そっち目的で訪れる人の方が多いでしょう。
エントランスからいきなりスタイリッシュ!
「田舎の博物館」的なドロ臭さがなく、シャープなラインがぴっと伸びる洗練されたフォーム。
壁の茶色は多分珪藻土(けいそうど)でしょうね。
珪藻土とは堆積岩の一種で、海の底に沈んだプランクトンの死骸が積もり、圧縮され、数千万年かけて石化したものです。
能登半島は実に3/4がこの珪藻土で形成されているそうで、埋蔵量なんと日本一。
ゆえに今も昔も珪藻土の一大産地として知られています。
まずは内部構造をざっと俯瞰。
どうです?
この形、なんかピンと来ません?
そう、舟ですね。
この建物の形は、舟をイメージしています。
設計を手掛けたのは内井昭蔵(うちい しょうぞう)。
以前このブログで紹介した大野からくり記念館もこの人の設計です。
この人の建築、イロイロ仕掛けがあって面白いんですよね~♪
まずは舟の周りをぐるっと回ってください。
ここはいわば「波止場」の部分に当たります。
波止場だけに舟の「外」に関するものが中心に展示されており、漁業地図とか航海日誌とか船の構成部品なんかが見られます。
こうした展示品を通じてかつての能登の世界へと入っていくわけですね。
つまりタイムスリップへの入口です。
そしていよいよ乗船です!
舟へはスロープを降りて乗り込みます。
このスロープ、実はこれもひとつの仕掛けなんです。
これってタラップのイメージなんですね。
タラップって、舟に乗る時に渡る橋みたいなアレです。
だから細くて長いんですね。
ここを通る時はぜひそんな「舟に乗り込む感」を感じながら降りて行ってください。
スロープを降りると、いよいよ舟の中。
ここでは当時の漁業の様子とか舟に関する様々な展示が見られます。
まずは最強の目玉からご紹介します。
それがこちらの『櫓こぎ体験』。
なんとコンピューターシミュレーションで舟を漕ぐ体験ができます。
舟を漕ぐ手順については詳しい案内があるので、初めての人でも安心。
さらに「櫓漕ぎ名人じんべい」との競争ゲームなんかも用意されてて、エンターテイメント性抜群!!
故障してて動いてないけどね。(←!)
さらにタライ漁体験ってのもあります。
これはかつて能登で行われていたタライ漁の再現で、ゲーム感覚で漁が体験できるという遊びです。
やり方は簡単、穴からのぞき込んで映像の中のサザエやタコを捕まえるだけ。
シンプルで体力もいらないから、お子様でも思いっ切り堪能できます。
故障してて動いてないけどね。(←!)
あとスタンプラリーなんかもあります。
入口でもらったカードを機械にガチャンと差し込むだけ。
動いてないけどね。(←!)
展示されている漁具の解説なんかも、モニターで自動案内してもらえます。
動いてないけどね。(←!)
そんなデジタル部分全滅な展示空間ですが、アナログ部分は無事です。
そのひとつがこちら、浜納屋。
昔はこんな納屋が海岸沿いにいくつも並んでいたそうで。
これが結構雰囲気出てましてね。
めちゃめちゃレトロチックで昭和感全開!
特に中に置いてある漁師おやじの人形が妙にリアルにできてまして、「うおっ、なんでこんなトコに突然人おんねん!?」って一瞬ビビるほどのヤバさ(笑)。
こんなのもあります。
「舟小屋」。
こちらは見ての通り舟を格納しておくための小屋。
冬場はこんな感じで舟を海から上げて、小屋の中に収納しておいたんだとか。
って言っても、舟なんてどうやって浜の上まで引っ張り上げるの?と思われるかもしれませんが、大丈夫、そのための道具も展示されています。
それがこちら、「ロクロ」。
これと舟をロープで繋ぎ、竿を差し込んで、その竿をぐるぐる回して引っ張り上げたんだとか。
竿がテコの原理を発生させ、より小さな力で舟を引けたんですね。
さらにより動きやすいよう、舟の下にはコロを噛ませたそうです。
とは言っても所詮は人力なんでね。
実際はかなりキツイ作業だったでしょう。
で、展示品を一通り見たらちょっと上も見て欲しいのですわ。
鉄骨むき出しの船底天井。
舟がテーマの建物だけに船底天井。
右と左でやや高さをズラしてあるのは採光のためです。
このズレの部分が天窓になっていて、自然光が優しく降り注ぐ構造になっています。
舟を出ると、「かほくふるさと展示室」ってのがあります。
ここから先は現代の能登。
つまり舟の中のタイムスリップ体験を終えて、再び「今」の時間へ戻ってきたと、そんなストーリーになってるんですね。
ここではかほく市に関する情報が3つのテーマに分けて紹介されています。
左壁面が「かほく市出身の有名人」、右壁面が「かほく市の紹介や案内」、手前壁面が「かほく市の史跡・文化」。
個人的に喰いついたのは史跡の部分ですかね。
お、次ココ行くべー、みたいな。
こういうニッチな情報が、意外に行ってみると面白かったりするのです。
能登半島が漁村だった頃の姿が見られる海と渚の博物館。
へ~昔の能登ってこんな所だったんだ~、なんて思いながら眺めてみてください。
今は失われたかつての風景の再生に、不思議なノスタルジックムードが味わえますよ!
そして!
故障機器、早よ直してよ~(笑)。
あっと、それともうひとつ。
建物の外にこんなのがあります。
潜水艦。
これ、ただポーンと置かれてるだけでなんも案内がないのですわ。
船体に書かれてる『TADROLE=おたまじゃくし』という船名以外は一切不明。
ググって色々調べても、詳細情報全くなし。
パンフレットを見てもこの件については完全にスルー。
なんなんスかね、コレ?
一体この潜水艦、なんなのーー???
ちゃんと案内してくれーーー!!!
白髭山 持明院 県内ではここだけでしか見られない県指定天然記念物「妙蓮」を堪能
2020年07月29日
妙蓮(みょうれん)ってご存知ですかね?
学名を『多頭蓮』と呼び、1つの花に複数のつぼみを付け、花ひとつに大きな花弁を1,500~3,000枚も付ける蓮です。
なんでもこの蓮が見られるのは全国でも滋賀県の近江妙蓮と、そしてここ金沢の持明院(じみょういん)だけなんだそうで。
要するに超希少種って事ですな。
その持明院の妙蓮が見頃を迎え、一般公開が始まったって事で、行ってきましたよ、早速。
まず訪問者を出迎えるのが山門。
サイズ的にはそれほど大きくなく、ごくシンプルに仕立てられた棟門。
黒い屋根瓦の下にかっちり組まれた木構造が美しいですな。
扉は観音開きの桟唐戸。
お城の門扉と違ってイカツイ黒金具でごてごてデコレーションされてないので、全体に軽快で近寄りやすい印象になっています。
さ~入っておいで~、みたいな。
その門をくぐって境内に入り左に折れると、いきなり本堂がどどんと現れます。
この画像、本当はもうちょっと引いて撮りたかったんですけど、引くと建物の前に木の枝がかぶさって邪魔だし、近寄るとフレームに建物が入り切らないし。
写真アングル難しいーー!!(泣)
ま、それはどうでもいいんですが、このお堂、バリバリの鉄筋コンクリート建てです。
なんでも昭和46年建造だそうで。
構造としては梁間3間(横方向・柱4本)、桁行4間(縦方向・柱5本)の方形(ほうぎょう=正方形)。
屋根は銅板瓦の反り屋根で、頂点には水煙を模したオブジェ。
この水煙オブジェがもぉ~かっこええ~~のですわ♪♪
と、この時は思ったんだけど、この水煙、本当は水煙じゃなくてどうも炎みたいです、後で分かるんだけど。
本堂内部はほとんどのスペースが内陣、つまり仏さまのスペース。
外陣(参拝者用スペース)は手前ちょびっとだけ。
大勢の参拝者を収容することは前提としてないですね。
ここでちょっと注目して欲しいのが天地の仕立てで、内陣と外陣とで天井や床に違いがあります。
外陣はフラットな格天井、内陣は格式高い折り上げ組入格天井。
床面も内陣の奥の須弥壇がある部分はちょっと底上げしてあります。
これは仏さまと我々人間との「格」の違いの表現なんですね。
こうして仏さまに「いい」場所を提供することで、信仰の気持ちを捧げているのです。
要は仏さまへのリスペクトって訳ですな。
内陣奥には、本尊として不動明王像が祀られています。
お寺の説明書きによると、1本の木を彫り抜いて作った一木造りで、制作は平安時代前期との事。
これがもー迫力満点でして。
右手に宝剣っぽい三鈷杵(さんこしょ)、左手に羂索(けんさく)を持ち、背後にはめらめら燃え立つ紅蓮の炎。
カッコええーー!!!
ここで思い出して欲しいのが、先に見た本堂天頂の水煙。
あの場所には通常火事除けのおまじないとして水煙を飾ることが多いので、わたしも最初見た時は水煙と思ったのですが、お不動さまと言えば火炎。
つまりあれは水煙じゃなくて炎だったんですね。
こうなると水も火も形同じだな(笑)。
で、その本堂の裏にぐるっと回ると、いよいよメインイベントの妙蓮池。
これがまた圧巻なのですわ。
一面に広がる緑・緑・緑。
目の前で見ると意外に高さがありまして、人の身長くらいはあるので、なんと言うか、天に向かって伸び上がるような独特の躍動感があるのですよ。
まるで池そのものがエネルギーの塊!
思わず一歩引いちゃうほどの迫力。
訪問時はまだ満開じゃなくて、ほとんどがつぼみの状態。
もう1週間遅く来たら、多分全然違う景色が見られたでしょうね。
ちなみにこのつぼみ状態の蓮華、よく仏像の持仏として使われているのを御存じでしょうか?
意識してなきゃ気付かないかもしれないけど、多分どこかで一度は目にしていると思います。
この蓮の花ってのは仏教で言う「悟り」を意味し、それがまだつぼみという事は悟りに至っていないという表現になります。
つまり仏さまが持っている蓮のつぼみは我々悟りに至っていない衆生の象徴であり、そんな未熟な者たちを仏の世界へ導いてくれるという慈愛を表しているのです。
今度仏像を見ることがあったら、そんな持物にもぜひ注目してみてください。
未開敷蓮華(みかいふれんげ=つぼみの蓮華)を見かけたら、ちょびっと”むふっ♪”とできますよ。(←?)
妙蓮池の片隅にはこんなものもあります。
茶室『一草庵』。
これがもうバリバリの本格仕様。
なんでこんなトコ(失礼!)に突然こんな素敵なモンあんの??みたいな意外感。
路地(庭)からいきなりイケてましてね。
置物の配置に、何気に茶道の一連の動きが見えるのですよ。
ちょっと追ってみますね。
まず入口から茶室に向かって敷かれた飛び石の通路の途中に手水鉢(ちょうずばち)。
ゲストはここで手をゆすぎ、身と心を清めます。
その先には外腰掛(そとこしかけ=ベンチ)。
手水鉢でのお清めが終わったゲストは、ここでホストの準備が終わるまで待機することになります。
そしていよいよお呼びがかかると躙口(にじりぐち)という狭~い穴から、それこそ体をねじらせながら入室し、お茶を頂くわけです。
あーーーー。
お茶って面倒臭ぇーー!!!(笑)
ついでに注意して欲しいのがコレ。
躙口の真下にちょこんと小さな石が置かれているのですが、コレなんだか分かります?
これは「関守石(せきもりいし)」と呼ばれるもので、”この先には入ってこないでください”という事を意味しています。
古いお寺とかに行くとたま~に見かけますので覚えとくといいですよ。
ここの場合は、「茶室内には入んないでね」というメッセージになります。
今が見頃の持明院の妙蓮池。
一般公開は7/25(土)~8/10(月)となっています。
いつでも見られる景色じゃないので、時間がある方はぜひこの機会に足を運んでみてください。
なお駐車場はお寺の裏側にあります。
そんなに広くなくせいぜい10台ほどしか停められませんので、もし満車の際には空くまで待ってください。
近所迷惑になるので路駐とかは絶対しちゃダメですよー!
関連タグ >> お寺
金沢城 鼠多門&鼠多門橋 ついに完成!お披露目初日に行ってきました!
2020年07月25日
長らくお待たせしました(わたしが待たせたわけじゃないけど)、2020年7月18日、鼠多門&鼠多門橋がついに完成しました。
その初の一般向け開放の日、行ってきましたよ早速。
橋渡っちゃるぞー!と意気込んで。
やっぱ歩きたいじゃないですか、出来立てピカピカの橋。
雪が降るとまだ誰も踏んでいない新雪の場所、歩きたくなるでしょ?
あれと同じ感覚ですよ。
別に一番じゃなくてもいいけど、とにかく早く橋を渡りたい、と胸ワクワクで現場へ向かう。
が、そこで目にしたのは・・・。
ガーーーーン!!!
じゅじゅじゅ・・13時スタートっスかー???
聞いてないっスよーーー(泣)!!!
しかしダメなもんはしょうがない。
まさか強行突破する訳にもいかないし、すぐそこの玉泉院丸庭園に移動してスマホをいぢりながら時間を潰す。
そして10分前に再び戻ってくると、早くも行列が。
お前らさ~、なんでそんなにヒマなのよ??(←お前もだよ)
そのまま列に付いてぼーっと10分間を過ごし、なんのアナウンスもないまま時間ピッタリにオープン。
コロナのこんな時期なので中に入れるのは20人制限となってたのですが、わたしはその1クール目でさくっと入場できました。
これって、アレだわね。
「鼠多門内へ入った記念すべき史上最初の20人の内のひとり」って事ですわね。
ん~~優越感♪
中はご覧の通りぴっかぴか。
さすが出来立て。
新築感ハンパない!
構造としては二階建てとなっており、階段は左右に1ヵ所ずつ、車椅子用のエスカレーターも完備。
この建物は復元ですんでね。
ここにこうして電動エスカレーターがあるって事は、江戸時代にもあったんでしょうね、コレ。
江戸時代。
すっげーー!!(←ンなワケない)
造りは完全木造。
鉄筋でちゃちゃっとやってしまえば簡単だし安上がりなんだけど、金沢城は「史実に忠実に」ってキーワードにめちゃめちゃこだわってます。
なので意地でも木造。
梁がいいですわね。
ぶっとくて、ぐにゃ~んと歪みが入ってて。
ザ・お城な武骨感。
この歪み、よーく見ると反りの方向が全部揃っています。
上に向かってぐにゃんと曲がったアーチ形。
これは雪対策で、降雪による負荷を下に逃がすための工夫なんですね。
そしてこの構造は城郭建築に限らず、一般民家である町家なんかでも用いられています。
興味がある人はひがし茶屋街にある「ひがし茶屋街休憩館」に行ってみてください。
規模こそ違えど、同じような形で梁が組まれている様子が見られます。
上部は天井のない化粧屋根裏になっていて、屋根を支える構造が丸見えになっています。
母屋と垂木が直交し、その下に梁が立体的に重なる、ほとんどアートとも言える空間美。
ところでこの眺め、なんかピンと来ませんか?
もしピンと来たら、あなたは「超」金沢城ツウ。
まあ普通はピンともスンとも来んけどね。
むしろピンと来ちゃった人は病気ですわ(笑)。
それがこちら。
この屋根裏、どこだと思います?
石川門です。
どう?そっくりでしょ?
というか、ここをモデルに設計されたのでしょう、間違いなく。
河北門を復元した時もそうなのですが、文献や写真で確認できない細部の仕様や仕立ては全て石川門を参考にしています。
あっちはバリバリ本物の江戸期の遺構ですのでね。
詳細不明なブラックゾーンは、全部ソッチから引っ張ることで埋め合わせてあるのです。
他にもチョコチョコそんなパーツが散見されますので、ヒマな人は探してみて下さい。
次は建物を出て外観を見てみましょう。
この門、何と言っても一番の特徴は、腰回りに貼られた海鼠瓦(なまこがわら)です。
海鼠瓦自体は金沢城内あちこちで見かけるので特に珍しくもないのですが、ここだけ色が違うのですよ。
鼠多門の海鼠瓦の漆喰は黒、他は全部白。
なぜここだけ黒にしたのかは不明で、金沢城最大の謎のひとつとされています。
瓦も黒。
金沢城と言えば鈍い白を放つ鉛瓦で有名ですが、この鼠多門に関しては例外的に黒瓦となっています。
ってのはウソで、この黒瓦、ゆくゆくは白くなります。
これは鉛の特徴で、あの白が出るまでにはちょっと時間がかかるのです。
これ全部白くなるのに何年くらいかかるんですかね?
興味のある人は年に1回写真撮って、変色の過程を追いかけてみてください。
参考までにこれが最終的な色。
い~い感じに白いでしょ?
ちなみにこの屋根は、石川門に続く土塀の屋根です。
この塀は江戸期からあるもののはずなので、300年くらい経ってんですかね?
鼠多門の瓦も300年先にはこの色になってるはずですので、この色が見たいって人は後300年頑張って生きてください!
別に300年もかからんけどさ(笑)。
門の横にはこんなスペースもあります。
櫓台。
台があるんだから、ここには櫓が建ってたんでしょうね。
こんな所に櫓があったなんて、わたしも知りませんでした。
大きさ的にはどれくらいですかね?
台の面積からいって、せいぜい二階建てってところでしょうか?
そして橋です。
ここも新築感全開のピッカピカ。
ここを渡るのがまー気持ちい~いのですよ♪
なんたって出来立てですからね。
新車を運転する気分です。
わたしもー嬉しくて♪嬉しくて♪。
3往復しましたわ!(←バカ)
金沢城の新しい見学スポット、鼠多門&鼠多門橋。
金沢城に来たことがない人はもちろん、既に行ったことがあるって人もぜひもう一度訪れてみてください。
改めて新鮮な楽しさに出会えますよ!
そして次は二の丸復元。
このプロジェクトは現在進行形で、今ちょうど現地調査が行われています。
恐らく礎石とかを掘り出して、屋敷の規模・配置を確認しているのでしょう。
でも問題はそこから先。
内部をどんな仕様にするのか、襖の絵は?天井は?装飾は?窓の形状は?などなど発掘だけでは解決できない問題が山積。
そもそも予算自体確保できるのか?というドロ臭い問題もあります。
果たしてわたしが生きてる内に実現するのかか~な~り~微妙。
う~~~ん・・・・・。
多分先に死ぬな(笑)。
金澤ななほしカレー カレーセット 新世代金澤カレーを味わう
2020年07月22日
金沢市役所のすぐ前に1軒の人気カレー屋さんがあります。
今から5年前にオープンした「新」スタイルの金沢カレーを提供するお店。
それが金澤ななほしカレーです。
いつもだと行列がすごいのですが、この日はたまたま空いてまして。
ここぞとばかりに凸撃してきました。
選んだメニューは(多分)一番人気の”金澤ななほしカレーセット”。
好きなルーをふたつ選べて、ピクルス+デザート+ナッツミルクスープが付いてきます。
この日選んだのは”ビーフカレー”と”豆カレー”。
さらにトッピングも選択制になっていて、”モッツァレラチーズ”と”フライドオニオン”をチョイス。
当然ライスは大盛りにして。
さらさらぱくぱくっと食べたおします。
まずはビーフカレー。
ルーは水分多め、流れるような質感。
金沢カレーと言えばドロドロヘビーがウリですが、このカレーは完全バリバリのシャバ系。
ココイチよりももっとシャバ寄り。
味わいマイルド。
スパイスがビシビシ飛び交う刺激全開スタイルではなく、まろや~かまろや~か。
そこにトマトの酸味とコク味が合わさり、ミディアムボディの軽やかな味がさらりと流れる。
肉はやわやわ。
ふわんと歯を吸い込むような質感で、溶けるようなうま味をとろりとしみ出す。
豆カレー。
こちらはさらにさっぱり。
スパイス感ゼロ。
カレールーというよりも野菜スープ。
すかっと抜けるような野菜出汁が効いてて、みずみずしい爽快感でいっぱい。
豆はや~んわり。
舌圧だけでほろっと崩れて、豆のほっこりとした味わいが広がって。
素朴で田舎っぽい、スローな味。
そんなまろやか系のカレーをごはんと一緒に。
ごはんはちょっとカタめ、ほんとにちょっとだけど。
このほろっとしたごはんがシャバシャバルーによ~絡みまして。
ほんのり湧き出すでんぷんの甘みがソフトで豊かで柔らかで。
そこにビーフカレーが肉のうま味とトマトの爽やかな酸味を添え、豆カレーは野菜の鮮度感と畑の滋味を加え。
全てが溶け合い、軽くて、軽いんだけど深くて奥行きのある、素材感の生きたストレートな味がさらら~と喉を流れる。
ぱくぱくっと食べ進んで。
デザートのヨーグルトをぺろんと食べて、ナッツミルクスープをちゅちゅっと飲んで。
完食。
金澤ななほしカレーのカレー。
既存の金沢カレーとは全く路線の違う味・スタイル。
これを「金沢カレー」のジャンルに入れるべきかどうかは正直かなり疑問なのですが、「新」金沢カレーなどと銘打たれちゃうとどうとでも解釈できるわけで。
まあ正しくは新「金澤」カレーと名乗ってますがね。
むしろこれだったら「金沢カレー」なんてキーワードからは完全に離れて、「素材重視の地元食材カレー」ってくくりでいいんじゃないかと。
そんな事を感じさせるカレーでした。
なので、金沢カレーって重いししつこいし苦手って人には多分食べやすい味。
逆にこってりコテコテな金沢カレーが食べたいーって人にはきっと拍子抜けな軽さ。
今から行く人は、そこら辺を頭に入れて食べてください。
ごちそうさま。
[参考]
・金澤ななほしカレーセット:1,000円
・大盛り(ライス300g):100円
・ビーフカレー:200円
・消費税:130円
関連タグ >> 金沢カレー
天神橋 昭和・明治・大正の橋が一度に楽しめる絶景にうなれ!
2020年07月18日
卯辰山(うたつやま)に向かって浅野川に渡された白い鉄橋があります。
天神橋です。
「橋」とひと口に言っても色々な形式がありまして、こちらはアーチ橋。
見たまんま、アーチによって構造を支えている橋ですね。
通路がこのアーチの上中下どこを通るかで、「上路式」「中路式」「下路式」とに区分されるのですが、この橋はご覧の通り下路式。
一番シルエットの美しいヤツです。
こちらは橋のたもとにある親柱。
いいですわな~この親柱。
ビシッ!と引かれた直線だけで構成された、アール・デコ風の幾何学的なデザイン。
石造りがどこかレトロチックで。
柱頭にはピンポイントのアクセントとなる、白い円筒の照明カバー。
これが夜になるとぽーっと光りましてね。
幻想的なのですわ♪
どーですか、このド太い鉄骨。
まるでクジラの頭を眺めているかのようなダイナミックさ。
もー豪快感ハンパない!
その鉄骨にビシビシと撃ち込まれたリベット。
この武骨さが、ま~タマラン!
我々リベットマニア(←誰?)には垂涎の光景。
ほっぺた当ててすりすりしたいくらいですわ♪
そしてこのビジュアル。
滑らかなカーブを描くアーチがぐんにゃりと伸び、その下に垂直の柱が規則的に立ち並ぶ。
曲線と直線が交錯したスタイリッシュな鉄骨紋様。
なんかね、ちょっとスフィンクスみたいにも見えません?このライン。
前にせり出す太い鉄骨がちょうど前脚みたいで。
今にもこちらに向かって「ガオォォォーー!」と吠え出しそう。
カッコええ~~~♪♪♪
下を覗くとこの橋、橋脚がありません。
でもなぜか脚台はあります。
一瞬、???
この橋、実は昭和28年に川が氾濫した際、流されています。
その時架けてあった橋の痕跡がこの脚台なんですね。
その2年後に現在の橋が架け直されたのですが、再び流される事のないよう、橋脚のない構造に改めたのです。
鉄骨がやたらゴツイのもそのためでしょう。
そして天神橋に来たらぜひ見て欲しいのがこの眺め。
場所的には上流側左岸の河原からの眺めになります。
つらつらっと続く3本の橋。
手前から順番に天神橋→梅ノ橋→浅野川大橋。
それぞれ昭和→明治→大正の趣を楽しめる三種三様の姿。
ちょっと画像じゃ伝わりにくいですが(本当に全然伝わってないですが)、生で見ると独特の空気なのですよ。
なんか時代の変遷をコマ送りで見ているような。
ああ、こうして人の営みは連綿と続いて来たんだなー、みたいな情緒がしみじみと感じられます。
白いアーチが美しい天神橋。
橋の造形を愛でるもヨシ。
下に降りて河原でくつろぐもヨシ。
カッコイイ鉄骨に抱き着くもヨシ。(←?)
さらっと通り過ぎるだけでなく、どうぞその楽しさをじっくりご堪能ください。
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