金沢城 鼠多門&鼠多門橋 ついに完成!お披露目初日に行ってきました!
2020年07月25日
長らくお待たせしました(わたしが待たせたわけじゃないけど)、2020年7月18日、鼠多門&鼠多門橋がついに完成しました。
その初の一般向け開放の日、行ってきましたよ早速。
橋渡っちゃるぞー!と意気込んで。
やっぱ歩きたいじゃないですか、出来立てピカピカの橋。
雪が降るとまだ誰も踏んでいない新雪の場所、歩きたくなるでしょ?
あれと同じ感覚ですよ。
別に一番じゃなくてもいいけど、とにかく早く橋を渡りたい、と胸ワクワクで現場へ向かう。
が、そこで目にしたのは・・・。
ガーーーーン!!!
じゅじゅじゅ・・13時スタートっスかー???
聞いてないっスよーーー(泣)!!!
しかしダメなもんはしょうがない。
まさか強行突破する訳にもいかないし、すぐそこの玉泉院丸庭園に移動してスマホをいぢりながら時間を潰す。
そして10分前に再び戻ってくると、早くも行列が。
お前らさ~、なんでそんなにヒマなのよ??(←お前もだよ)
そのまま列に付いてぼーっと10分間を過ごし、なんのアナウンスもないまま時間ピッタリにオープン。
コロナのこんな時期なので中に入れるのは20人制限となってたのですが、わたしはその1クール目でさくっと入場できました。
これって、アレだわね。
「鼠多門内へ入った記念すべき史上最初の20人の内のひとり」って事ですわね。
ん~~優越感♪
中はご覧の通りぴっかぴか。
さすが出来立て。
新築感ハンパない!
構造としては二階建てとなっており、階段は左右に1ヵ所ずつ、車椅子用のエスカレーターも完備。
この建物は復元ですんでね。
ここにこうして電動エスカレーターがあるって事は、江戸時代にもあったんでしょうね、コレ。
江戸時代。
すっげーー!!(←ンなワケない)
造りは完全木造。
鉄筋でちゃちゃっとやってしまえば簡単だし安上がりなんだけど、金沢城は「史実に忠実に」ってキーワードにめちゃめちゃこだわってます。
なので意地でも木造。
梁がいいですわね。
ぶっとくて、ぐにゃ~んと歪みが入ってて。
ザ・お城な武骨感。
この歪み、よーく見ると反りの方向が全部揃っています。
上に向かってぐにゃんと曲がったアーチ形。
これは雪対策で、降雪による負荷を下に逃がすための工夫なんですね。
そしてこの構造は城郭建築に限らず、一般民家である町家なんかでも用いられています。
興味がある人はひがし茶屋街にある「ひがし茶屋街休憩館」に行ってみてください。
規模こそ違えど、同じような形で梁が組まれている様子が見られます。
上部は天井のない化粧屋根裏になっていて、屋根を支える構造が丸見えになっています。
母屋と垂木が直交し、その下に梁が立体的に重なる、ほとんどアートとも言える空間美。
ところでこの眺め、なんかピンと来ませんか?
もしピンと来たら、あなたは「超」金沢城ツウ。
まあ普通はピンともスンとも来んけどね。
むしろピンと来ちゃった人は病気ですわ(笑)。
それがこちら。
この屋根裏、どこだと思います?
石川門です。
どう?そっくりでしょ?
というか、ここをモデルに設計されたのでしょう、間違いなく。
河北門を復元した時もそうなのですが、文献や写真で確認できない細部の仕様や仕立ては全て石川門を参考にしています。
あっちはバリバリ本物の江戸期の遺構ですのでね。
詳細不明なブラックゾーンは、全部ソッチから引っ張ることで埋め合わせてあるのです。
他にもチョコチョコそんなパーツが散見されますので、ヒマな人は探してみて下さい。
次は建物を出て外観を見てみましょう。
この門、何と言っても一番の特徴は、腰回りに貼られた海鼠瓦(なまこがわら)です。
海鼠瓦自体は金沢城内あちこちで見かけるので特に珍しくもないのですが、ここだけ色が違うのですよ。
鼠多門の海鼠瓦の漆喰は黒、他は全部白。
なぜここだけ黒にしたのかは不明で、金沢城最大の謎のひとつとされています。
瓦も黒。
金沢城と言えば鈍い白を放つ鉛瓦で有名ですが、この鼠多門に関しては例外的に黒瓦となっています。
ってのはウソで、この黒瓦、ゆくゆくは白くなります。
これは鉛の特徴で、あの白が出るまでにはちょっと時間がかかるのです。
これ全部白くなるのに何年くらいかかるんですかね?
興味のある人は年に1回写真撮って、変色の過程を追いかけてみてください。
参考までにこれが最終的な色。
い~い感じに白いでしょ?
ちなみにこの屋根は、石川門に続く土塀の屋根です。
この塀は江戸期からあるもののはずなので、300年くらい経ってんですかね?
鼠多門の瓦も300年先にはこの色になってるはずですので、この色が見たいって人は後300年頑張って生きてください!
別に300年もかからんけどさ(笑)。
門の横にはこんなスペースもあります。
櫓台。
台があるんだから、ここには櫓が建ってたんでしょうね。
こんな所に櫓があったなんて、わたしも知りませんでした。
大きさ的にはどれくらいですかね?
台の面積からいって、せいぜい二階建てってところでしょうか?
そして橋です。
ここも新築感全開のピッカピカ。
ここを渡るのがまー気持ちい~いのですよ♪
なんたって出来立てですからね。
新車を運転する気分です。
わたしもー嬉しくて♪嬉しくて♪。
3往復しましたわ!(←バカ)
金沢城の新しい見学スポット、鼠多門&鼠多門橋。
金沢城に来たことがない人はもちろん、既に行ったことがあるって人もぜひもう一度訪れてみてください。
改めて新鮮な楽しさに出会えますよ!
そして次は二の丸復元。
このプロジェクトは現在進行形で、今ちょうど現地調査が行われています。
恐らく礎石とかを掘り出して、屋敷の規模・配置を確認しているのでしょう。
でも問題はそこから先。
内部をどんな仕様にするのか、襖の絵は?天井は?装飾は?窓の形状は?などなど発掘だけでは解決できない問題が山積。
そもそも予算自体確保できるのか?というドロ臭い問題もあります。
果たしてわたしが生きてる内に実現するのかか~な~り~微妙。
う~~~ん・・・・・。
多分先に死ぬな(笑)。
関連タグ >> お城 金沢城
コメントをする
金沢城公園の最新記事一覧

金沢城の石垣 玉泉院丸庭園◆タモリも絶賛の色紙短冊積石垣
2021年12月04日
平成27年に復元が完了した玉泉院丸庭園。藩主の趣味が濃ゆぅ~く反映された、プライベート大名庭園です。ここのね、石垣がスバ・・・
カテゴリー:観光名所

金沢城の石垣 大手門~河北門◆金沢城の誇る防御力と見栄が詰まったエリア
2021年12月01日
金沢城の入口と言えば石川門を思い浮かべる人が多いと思いますが、ノー!ノー!アッチは裏口で、正式な入口は別にあります。それ・・・
カテゴリー:観光名所

金沢城の石垣 二の丸周辺◆謎の記号石垣を解読せよ
2021年11月29日
金沢城の石垣を巡る旅。いよいよ城の中心部である二の丸周辺を見ていきます。ここの眺めがダイナミックでしてね。「水堀+石垣+・・・
カテゴリー:観光名所

金沢城の石垣 石川門付近◆ここが金沢城の石垣の原点
2021年11月27日
金沢城の石垣、前回はいもり堀付近に展示してある石垣のサンプルを中心にレポートしてきました。今回からいよいよ本物の石垣を見・・・
カテゴリー:観光名所

金沢城の石垣 石垣展示◆まずは石垣の基本を学ぶ
2021年11月24日
『石垣の博物館』の異名を持つ金沢城。城内には戦国期~明治時代、カウントの仕方によっては平成時代までを含む石垣がアチコチに・・・
カテゴリー:観光名所

金沢城 鼠多門&鼠多門橋 ついに完成!お披露目初日に行ってきました!
2020年07月25日
長らくお待たせしました(わたしが待たせたわけじゃないけど)、2020年7月18日、鼠多門&鼠多門橋がついに完成しました。・・・
カテゴリー:観光名所

金沢城 旧第六旅団司令部 江戸時代の城跡の中にある洋風建築の謎
2020年04月22日
金沢城の中央、二の丸広場のさらに奥に唐突にヨーロッパ風の建物が現れます。旧第六旅団司令部です。旅団とは陸軍の部隊組織のひ・・・
カテゴリー:観光名所


- 薬王院 温泉寺 「あいうえお」はここから始まりました
- 餃子のあひる 餃子定食 この餃子、エンドレスに食えるわ~♪
- 栄谷丸山横穴群 コウモリに注意してご鑑賞ください
- 富山市郷土博物館 復元模型のテクノな仕掛けがイカスのよ!
- 富山城跡 千歳御門~日本庭園周辺 庭園の読み解き、楽しいわ~♪
- 富山城跡 水堀~西の丸 石垣の詳細がよー分からん、謎多きお城
- 羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 今しか見られない貴重なお宝がいっぱい
- 香満居 豚トロ黒胡椒炒め定食+担々麺 ボリュームも美味さも文句ナシの街中華
- 一乗谷朝倉氏遺跡 中の御殿跡・諏訪館跡庭園 こんなカッコエエ庭に憧れるわ~
- 一乗谷朝倉氏遺跡 南陽寺跡庭園・湯殿跡庭園 ちょっともったいないなココは
- 一乗谷朝倉氏遺跡 朝倉館跡 ここにはロマンが眠っています
- 一乗谷朝倉氏遺跡 雲正寺地区・平面復原地区 今も残る生々しい生活の痕跡
- 一乗谷朝倉氏遺跡 下城戸跡・上城戸跡 ここがディフェンスラインの最前線
- とんかつ勝亭 立山ロース定食 この肉、味もボリュームも極上だわ~♪
- 加賀大観音 怖いです、マジで
- 高岡市万葉歴史館 大伴家持への愛がどっぷり詰まった万葉の空間
- 武家屋敷旧内山家 古き日本のノスタルジーを今に残すシブ~いお家
- 兼六園 鶺鴒島 見ただけじゃ絶対に気付けない隠されたストーリーを読む
- 南新保C遺跡現地説明会 詳しい事後検討の報告を求ム
- さぶろうべい 親とり白菜鍋 素材の味が素朴に生きるそのまんまの味