石川県立自然史資料館 グロが苦手な人は2階には行かないでください
2020年10月05日
石川県立自然史資料館は平成18年にオープンした、『自然』をテーマにした施設です。
ここで言う自然とは、古代より育まれてきた地勢・そこで活動する生態・そしてそれを対象とした研究までを差します。
結構カバー範囲が広いので、正直内容的にそんなに深くはないのですが、でもあんまりディープに突っ込んでも付いてこれない人の方が多いと思うので、まあこのくらいの温度感がちょうどいいのかな?という感じの展示となっています。
なのでどうぞ構えず、楽ぅ~な気持ちでお越しください。
入口でいきなり入館者をウェルカムするのがこのパネル。
これ、地層のサンプルなんですが、なんとスゲー事に。
『ホンモノ』です。
え?模型じゃねーの?とお思いになるかもしれませんが、ホンモノです。
現場からスライスして持ってきた、バリバリの本物の地層です。
説明書きによると、このサンプルは金沢市梅田町で見つかった活断層で、約2000年前に森本活断層で起きた地震の痕跡なんだとか。
なんで分かるんですかね?地震の起きた年代なんて?
しかもマグニチュード6と、地震の規模まで言い当てています。
2000年前って言えばまだ日本に漢字が入って来る前だし、当然文字資料なんか残っているはずないし。
そんなのがなんで分かるのか?
ん~~~不思議だ~~~・・・(悩)。
で、そのパネルの横を進むと、どんと現れるのがこのグロテスクなヤツ。
骨格標本です。
これも「ホンモノ」です。
左がアジアゾウ、右がウマ。
これは旧制第四高等学校で使われていたものだそうで、故あって譲り受けられ、今ここに展示されています。
旧制第四高等学校ってのは明治時代に金沢にあった、当時日本有数のエリート養成スクールです。
そんな日本を引っ張るエリートの卵たちが、この標本を前に、ガリガリガリガリと勉強していたのです。
ゾウやウマの骨から一体何が学べるのかはちょっとよー分からんけど・・。
こんなのもあります。
イヌワシのはく製。
なんでイヌワシかと言うと、石川の県鳥に指定されているからです。
調査によるとこの鳥は主に石川の山間部に生息しており、推定総数30~40羽程度。
えらい少ない気がしますが、実際少なく、亜種のひとつであるニホンイヌワシなんかはレッドリスト(絶滅危惧種)に挙げられているそうです。
どうか見掛けても捕まえないでください。(←そもそも無理)
そのロビーを抜けると、右手に「自然たいけん広場」という部屋があります。
ここでは石川県の自然環境をテーマにした展示がされています。
壁際のパネルでは「里山の自然」「白山ろくの自然」「地質図鑑」「植物図鑑」など様々な切り口での解説がされているのですが、わたしが一番喰いついたのは「海岸・海の自然」。
石川県って言えば北陸、北陸と言えば豪雪地帯、冬が厳し~いってイメージがあると思いますが、今から1600万年前は実は熱帯でした。
当時はマングローブの森が広がり、ヤシの木なんかも生えていました。
ちょっと想像できませんよね。
実はこの話、以前の記事でもしています。
兼六園の竹根石手水鉢の記事です。
大昔の熱帯ジャングルの痕跡が、なんと兼六園で見られるのです。
よかったら読み返してみてください。
その部屋を抜けると次に出てくるのが「物理たいけん教室」という部屋。
何気にこの部屋、この資料館最大の目玉です。
何があるのかと言うと、旧制第四高等学校で使われていた物理実験機器のコレクションが並べられているのです。
先にも見ましたよね、ゾウとウマの骨格標本。
実はあれ以外にも旧制第四高等学校由来の膨大な教材が、この資料館に保管されているのです。
これ、面白いですよ~。
ジャイロコンパスの説明器やら、パスカルの原理実験器やら。
一体何の事かさっぱり分からんけど、別にそんなんどうでもいいのですわ。
なんか見てるだけでカッコイイし。
アンティーク感いっぱいで、知的で堅苦しくて。
こんなん部屋のインテリアに欲しいな~♪
このコレクション、部屋に展示されているものだけではありません。
まだ倉庫の中にこんなにあります。
その数実に747点!
ちなみになんでこんなスゲーのがこんな大量にここにあるのかというと、金沢大学のキャンパス移転が関係しています。
金沢大学は旧制第四高等学校の流れから生まれた学校なので、その遺産を色々受け継いでいたんですね。
でも平成に入って大々的な引っ越しを行い、まあ持て余してたんでしょうね、余剰なものをごっそりと放出したのです。
で、その一部がコレクションという形で今ここにあると、そんな経緯らしいです。
いいなー。
1個くらいくれんかな?(※ダメです)
では続いて2階に行きましょう。
この2階、妙ぉ~~~~~なモノがありまして。
それがコレ、「ダイオウイカ」標本。
ダイオウイカってご存知ですよね?
でっかーいイカです。
成長すると全長10メートルを超える、超巨大無脊椎動物。
そのダイオウイカのホルマリン漬けが展示されています。
準備いいですか?
グロ注意です、マジで。
これね。
当然だけどデカいのですわ。
そしてリアルなのですわ、ホンモノなので。
そのデカ生々しいのがでろ~んと飾られているのですわ。
これ見ると、当分イカ焼き食えんね。
100歩譲ってイカ焼きそばならギリ食えますかね?(←謎な基準)
このイカは平成28年に能登町の赤崎海岸に打ち上げられたイカで、全長4.2メートル、推定体重100キロ強。
それが「のと海洋ふれあいセンター」ってトコに回収され、それがなんでかここに回ってきて、こうして展示されてるんだとか。
これ、誰が喜ぶんだろう?(汗)
そして2階唯一の部屋がこちらの企画展示室です。
ここでは数か月ごとにテーマを入れ替えて展示が行われています。
わたしが行った時には「いしかわの生物多様性とレッドデータブック」という企画をやっていました。
「レッドデータブック」とは絶滅危惧種リストの事で、現状のままでは失われてしまうかもしれない動植物の実態が細々と解説されていました。
これを見ると結構な数の種が絶滅という危機に瀕しているようで。
あるものは気候の変化によって、あるものは外来種の脅威によって、少しずつ個体の数を減らしているようです。
その原因には当然人間の環境破壊も含まれるわけで。
深いですわな。
突き詰めれば、人類はいつか人類の自身の手によって滅んでしまうんじゃないかと。
そんな恐怖を感じさせるテーマです。
石川県の環境の過去~現在が、様々な角度から見られる石川県立自然史資料館。
基本子供向けの施設ではありますが、大人も十分楽しめます。
興味のある人はぜひ一度訪れてみてください。
ただ2階の奥にはアレがいますんでね。
ちょっとそういうの苦手だな~って人は、奥には行かないでください。
夢で襲ってきます。(え?)
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気比神宮 摂社・末社 ジャニーズ系狛犬の目力に背筋ゾクゾク!
2020年10月03日
日本三大木造大鳥居のひとつがあることで有名な気比神宮(けひじんぐう)。
前回はその立派な鳥居と、心臓部である拝殿を見てきました。
今回は敷地内にある摂社・末社を見て行きます。
なにしろ歴史ある神社ですんでね。
摂社・末社もいっぱいです!
まず最初にあるのが猿田彦神社。
大鳥居をくぐってすぐ左手にある神社です。
ちゃんと入口に鳥居も出ていますが、脇道になっているせいか、意外とみんな素通りしちゃう神社です。
ここに祀られているのは猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)で、神話の時代、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を天界から地上へと先導したと伝えられています。
ゆえに「導き」や「航海」「安全」のご神徳があるとされ、特に港のある場所に祀られることの多い神さまです。
ここで見て欲しいのが狛犬。
どーですか、この眼。
白とグレーできれいに彩色されてて、目力ハンパない。
ギッ!とはじけ飛ぶ霊威がもー強烈!
わたしこの狛犬を勝手にジャニーズ系と思ってんですが。
それはちょっと言いすぎ??(笑)
次に登場するのが九社の宮。
これはその名の通り、9つのお宮です。
拝殿の左側にあります。
入口の鳥居をくぐると、ずらずらずらっと並ぶ社(やしろ)社(やしろ)社(やしろ)。
手前から順番に
・伊佐々別神社(いざさわけじんじゃ)
・擬領神社(おおみやつこじんじゃ)
・天伊弉奈彦神社(あめのいざなひこじんじゃ)
・天伊弉奈姫神社(あめのいざなひめじんじゃ)
・天利劔神社(あめのとつるぎじんじゃ)
・鏡神社(かがみのじんじゃ)
・林神社(はやしのじんじゃ)
・金神社(かねのじんじゃ)
・劔神社(つるぎじんじゃ)
となります。
ここで、アレ?伊佐々別神社って、気比神宮で祀られてる伊奢沙別命(いざさわけのみこと)と名前似てね?と気が付かれた方、めざといです。
そう、ここに出てくる伊佐々別(いざさわけ)=伊奢沙別(いざさわけ)は全く同じ神さまです。
じゃあなんでアッチとコッチで使ってる漢字違うの?って事ですが、それはまーアレですわ、アレ。
適当なんですわ。(←!)
これ本当の話で、実は神さまの名前に当てられる漢字は出てくる文書(もんじょ)によってマチマチです。
例えば「伊邪那岐」「伊弉諾」「伊耶那岐」、これ全部「イザナギ」と読みます。
なので同じ神さまを祀っていても、神社によって当てられている漢字が微妙に違う、なんて結構頻繁にあります。
ここでもうひとつ不思議なのが、本殿で既に伊奢沙別命は祀ってあるのに、なんで同じ神社内に社がもうひとつあるの?って疑問。
確かに意味不明ですよね。
これは神道独特の考え方なのですが、神さまには4つの顔があるとされています。
一霊四魂(いちれいしこん)と呼ばれるもので、四魂とは和魂(にぎみたま)・荒魂(あらみたま)・幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)を指します。
ざっくり言って和魂は「平和」、荒魂は「行動」、幸魂は「愛情」、奇魂は「知性」を表しており、通常祀られているのは和魂の神さまです。
基本的に和魂の神さまには日常の幸福を感謝するべき、とされています。
じゃあ何か願い事をかなえて欲しい時にはどうしたらいいの?って事ですが、ここで登場するのが荒魂の神さまです。
荒魂の神さまの特徴は「行動」なので、積極的なお願いがある時はこちらにお参りするのが近道なんだそうです。
同じ神社内に同じ神さまの和魂と荒魂が別々に祀られているのは、こういう理由からなんですね。
その九社の宮の並びをさらに奥に進むと、突き当りにもうふたつ社があります。
神明両宮(しんめいりょうぐう)です。
左の社が外宮(げぐう)、右の社が内宮(ないぐう)。
外宮・内宮という言葉を聞いて、あ、伊勢神宮、とピンと来た方はかなりの神社ツウ。
そう、このふたつの社は伊勢神宮の分社なのです。
だから当然祀られている神さまは左が豊受大神(とようけのおおかみ)、右が天照大御神(あまてらすおおみかみ)。
伊勢神宮は行きたいけど遠いよ~、って人のための神社です。
再び表参道に戻り最奥まで行くと、さらにあと3つ神社があります。
左から順番に大神下前神社(おおみわしもさきじんじゃ)、兒宮(このみや)、角鹿神社(つぬがじんじゃ)です。
結構死角なんですよね、ここ。
多分気比神宮は何回も行ったことあるけど、ここまで行ったことはないって人も結構多いはず。
でもせっかく来たんなら、ぜひここも見て行ってください。
まずは大神下前神社から。
こちらの祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。
気比大神四守護神の1柱なんだそうです。
じゃあ残り3柱は何かというと・・・あー・・・不明。(←おいっ!)
一見まあまあのサイズの建物ですが、実はこれは覆屋(おおいや)と呼ばれるもの。
覆屋とは本体である社を保護するための建物で、よーく見ると中に入れ子で小さな社があって、こちらが本体となります。
なので実は本体は見た目より小さいです。
まあご神徳に社の大きさは関係ないけどね。
その右隣りが兒宮。
こちらの祭神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)。
国生みの神さまですね。
ここもガッチリ覆屋に入れられています。
金金具の配された扉が格式高くてカッコイイですな!
左右に控える狛犬のサイズが違いますが、これは多分別々に調達したものを並べたからでしょう。
チグハグだけど、でもなんかこのユルさがの~んびりしてていいですね。
最後に角鹿神社。
祭神は都怒我阿羅斯等命(つぬがあらしとのみこと)。
都怒我阿羅斯等は古代朝鮮の人で、額に角が生えていたんだそうです。
そんな人を神格化して祀った神社だから「角鹿神社」。
そして日本書紀によると、この「角鹿(つぬが)」が「敦賀(つるが)」の地名の由来になったと記されています。
でも古事記では「血浦(チウラ)」が「敦賀」の語源になったとも記されており、どちらが正しいのかは不明。
私的には血浦説が有力と思ってるのですが、真相はどうなんですかね?
あともうひとつだけ、この3つの神社のすぐ近くに唐突に鳥居が建っています。
ここは気比宮古殿地(けひぐうこでんち)と呼ばれる場所で、鳥居の先に大きな意味があります。
そこに何があるかと言うと、小学校。
は?って感じですが、よく見るとその小学校の校庭の一角に不自然なエリアがあります。
この石垣で囲って、もこっと盛り上げてある場所ね。
この場所、元々は気比神宮の敷地の一部で、伝承によると気比之大神が降臨した場所とされています。
でも戦後の都市計画によって接収され、そこに小学校が建てられてしまいました。
とは言え、本来は気比神宮の中でも飛び抜けて神聖な場所。
そこで校庭の一区画だけをこんな形で残して、今も大切に祀っているのです。
これも時代の流れと言ってしまえばそれまでですが。
もうちょっと信仰に対する配慮が欲しかったですね。
ただ古いだけでなく、様々な摂社・末社も楽しめる気比神宮。
拝殿だけお参りして帰るのもいいですが、これら小さな神社もぜひ見て行って欲しいポイントです。
それぞれに祀られている神さま、その由緒、そして建物の造り。
深掘りしていくと、何気に色々な発見があって飽きませんよ。
特に猿田彦神社の狛犬は本当にカッコイイですからね~。
もーぎゅーぎゅーに抱きしめて、ちゅっ♪ちゅっ♪してあげてください!
気比神宮 大鳥居~拝殿 惚れる美麗建築にハートわしづかみ!
2020年09月30日
古くより『北陸道総鎮守』と称され、多くの人々の信仰を集めてきた気比神宮(けひじんぐう)。
現在もたくさんの参拝者が訪れ、その神徳の高さをうかがわせます。
気比神宮があるのは敦賀の市街地の外れ、海寄りの方。
旧国道8号線沿いにぽこっとあります。
目印は赤い大鳥居。
大きな交差点の角地にずどん!とそびえています。
それがこの鳥居。
デカいですよ~。
全高約11メートル、荘厳なたたずまいで訪問者を迎え入れます。
建てられたのは1645年、江戸時代初期。
見た目そんなに古く感じられないのは、塗り直しがされているからでしょう。
笠木(天頂の横木)の反りが美しいですわな。
シャープなラインがスパっと走って。
その上には屋根。
屋根っスよ!
普通鳥居って縦材・横材の組み合わせだけで構成されますからね。
そこにさらに屋根を乗っけたタイプなんてなかなかお目にかかれません。
この屋根によって「格」の高~い神社であるって事を主張しているんですね。
そして中央は荘厳な扁額(へんがく)。
黒地に金文字で「気比神宮」、枠の装飾も金。
超ーーーー豪華!
この文字は有栖川宮威仁親王(ありすがわのみやたけひとしんのう)のものなんだそうで。
有栖川宮威仁親王ってのは幕末~大正にかけての人で、皇族出身で海軍大将なんかを務めてた人です。
ワンピースで言えば青キジみたいな人ですね。(←それは違う)
タイプとしては下部の前後に添え柱を備えた両部鳥居(りょうぶとりい)。
厳島神社の海上鳥居と同じスタイルですね。
この安定感がいいですわな。
地に根を下ろしているようなどっしりとした威容。
神域を結界する門としてのエネルギーがビシビシと伝わってきます。
なんたって日本三大木造大鳥居のひとつですからね。
やっぱ貫禄が違いますわ!
(※あとの二つは奈良の春日大社と広島の厳島神社)
鳥居の前には朱塗りの欄干を備えた太鼓橋。
これも神社の定番。
この橋は俗世と聖域との境界を表しています。
ここを渡るという事は神の世界へと入るという行為に繋がり、と同時に汚れを祓うという、そんな意味合いが込められています。
ですのでどうか渡る時は清い心を持って臨んでください。
わたしみたいに大はしゃぎで欄干ベタベタ触ったり、しつこく何回も行ったり来たり、ミーハーな事して遊んじゃダメです。(←したのか?)
その大鳥居をくぐってちょっと歩くと、左側に見えてくるのがこちら、「長命水(ちょうめいすい)」。
位置的に歩く方向の死角にあるので、見逃さないように注意してください。
亀ちゃんの口からこんこんと水が湧き出ています。
伝承によると、神社の修繕中に水脈に当たったのか、いきなり湧き出してきたんだとか。
「おおーこりゃ縁起がいいや!」って事で、健康長寿の水として信仰されてきたそうです。
健康不安のある人、ひと口いかがですか?
バッキバキのムキムキボディになれるかもですよ!?
そしていよいよ拝殿です。
入口にずしっと構えるのが二の鳥居。
一の鳥居同様、朱塗りの両部鳥居で天頂には屋根、サイズはややスモール。
両脇には色鮮やかな朱塗りの透塀がずばっと伸びています。
なんかいいですわな、この緊張感が。
この場に立った瞬間、背筋にぴっと霊威が走るみたいで。
やっぱ違いますわ、気比神宮!
で、どーんと現れる拝殿。
屋根は銅板の緑、壁は白の漆喰、柱は紅、所々に金細工。
もーひたすら惚れ惚れするほどのカッコ良さ!
この拝殿、実はそう古いものではなく、建造は昭和37年。
と言うのも、一度空襲で神社のほとんどが焼けちゃったんですね。
なのでコテコテオールドって印象ではなく、まだ艶やかと言うか、壮麗な感じがあります。
なお先に見た一の鳥居は奇跡的に空襲を逃れています。
このマスクがいいですわな~♪
流れるようなカーブを描く唐破風。
その上に据えられた鬼瓦は頑強だけどスタイリッシュで、天頂には鳥衾(とりぶすま・ぴょこっと突き出てるツノみたいなヤツ)が鮮やかに伸びて。
青空をバックにスカッと映える!
そして何気によく見るとこの建物、柱を始めとする部材1本1本がすごく細いのですよ。
お寺にしろ神社にしろ、昔の建物ってやたらと柱を太く取りがちなのですが、ここはその逆。
すっきりシャープ。
そのせいで全体の見た目がものすごく軽やかなんですね。
昭和の宮大工、いい仕事してますな~!
中はこんな感じ。
広いのですよ~。
外と違って雨風が当たらないので、さらに新品感がありますね。
柱なんかまだぴっかぴか。
天井や壁なんかもシミひとつなく、ザ・純白。
ポイントポイントに配された金細工がいいですね。
キラキラッと光って、聖域的ムードむんむん!
ほの暗さと相まって、独特の神気を放っています。
で、ちょっと注意して見て欲しいのが回廊。
拝殿に向かって右側にはあるんですけど、左側にはないのですよ。
普通は拝殿を囲うようにぐるっと一周あるはずなのに、半周で終わっているのは明らかに不自然。
なんでですかね、コレ?
本当は昔は一周してたんだけど、空襲焼失後の復興時、予算等の理由で半分でやめちゃったのか。
そもそもここに回廊はなく、後付けで半分だけ設置したのか。
今はないけど、ゆくゆくは残り半分も造るつもりなのか。
その辺の真相は不明です。
古来より篤い信仰を集めてきた気比神宮。
い~い場所ですよ。
特に入口の大鳥居は圧巻の迫力。
見に来て絶対損はないので、近くまで来る機会があればぜひ一度参拝してみてください。
次回は今回紹介し切れなかった摂社・末社を見て行きます。
これもひとつひとつ見て行くと面白さ満点!
その辺り、じっくり観察していきます。
萬来 豚肉とキムチ炒め ボリュームと味にメガ級の満足度
2020年09月28日
この日本当はヨーロッパ軒へ行ってソースカツ丼食べる予定だったのですが、11:30頃店着で早くも中待ち10人強。
はい、アウト!(←待つの大嫌い)
んじゃ~ドコ行くべ~??と当てもなくそこから再出発。
とりあえずトイレ行きたいので最寄りのローソンに飛び込んだら、またもや先客がいて使用中。
ここもかい!
でも早くトイレ行きたい・・あ、目の前に中華料理屋さんが!
みたいな流れで訪問したのが、ここ萬来(まんらい)。
カウンターに座りメニューをじろじろ。
単品にするか定食にするかで散々迷ったのですが、この後がっつり歩く予定だししっかり食っとくかと定食をチョイス。
いくつかあるパターンの中から選んだのが”豚肉とキムチ炒め”。
なんかスタミナ付きそうだし。
お店の中国人っぽいイントネーションのおねーさんに注文を済ませ、すかさずトイレへ。
再びカウンターに戻り、一息ついたと思ったらもう定食登場。
早っ!
そんでは成り行きで入った萬来にて”豚肉とキムチ炒め”。
ばくばくっと食べたおしましょ!
メインの豚肉とキムチ炒め。
豚肉はバラ肉のコマ切れ。
肉感ぷるっぷるにハネが豊かで、厚みそこそこ。
ワイルドな肉の味がじゅっと湧き出す。
そしてたっぷりキャベツ。
生野菜のバリバリ感がしっかり残ってて、でも温野菜の豊かな甘みもしっかり出てて。
噛んで味わって、思いっ切り楽しめる味。
さらにタレ。
結構皿の下に溜まってましてね。
醤油とオイスターソースでぎっとり味付けされてて、濃いぃ~し、辛いぃ~し、旨いぃ~し。
さらにニンニク大量投入で、臭いとエネルギーがむんむんギトギトに大暴走!
この濃厚タレにべっちゃり浸しながら食べる豚肉がキャベツが、ンも~悶絶の美味さ♪
そんな豚肉キャベツを白いごはんと一緒に。
豚肉キャベツの味が濃いぃ~のでね。
白いごはんと合うのですわ!合うのですわ!
ごはんの水気が豚肉キャベツの濃いぃ~味わいを適度に希釈し、味の流動感をぐんと高め。
さらにみずみずしい甘みで口の中をさらりと洗う。
いや~なんでしょ~ね、コレ。
も~ゴッド過ぎますわ♪
この味濃ぃ濃ぃ豚肉キャベツ+爽やかエンジェル炊き立て白ごはんのスペシャルコンビ。
腹ハチ切れるまで食い続けられますわ!
ラーメンは選択制で、この日選んだのは台湾ラーメン。
スープはラー油浮きまくりのつやつやオレンジ。
でもそんな極端に辛くはなく、醤油の甘みの中に唐辛子のスパイスがシャキッと走る程度。
麺は平打ちの中細麺。
麺肌つるんつるんで、質感もっちり。
ソフトな味わいが甘辛スープにきれいに馴染み、するする軽快に喉を滑る。
時折絡み上がってくる挽肉がいいですな。
むっちりした肉のうま味が味の重度感をぐっと押し下げる。
食って食って食って食って。
完食。
萬来の”豚肉とキムチ炒め”。
たまたま飛び込みで入った店ですが、想定外の満足度。
「安い」「美味い」「腹いっぱい」の三拍子が全て揃った、町中華のまさにお手本みたいなお店。
こんなお店、近くにあったら通っちゃうな~!
金沢に引っ越さない??(笑)
ごちそうさま。
[参考]
・豚肉とキムチ炒め:700円
・消費税:70円
萬来
住所:福井県敦賀市三島町 1-16-36
TEL:0770-47-5178
佐奇神社 拝殿をぐるりと囲む悪魔のアレ
2020年09月26日
犀川下流、ほぼ河口付近に小さな神社があります。
佐奇神社(さきじんじゃ)です。
場所は田んぼに囲まれた集落の中、車1台分くらいの細い道の途中。
よーく気を付けて探さないと気付かずそのままスルーしちゃうくらい、ちっちゃーい入口。
そんな場所にあります。
これがその唯一の目印、一の鳥居。
石造りの明神鳥居で、左足元には「郷社 佐奇神社」と記した石柱が立っています。
その奥に見えるのが二の鳥居で、これもやっぱり石造りの明神鳥居。
この両鳥居、見た目が同じなので同時に作られたものかなーと思いましたが、鳥居裏面の建立年を見ると違うみたいですね。
一の鳥居が平成2年、二の鳥居が平成12年。
10年の開きがあります。
そう言われてみると、確かに一の鳥居の方がちょーっと黒いシミが多い。
やっぱりお肌の年齢はごまかせないのね・・・。(←?)
二つの鳥居をくぐり境内に入ると、いきなり正面に拝殿。
重々しいマスクでずしーんと構えています。
しかし!
ご覧いただけますでしょうか、この残念感。
建物をぐるりと覆うアルミサッシ。
正面にアルミサッシ!左右にアルミサッシ!
建物半分、ザ・アルミサッシ!
どこから見てもアルミサッシモンスター!
建物全然見えんわーーー!!!!
と、悲しみに暮れながらアルミサッシ内部へ。
一応、サッシの入口には鍵はかかっておらず自由に出入りできます。
そして中に入ると素晴らしいのですよ、細部の仕立てが。
この虹梁(こうりょう)上の彫刻なんかメチャメチャレベル高いですね。
分厚い雲の中をうねうねと泳ぐ龍。
豪快感満点!
しかも2頭います。
でもアルミサッシが邪魔で近くからしか撮影できず、2頭一緒にはフレームに収め切れません(悲)。
こちらは龍の頭。
虹梁の端のはみ出した部分を木鼻と呼ぶのですが、通常ここは雲形文様かあるいはバクの彫刻が施されます。
でもこの神社は龍!
しかも技術がスゴイじゃないですか、精緻でリアルで生命感にあふれてて。
今にもぐぉぉぉーーー!!!と吠え出しそうなくらいの迫力。
でもアルミサッシが邪魔で逆光の角度でしか撮影できず、なんか暗い(悲)。
生で見るともっとカッコイイのになーー・・。
虹梁後部、龍の頭の上付近。
この彫刻も見事じゃないですかー!
細部まで丁寧に彫り込まれた牡丹。
普通この位置に彫刻が来ることはないんですけどね。
だって正面からは見えん場所だし、ここで頑張る必要がない。
でもそんなところまで手を抜かずに作り込む職人魂。
い~い仕事してますゼ!
ここはアルミサッシに関係なくちゃんと撮れたな。
良かった♪良かった♪(笑)
拝殿内部の様子です。
形は正方形。
ちょっと暗くて分かり辛いですが、気合の入り方がハンパじゃありません。
天井は折り上げ格天井だし、上部に装飾されている絵もやけ精彩だし。
こんなちっちゃな神社の拝殿としては、ちょ~っと不釣り合いとも言える程の高い品格。
この拝殿ね、実は加賀藩5代目藩主前田綱紀(まえだ つなのり)の御霊堂を移築したものなのですよ。
元々はここからずっと離れた天徳院ってお寺にありまして、そこから売却されてここに流れてきたらしいんですね。
なんでそんな大事なものを売っちゃったのかと言うと、時代の流れが関係してます。
時は明治、廃藩置県で加賀藩という組織が消滅した事で一番のパトロン(要はカネヅル)を失った天徳院は一気に財政難に陥りました。
その資金繰りの一策として、綱紀公の御霊堂を売っぱらったんですね。
で、それが今ここにあると。
そんな経緯があるのです。
前田家の貴重な遺構を拝殿という形で受け継いでいる佐奇神社。
ちっちゃくて地味だけど、決して失ってはならない大事なお宝を守っている神社です。
訪れた際には、そんな前田家とのつながりを頭の片隅に置いてご参拝ください。
江戸時代から連綿と続いてきた歴史の鼓動みたいなものが感じられますよ!
アルミサッシがなければ。(←まだ言う)
神社と前田家と言えば、金沢城二の丸の能舞台を移築して拝殿に使用している中村神社という所があります。
こちらも興味深くて面白いですよ!
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