今石動城跡 削って削って作り上げた土の城を見よ
2022年05月21日
中世の戦国時代、加賀の前田利家(まえだ としいえ)と越中の佐々成正(さっさ なりまさ)がバチバチやり合ってた最前線にあったお城、それが今石動城(いまいするぎじょう)です。
築城したのは前田側で、利家の弟の秀継(ひでつぐ)と子の利秀(としひで)親子が管理に当たりました。
お城として使われた期間は10年程度と言われています。
現場はバリバリ山の上。
車で入るのを思わずためらうようなギリギリ1車線の細道の先にあります。
勇気を持ってどうぞ!
全体マップ。
山の尾根伝いにヒトデ状に曲輪(くるわ・広場)が広がる、連郭式(れんかくしき)山城。
堀切(ほりきり)・竪堀(たてぼり)といったトラップは比較的少なく、印象としてはややユルイ感じ。
防御拠点と言うより、駐屯・出撃基地といった色合いを強く感じる造りになっています。
見て回れるエリアはごく一部。
整備されている所以外には突っ込まない方が無難です。
こちらが入口の目印となる看板3枚。
左から順に今石動城の簡単な成り立ち、城山公園全体の案内、今石動城の歴史と構造が書かれています。
特に構造は重要な情報なので、事前にバッシバシ頭に詰め込んでから突撃してください。
で、早速スタートと行きたいところですが、ちょっとストップ。
まず先に入口逆側、看板の左手を見て欲しいのです。
そこにあるのがこの窪み。
これ、堀切(ほりきり)です。
堀切とは曲輪(くるわ・広場)と曲輪の繋がりを切るための溝です。
曲輪同士を独立させることで敵の進路を奪い、足を止めるんですね。
山城には定番のトラップです。
改めて入口に戻り、中に入るとこんな感じ。
山の尾根に貼りつくように通路が通されています。
ここで先に見た堀切を思い出して欲しいのですが、あれはこの通路をちょうど横にバスっと切断する形で掘り込まれています。
深さは2メートル強くらい、それも両側は急勾配。
どう?鬱陶しいでしょ?
この溝を越えなきゃ前に進めないけど、落ちたら身動きが取れなくなってそのまま狙い撃ち。
シンプルなトラップですけど、堀切って意外に防御力高いのです。
通路の脇は転落必至の急勾配。
山の尾根なんだから当たり前じゃね?なんて思わないでください。
この角度、明らかに造成されています。
切岸(きりぎし)というヤツですね。
これも敵を迎撃するための仕掛け。
そんなの落ちないように気を付けりゃいいんでないの?と思われるかもしれませんが、そうはいきません。
上空から弓矢がビュンビュン飛んで来るという状況の中、当然いちいち足元まで気にしてられない。
あ、と思った時にはズルっと落ちて、サヨナラです。
そこからちょっと登ると早くも本丸。
ゴールです。
あまりにもスタートからゴールまで近すぎて、やや拍子抜け。
もちろん戦国期はこんなあっさり本丸までたどり着けませんよ。
今だから本丸のすぐ近くまで車で行けるから早いだけで、当時はもっとふもとの方から罠だらけの細道を死ぬような思いで突破していかないとここまでたどり着けませんでした。
そこに待つのは想像を絶する死の恐怖と緊張感。
まさに決死の進軍でした。
例えばこの眺め。
これは下からの眺めで、旗の立っている場所が本丸です。
敵とすればなんとしてもあそこまで行かないといけません。
でも途中には城側の兵があちこちに潜んでいて、先に見た堀切や切岸なんかのトラップもあって、しかも山登りだから体力もどんどん削られて。
そんないつ襲われるかもしれない恐怖に耐えながら突き進んでいくのです。
そう思ってこの眺めを見るとどうです?
なんかもう、生きた心地しなくありません?
本丸から見下ろす眺めは爽快。
小矢部の平野と、さらにその向こうにある立山連峰の稜線がはっきりと見えます。
山の上なので吹く風も気持ちいい~♪
なんて、今だから言えるんですけどね。
戦国時代、明日をも知れぬ思いで眺めるこの景色は一体どんな風に見えたんですかね?
本丸の一段下にももう1枚、曲輪があります。
面積的には本丸の半分程度。
大きなお城で言えば二の丸的なポジションになるんですかね?
見ての通りガッチリ削平されてて、明らかに土木工事による整地の跡が見られます。
戦に備えて木を伐り、土を削り、大量の蚊に襲われながら(←?)、全部手作業でこの広場を作ったのです。
いやーキツそうだわ!
この曲輪から本丸を見上げるとこんな感じ。
見て欲しいのは斜面。
自然界には絶対にありえないメリハリのある地形になっています。
これも切岸ですね。
この角度になるまでガリガリ削ってこの形を作ったのです。
ここだけじゃないからね。
山のあちこちでこんな工事やってんだからね。
山城って大変だわ!
この鬱蒼とした場所、これも曲輪です。
先に見た本丸も曲輪も見学用に整備されているので分かりやすいですが、何も手を入れられていないとこんな感じです。
戦国期に作られたものなんでね。
破棄されてから400年も500年も経ってますんでね。
そりゃ草木も生えますわな。
それでも地形には人工的な面影が今でもちゃんと残ってて、見る人が見れば曲輪だってのが一発で分かります。
戦国期の緊張感を今に伝える今石動城跡。
そんなに広くないです、見られるスペースは。
なので山歩きツライ~って人でも多分楽勝。
逆に山城歩きコッテコテに楽しみたい~って人には正直ボリューム不足。
その辺り、頭に入れて訪城してください。
ふもとは公園になってて、春は桜がきれいです。
桜シーズンに合わせて訪れれば二重に楽しめますよ!
今石動城跡
住所:富山県小矢部市城山町 10
関連タグ >> お城
石川県立航空プラザ 飛行機好きには夢のワンダーランド
2022年05月18日
飛行機大好き人間の楽園、それが石川県立航空プラザです。
場所は小松空港のすぐ目の前。
周りに何もないので、車で前を通ればすぐに見付かります。
とにかくね、飛行機がいっぱいあるんですわ。
もちろん本物ね。
退役した機体を借りてきたかもらったか知らないけど、たくさん並べてあります。
いきなりヘリコプター。
それも自衛隊機。
「HSS-2B」という機体です。
自衛隊機なのでもちろん戦闘能力があります。
高精度なソナーを備え、海中にいる潜水艦を探し出して攻撃できるんだとか。
うわ!やってみてー!(←?)
館内の配置はこんな感じ。
ルートとしてはロビーからまず2Fに上がり、ぐるっと1周して再び1Fに降り、最後に生の飛行機を見る、という流れになります。
メインはやっぱ最後の生飛行機ですね。
通常、飛行機を触れられる距離で見れる機会なんてまずないですからね。
臨場感が格別です。
では展示の様子を。
2階展示室に上るとまず最初に目にするのがコチラ、「玉虫型飛行機(の実物大模型)」。
明治26年に二宮忠八(にのみや ちゅうはち)が考案した、人力飛行機です。
残念ながら動力が確保できず完成には至らなかったそうですが、理論的には十分飛行能力があり、条件さえ揃えばライト兄弟より先に空を飛んだ可能性があったそうです。
ロマンですなー。
いつの時代も夢を追うエンジニアってのは熱いですわ。
ライト兄弟より先に飛んで欲しかったなー!
こちらは米ソ冷戦時代の航空機開発の競争を追ったもの。
「米ソ」って分かります?
「米」ってのはアメリカ、「ソ」ってのはソ連、現在のロシアです。
かつてこの両国は直接衝突こそしなかったものの、水面下で静かな戦争をバチバチやっていました。
特に宇宙開発を巡る熾烈なバトルは今も語り草となっています。
こうやってズラリと並べると壮観ですな。
大国同士のパワーゲームの縮図を見るようです。
こんなコーナーもあります。
「B-747 政府専用機貴賓室展示」。
すげーな、政府専用機のVIPルーム。
飛行機なのに「椅子」じゃなくて「部屋」が割り当てられるんですからね。
ここでシャンパンなんか飲みながら、ゆた~りとフライトを楽しむのでしょう。
なんとまあ優雅な事か。
って言うか、税金で作ってんですよね、この部屋。
そう考えると、なんかチョット腹立つな・・。
そのすぐ横にはゲーセン的なマシンがいっぱい。
フライトシミュレータです。
飛行機の操縦体験ができるってヤツですね。
機体はヘリコプター、セスナ、大型旅客機、F-15戦闘機、ビジネスジェット、ピッツスペシャル(セスナ)の計6機。
わたしも早速挑戦!と思ったのですが。
サイフに100円玉がなかった・・・。
ちなみに1回200円です。
ここで階段を下りて1階へ、するとこんなのがあります。
YS-11シミュレータ。
先に見たフライトシミュレータの上位版ですね。
本格的なコクピットセットの中で飛行機の操縦体験ができます。
これもすごくやってみたかったんですけどね、現在コロナのため休止中。
残念!!
ちなみに1回500円。
さらにこんなのも。
航空管制シミュレータ。
管制官になって飛行機を誘導するというゲームです。
これものすごく意味不明でね、ルールが全然分からない。
理解してしまえば子供でもクリアできるゲームなんだけど、そこまでがかなりイライラ。
成功するまでに飛行機8台破壊したっちゅーねん。(←!)
そしてどーん!と登場、生飛行機展示。
かつて空を飛んでいた本物の機体がズラーリ。
もー壮観!
わたしゃ飛行機は全然興味ないんですけどね。
それでも気持ちアガりますね、こんなん見ると。
うわ、これ乗って飛んでみてー!みたいな。
コクピットの中ものぞけます。
どうですか、この使用感?
所々擦り切れてて、傷があって、ボロっちくて。
狭くて居心地悪そー!
でもここから眺める空の景色はきっと爽快だったんでしょうね。
パイロットうらやましー!
変わったところではエンジンの展示なんかもあります。
素材はアルミ、ステンレス、鉄。
見た感じアルミよりステレンスと鉄の方が多く使われている感じ。
飛行機のエンジンなんだから、もっとアルミを使って軽くした方が絶対いいと思うんだけど。
でも耐久性とか耐剛性とか、アルミじゃクリアできない問題が色々があるんでしょうね。
最後にもう1発面白いのを。
木製の飛行機。
え?飛行機を木で作るの?と思われるでしょう。
もちろん作りません。
これは試作品です。
「モックアップ」と呼ばれるもので、開発段階において作られる検証用の機体です。
こうして図面を1度実物化することで、様々な不具合などを検証するのだそうです。
飛行機好きには多分心拍数上がりっぱなしの石川県立航空プラザ。
我こそは飛行機マニアって方はぜひ一度訪れてみて下さい。
きっと満足してもらえると思います。
なお飛行機展示の横にはお子様用プレイゾーンもあります。
チビちゃんとご一緒の方はこちらもどうぞ!
関連タグ >> 美術館・博物館
金沢くらしの博物館 展示編◆じじー世代には懐かしのアイテムがいっぱい!
2022年05月16日
金沢くらしの博物館。
明治32年建造の擬洋風建築がレトロ感むんむんで、シビれる程にノスタルジック&ファンタスティックな民俗資料館です。
前回はそんな建築の仕様をじっくりと見てきました。
今回はいよいよ展示内容のお話です。
まずは館内のマップ。
入口入ってまずは左折、そこに第1の部屋「企画展示室」があります。
その奥に「戦前のくらし」と「戦後のくらし」。
2階に上がって「特別室」「金沢くらしの大百科」「体験ルーム」と続き、再び1階に降りて、最後に「学校時代」となります。
結構ね、カオスなんですわ。
なんか思い付きでぐっちゃぐちゃに詰め込んで展示した、みたいな。
要は統一感がないのね。
なのでまー軽ーい気持ちで見てってください。
では一発目イキます。
「企画展示室」。
その名の通りここはその時々の企画展示が行われていますので、数ヵ月スパンで内容が変わります。
わたしが行った時は「加賀万歳(かがまんざい)」ってのをやってました。
加賀万歳ってのは新年を祝う舞ね。
いわゆる伝統芸能ってヤツですが、今じゃ保存会の人が細々と継承してなんとか命脈を守っている状態です。
そんな加賀万歳のアイテムがズラリ。
そこからスタスタっと進むと、次に現れる部屋が「戦前のくらし」。
なんかソレっぽいものが色々と展示されています。
中でもメインとなるのがこの再現座敷。
弁柄色の壁に床の間をしつらえた古臭い和室が、当時の空気を伝えています。
ちょっとツッコんでイイっすかね?
なんで獅子頭なん?
普通床の間に飾らんやろこんなの?
あと弁柄色の壁もなー。
こんな色、ゲテゲテ趣味の金持ちしか使わんぞ。
もっと一般庶民の素朴な生活模様を前提に再現した方が良かったんでね?
その隣には仏間。
仏壇を収納した部屋ね。
この仏壇もまた高そーだな、おい。
こんなデカいの新品で買ったら(今なら)数百万レベルだろ?
一般庶民の家に本当にこんな立派なのあったのかな?
なーんか生活レベルの設定、高すぎじゃね?
その向かいの部屋は「戦後のくらし」。
ここに来ると空気が一変、庶民感むんむんになります。
画像は昭和のお茶の間の再現。
なんかドラマのセットみたいですが、実際ね、こんな感じでしたよ昭和の庶民の家は。
わたしが子供だった頃もこんな感じで、居間にはガチャガチャ回すチャンネルのテレビがあって、電話は黒電話で。
電気もヒモ引っ張って点けたり消したりするヤツで。
ホントまさにこんな感じ。
いやー懐かしい!
これは昭和のラジカセ。
ラジカセ、分かります?
今の若い人にゃ分からんだろうな~ラジカセなんて。
わたしの若い頃はこれが最先端だったんです。
わたしも持ってましたよ、ナショナルのラブコールってモデル。
ちょっとナナメのボディと倍速ダビングできるってのがめちゃめちゃイカしてましてね。
「ダビング」って言葉、分かります?
おっと、おやぢ臭全開な話題に走っちまった(汗)。
おやぢトークついでも、コレも
ファミコン~~~♪♪
トッキメクわ~♪
今見てもトキメクわ~♪
めっちゃ遊んだしね、コレで。
徹夜でドラクエやって、明け方にやっと竜王倒した、とかね。
楽しかった~あの頃は♪
今はまあアレね、まあ、今の話はしたくねーーー・・・・(暗)。
こちらは二階の「特別室」。
工芸をメインに、ちょっと大人な展示がされています。
わたしも最近、工芸ってヤツが好きになってきましてね。
焼き物とか茶道具とか漆器とか、色々見て回るのがすげー楽しいんですわ。
やっぱトシなんですな、こんなのに興味が向くって。
趣味がどんどんジジ臭くなっていく・・・。
ちゅーかジジーだけどさ(老)。
その隣の「金沢くらしの大百科」。
この部屋は金沢の文化について学べるという趣向になっています。
ここね、なかなかにお勉強になるのですよ。
タッチパネルでポンポンと情報を追いかけていけるので、お子様でも楽チン。
実際わたしが行った日も、小学校低学年くらいの子がメッチャ喰い付いてました。
さらにその隣の「体験ルーム」。
この部屋はかなり意味不明。
なんか穴埋め的に適当なモン置いてある感むんむん。
思いっ切り残念な部屋になってます。
ただ畳が敷いてありますんでね。
昼寝すると気持ちいいですよ。(※昼寝の部屋ではありません)
そこから再び1階に降り、次に目にするのが「学校時代」という部屋。
この建物が学校時代だった頃の様子が再現されています。
・・なんだけどね、ピッカピカなんですわ。
床も机もピッカピカ。
イマイチ昔感がない。
もうちょっと細工できんかったんかね?
ウソでもいいから古臭く仕立てて、昔ィ~~な雰囲気にして欲しかった。
その部屋の一角に不自然なくらい古臭~い机が。
これね、マジで古い机なんですわ。
残念ながらここが学校だった当時に使われていたものではないっぽいんですが、でも昔の空気をい~い感じに残しています。
ボロいし、汚いし、傷だらけだし。
わたし骨董も好きなんでね。
こんなの欲しいわ~♪
様々なレトロアイテムが楽しめる金沢くらしの博物館。
刺さりますゼ~。
昭和世代には間違いなく刺さりますゼ~。
古き良きあの頃の思い出に浸りたいって方はぜひ一度訪問してみて下さい。
思わず涙ぽろりなアイテムがきっと見付かりますよ!
金沢くらしの博物館 建築編◆明治レトロなオンボロ仕様に惚れ♪
2022年05月14日
レトロ臭がぷんぷん漂う洋館、金沢くらしの博物館。
明治32年に建てられた、旧石川県第二中学校の校舎です。
現在は校舎としての役割を終え、昔の生活を振り返る民俗文化展示館として利用されています。
この施設については以前に大雑把なレポートを上げました。
今回はさらに突っ込んだ詳細編をお届けします。
まずは建築から。
・・・と言いたい所なんですけど、ご覧の通り建物の全景が見られません。
前面にデカい木がバッサー!
誰でしょうね、こんなトコに木を植えたの?
もーーホント邪魔。
誰か切ってくれー!(※切ったらダメです)
なので寄りますね~、ハイ、玄関ポーチ。
いいっスわね~、この中途半端さ。
ベースは洋風建築なんだけど、屋根はなぜか日本瓦。
しかも鬼瓦付き。
明治・大正頃の洋風建築ってのはこの手の和+洋のハイブリッド建築が主流でした。
いわゆる擬洋風建築ってヤツです。
今やったらただのバカなんですけどね、でも昔はこれが最先端だったんです。
この未成熟感が何気にイカス♪
もうちょっと目線を上げると、三角形の飾り屋根。
千鳥破風ってヤツです。
これもバリバリの日本建築の様式。
洋風建築にコレ必要なの?と思わずツッコミを入れずにはいられない屋根装飾。
でもね、い~んですよ、明治時代だから。
これが明治という時代の洋風建築だったんですよ。
きっと当時はこの眺めにものすごい未来感があったんでしょうね。
板壁と安っぽいペンキもイケてますわな~♪
これはいわゆるコロニアンスタイルってヤツでして、アメリカ開拓時代の建物を模しています。
時間が経って板の疲労が目立って、い~い味出てますね。
基壇はレンガ積み。
ガボーッとデカい通風口の野暮ったさがまたタマラネー!
建物の左右には尖塔。
緩→急と角度に変化を付けたスタイリッシュフォルム。
屋根材には銅板を用い、頂上には天に向かってすっと伸びるファイニアル(アンテナみたいな飾り)。
センスいいわ~♪
ここだけ屋根材が銅板ってのがまたね。
もーイカしまくってて、泡吹きそうですわ!(←?)
この左側から眺めるビジュアルもいいな~。
屋根上にポツポツと並ぶ千鳥破風。
多分これ、ドーマーウインドウ(屋根裏部屋の採光用の小窓)を意識してると思うんですけどね。
でも日本瓦の屋根の中にドーマーウインドウを並べちゃあまりにも違和感強過ぎなので、千鳥破風を置いたんでしょうね。
時代感ありますわね。
まだまだ西洋文化を取り込め切れてないこの中途半端さ。
必死に成長して西洋列強に追いつこうとしてた当時の空気がまざまざと感じられるようです。
中はこんな感じ。
モロに学校。
現代の鉄筋建築にはない、ふんわりとした木の温もりに包まれています。
いいわね~、こういう雰囲気。
素朴で深みがあって、そして人の匂いみたいなものがしみ込んでて。
なんか人間形成にもすげー影響しそう。
本来学校教育ってのは、こういう環境の中で行われるべきなのかもしれないですね。
やっぱ鉄筋は冷たすぎる。
この階段なんかもい~い味出してますわな。
ペンキベタベタの安っぽさが、ま~ビューティフル♪
何気に手すりの柱がオシャレですね。
直線×直線で構成されたアールデコ的なデザイン。
地味なんだけど、過度な美を追いかけない潔さが実に美しい。
明治時代の疑洋風建築が腹いっぱい堪能できる金沢くらしの博物館。
ええですゼ~♪
うっとりしますゼ~♪
なんか100年前にタイムスリップしたようですゼ~♪
レトロな雰囲気が大好きという方、ぜひ一度ご訪問を。
次回は展示の様子について紹介していきます。
展示もやっぱりノスタルジック感全開!
特に昭和生まれは涙出ますよ~。
出世山古墳公園 石室の中まで入れる古墳に興奮アゲアゲ
2022年05月11日
古墳愛に燃える古墳フェチを喜ばせるモノ。
それは。
古墳!!!(謎)
そんな古墳ワンダーランドの公園が出世山古墳公園(しゅっせやまこふんこうえん)。
東尋坊のすぐ近く、三国運動公園の隣にあります。
では早速全体図から。
園内で見られる古墳は全部で4基。
当たり前ですけど全て本物です。
タイプは全て円墳。
これとは別に復元古墳も1基。
これだけえっれー仕様が違います。
詳細は追って。
まずはエントランス。
レリーフ陶板がずらり。
2×9で合計18枚。
これらには古墳からの出土品やらなんやらが描かれています。
ただね。
なんて言うかね。
見ると分かるんだけどね。
すっげー。
分かり辛い・・・(汗)。
その直後に現れる1発目の古墳、出世山1号墳。
直径23.5メートルの円墳です。
石室はご覧の通り横穴式。
このスタイルは朝鮮半島から伝わったと考えられており、古墳としては終期のタイプとなります。
中は自由に見学可能。
ちょっと覗いてみます。
両サイドに自然石を積み上げた石壁がガーン!
よーく見るとコンクリで固定されているので、1度解体されてるみたいですね。
天井石がないですが、ないはずはないので、多分どこかに別に保管してあるのでしょう。
石は安山岩と凝灰岩のミックス。
この辺りは柱状節理の安山岩がゴロゴロあるので、オール安山岩でも作れると思うんですけどね。
なんで凝灰岩も併用しているのかは謎。
その斜め前、公園のほぼ中央にあるのが「遺跡ガイダンス」と呼ばれるお勉強スペース。
近辺に点在している古代遺跡をレリーフで紹介しています。
ラインナップは以下の通り。
- 西下向遺跡
- 北杉谷遺跡
- 観音洞窟遺跡
- 米ケ脇遺跡
- 下屋敷遺跡
- 西谷遺跡
- 姥ケ谷古墳
- 狐塚古墳群
- 川端遺跡
- 藻取浜遺跡
調べてみたところ、これら全てが現存、あるいは見学可能になっている訳ではないみたいです。
どーーーーしても気になるって人は、自力で場所を調べて行ってみてください。
結構残念だと思います。(←?)
その正面に葺石で覆われた古墳がどーん!
姥ケ谷古墳(うばがだにこふん)です。
お、コレなんかスゴくね?って感じですが、残念ながら復元モノ。
昭和55年に作られた現代製です。
じゃあオリジナルはどこにあるのかと言うと、このすぐ隣にある三国運動公園・・・なんですけど、もうありません。
公園造成に伴って潰されてしまったのです。
もったいねーーー!!!
外周の一角にはなんやら土橋らしきものもあります。
用途は不明。
橋があるって事は当然これを渡って墳丘に昇り降りしてたって事になるんですけど、
何してたんですかね?
墓参り?
でも当時の宗教観って今とは全く違うでしょうし、墓参りという概念自体あったのかどうかも疑問。
考えれば考えるほど分からん。
んーーーミステリアス!
すぐ近くには銅鐸なんかもあります。
まるで鐘みたいにブラーンとぶら下げられてて、いかにも鳴らしてくれって感じ。
もちろん鳴らしてオーケーです。
でもコレね、スゲーんですわ、音が。
ぐわん!ごぉん!ごぉーーん!!!みたいな、びっくりするくらいの轟音。
完全に近所迷惑。
苦情来んのか?(笑)
その先に2発目の古墳、出世山2号墳。
直径20メートルの円墳です。
先に見た1号墳と違って、こちらはのっぺりとしたただの土山で、石室は見られません。
ってのもこっちの石室は縦穴式になってて、構造的に見学向きじゃないんですね。
なので埋め戻され、単に墳丘だけが見られる形になっています。
続いて3号墳。
やっぱり円墳。
ただ、こちらは未発掘です。
つまり今も眠っているんですね、この下に『何か』が。
何があるんですかね?
首長墓って感じでもないので、そんなにトンデモナイものが埋まってるとも思えませんけど。
でも期待させますね。
最後の4号墳。
こちらも未発掘。
あります、この下に確実に『何か』があります。
掘りたいな~。
古墳なんて掘り返した事ないしな~。
掘りたいな~。
福井県さん、もし発掘調査するってなったら必ず声掛けてください。
わたし行きます。
ザックザク掘るから。
発掘立ち合わせてーーー!!
その4号墳の脇なんですが、展望台になっています。
高い位置から住宅地の様子がざーー!
これね、何気に古墳のセオリーなんです。
「古墳は高台に」ってのが当時のオキマリだったようで、古墳の建造はほぼ高所と決まっています。
なので眺めがい~いのですよ♪
素晴らしく爽快!
以上、出世山古墳公園の様子でした。
一番の見所は何と言っても1号墳の石室。
古墳の内部が覗けるってやっぱり魅力ですわな!
さらに未発掘の3号墳・4号墳。
この下には何が埋まってるんでしょうね?
考えただけで胸わくわく!
古墳ワンダーランド、出世山古墳公園。
ザ・古代ミステリーな世界観を思う存分味わってって下さい!
そして帰りには銅鐸をぐわらぁぁぁ~~~ん!!!と(近所迷惑にならん程度の音量で)鳴らしてってください!
出世山古墳公園
住所:福井県坂井市三国町新宿 2-8-45
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