穴水城址 アッケラカンとした拍子抜けな城跡
2024年11月23日
中世の城跡、穴水城址。
現場はまあまあ山の中です。
先に言っときますが、訪城に際しては軽自動車かそれに準じるサイズの車、あるいは四駆推奨です。
ってのは侵入路がヤバイのです。
詳細は追って。
まずは現場のマップ。
住宅地の脇の道を入って山の中へ、その先に城跡。
見所はほとんどなく、車停めて、本丸見て、はい終わり、みたいな感じ。
お城初心者にも熟練者にも、恐らく素晴らしく物足りないお城。
そんな所です。
こちらがその住宅地から入る脇道。
一応案内板出てますが、ぼーっとしてると通り過ぎてしまう地味さです。
実際通り過ぎたし。
目印は「穴水高校口」のバス停。
多分これを目印に探した方が見逃さないと思います。
そこから山道へと突入するのですが、見よ!この悲惨さ!
必殺の1車線。
対向車来たら即アウトなチキンロード。
しかも雑草ボーボーのガッタガタ。
既に書きましたが、パジェロやランクルならともかく、大型車で入る道ではありません。
軽自動車がベスト、普通車でも小型車推奨。
あと枝がこすれたりするので、車が汚れたり傷付いたりするのが嫌って人は諦めてください。
そんな悪路の先、突き当りに広場が現れます。
ここがお城の入口になります。
多分この広場、元々は曲輪(くるわ・兵を駐屯させるスペース)でしょうね。
形と位置からして、本丸を守る帯曲輪でしょう。
戦時はここに兵を横一線に敷き、下から登って来る敵を迎え撃ったのです。
入口には『穴水城址』の石碑。
この文字、お城を治めていた長氏の34代目・長昭連の揮毫によるものだそうです。
ご先祖さんがお城持ってたとか、羨ましいな~。
わたしも「ご先祖さんのお城」、欲しー!
もー嬉しくて毎日散歩しちゃうわ、きっと。
ついでにガッチリ整備して、観光地化して、入場料取って、ガッポガッポ儲けて。
うはうは生活♪(←それが目的か?)
そこから本丸へと入るんですがね、その通路がこちら。
この時点で強力なトラップが行く手を阻んでいます。
どこか分かる?
それは画像右側。
急角度になっている壁です。
これは「切岸(きりぎし)」と呼ばれる人工的に削られた壁で、攻め手は当然この急斜面を登れません。
対して城側は上から攻撃し放題。
まず突破不可能です。
さらに本丸への入口なのですが、グルリと巻き込むように通路が通されています。
これもトラップ。
「食い違い虎口」というヤツで、このカーブによって敵の勢いを削ぎ、同時に隊列の側面を攻撃するのです。
仕掛け自体はごくシンプルなんですけどね。
でも威力は強力。
ここを通る時はそんな戦時の恐怖も体感しながら歩いてください。
その先、はい、ゴールの本丸。
お城巡りはこれで終わり。
あっけないくらいのあっけなさ。
もうちょっと色々見たいわな。
これがお城の全貌な訳ないので、本当はもっとたくさんの見所があるはず。
二の丸とか三の丸とか、堀とか土塁とか。
でも見られるのはこれで終わりなんです、本当に。
なんとも残念・・。
そもそもね、ヤル気ないんですわ。
見よ!この残骸!
ベンチは朽ちまくり、本丸の標識なんかは倒壊したままほったらかし。
100%放置プレイ全開。
管理者いないのか?
ちゃーんと整備した方がいいと思うんだけどね。
詳細に調査すればお城らしい遺構がいっぱい出てくるはずだし、そんなお城遺構を分かりやすく紹介すれば場としての楽しさも増すし。
これじゃ宝の持ち腐れ。
お城泣いてるわ。
本丸奥にはお墓と慰霊碑。
なぜここに??
お墓は個人の物だからいいんだけど、慰霊碑はなんか説明板くらい添えるべきだと思うんだけどね。
どうも戦争絡みっぽいけど、詳細が全く不明。
これじゃ何を慰霊してんのかさっぱり分からん。
あまりにも消化不良感の強い穴水城址。
整備しようよ。
ちゃんとお城の構造が分かるようにしようよ。
もっともっと楽しい場所にしようよ。
いつかブラッシュアップされる日を夢見て。
合掌・・
※このレポートは震災前に訪問した時のものです
関連タグ >> お城
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