谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 2F 赤坂離宮別館・游心亭再現 谷口建築、イカスわ~♪
2022年07月02日
以前レポートした、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館。
改めて行ってみたら、やっぱい~い所でね。
特に2階の迎賓館赤坂離宮和風別館・游心亭(ゆうしんてい)の再現ルームは別格!
ザ・谷口建築のエッセンスと和風建築の粋がぎゅっと凝縮されたワンダーゾーンとなっています。
って事で今回、この再現ルームを再レポート。
さらに細かく掘り下げて見ていきます。
まず見て欲しいのがこの上品なしつらえ。
部屋全体に漂うしっとり落ち着いた雰囲気。
何気に装飾が全然ないのにお気付きですかね?
襖絵も欄間もダイナミックな板戸も、ナーンもない。
アイキャッチを何も持たない、実にニュートラルな空間。
でもね、だから落ち着きがあるんですよ。
この部屋の主役は建築ではなく、あくまで「お客さん」なんですね。
床の間もメチャメチャシンプル。
さっぱりとした抜けのいい空間になっています。
黒い床は多分石でしょうね。
継ぎ目なしに見えるんだけど、だとしたら原石はかなりのサイズのはず。
石は大理石ですかね?
部屋の中に入って間近で見れないので、詳細がちょっと不明。
床脇は白木の棚板を1枚渡してあるだけ。
え?ってくらいの素っ気なさ。
でもこのあっさり感がスゲー上品なんだな~。
照明なんかも柔らかいですね。
多分和紙を張ってあるんだと思うんだけど、ふわ~んとした温かな光。
この辺りは自然光を意識してんでしょうね。
電球丸出しじゃ和室のイメージが壊れちゃいますからね。
こうして和紙をワンクッション噛ませることで、自然な和風空間を演出しているのでしょう。
部屋の奥には小さな部屋がジョイント。
ここはアレね、芸者さんの舞台ね。
通常は襖で閉ざされてて、出番が来たらパンと開いて芸者さん登場~!となるのです。
そしてチャンチャカチャンチャカと素敵な芸が披露されるのです。
見てみたいな~、一杯飲みながら芸者さんの生の芸。
でもこんな上流階級の宴会に参加することなんて絶対ないからな~。
もうホント、雲の上の世界ですわ。
天井はこんな感じ。
部屋の外がなぜか斜めになっています。
これは庇のイメージ。
つまりここから先は(まだ室内だけど)室外なんですね。
もうちょっと突っ込んで言うと、この部屋は1階を前提に設計されている形になります。
実際の游心亭はどうなってんですかね?
1階にあるのかな?2階より上にあるのかな?
行った事ないので分からん。
そしてその庇の向こうに見える眺め。
水鏡の庭が美しく広がります。
こっれがまたい~いのですよ♪
キラキラ輝く水面の照り返しがたまらなくまぶしくて。
そこに写り込む木々や空の色がものすごく鮮やかで。
あふれ返る光量に体全体が洗われるようで。
座敷の部屋の落ち着いた雰囲気とは真逆の神秘的な光景が目を奪います。
続いてその斜め向かいにある茶室。
茶室なんですけどね、茶室だから和室なんですけどね、和室だから伝統建築なんですけどね、でも見ての通りめちゃめちゃモダン&スタイリッシュ。
伝統と現代が違和感なくきれ~に融合。
ンまぁ~見事ですわ♪
で、よーく見て欲しいのが茶室の造り。
片側の壁が取っ払われ、舞台の様になっています。
このベンチはその舞台を鑑賞するための席。
ここから日本の伝統文化「茶道」のお点前を鑑賞してもらうんですね。
これね、外国人客のために用意されているのですよ。
改めて念押ししますが、ここは迎賓館赤坂離宮和風別館・游心亭(の再現)です。
つまり国賓級の外国人客がバンバン来る特別な場所なんですね。
そんなVIP達に日本の文化「茶道」を見てもらうための舞台として用意されたのがこの茶室なのです。
茶室エリアは四畳半。
中央に炉を置き、手前の畳がメインの客が座る貴人畳、その右が主人が茶を点てる手前畳、一番奥が主人が入って来る踏込畳、左奥が客の座る客畳。
コンパクトな空間の一画一画にきっちーんと役割が決められています。
これがザ・茶室ルール。
残念ながら躙り口(にじりぐち・茶室独特の狭い入口)は壁の片面を取っ払ってあるためにカットされてますね。
外国人的にはあれが一番喰い付きそうなんだけど。
この賑やかな天井も外国人を意識してのものでしょうね。
茶室の真上はフラットな平板天井。
その横には網目模様に木の皮を編み込んだ網代天井。
ベンチのある側は庇をイメージした斜め天井。
3種類の和風建築の天井が一同に見られる、という趣向になっています。
こんな変な天井、実際にはないんですけどね。
でも日本の建築様式を少しでも多く見てもらうという目的から、こんな設計になったのでしょう。
この下地窓なんかもメッチャ茶室してますね~。
下地窓とは壁に穴を開けて下地に埋め込まれている骨組みを窓枠のように生かした窓です。
ざっくり言っちゃえば、すっげー貧乏臭い窓。
この手の窓は茶道の大家、千利休が好んだと言われています。
いわゆる「ワビ・サビ」ってヤツですね。
そしてその精神は今も脈々と茶道文化の中に受け継がれています。
ハイセンスな谷口建築の一端が見られる、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館の赤坂離宮別館・游心亭再現ルーム。
いや~素敵ですわ♪
ハートどっきゅん!ですわ♪
その研ぎ澄まされた和風建築の粋、思いっ切り体感しちゃってください。
そして!
こんな上流階級の部屋で宴会できる上流階級の人。
ぜひわたしも仲間に入れてください。(←?)
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