ダ・ビンチ・テクノミュージアム 天才と奇才はまさに紙一重
2022年06月13日
ルネサンス期の巨匠、レオナルド・ダ・ビンチ。
知らない人はいないでしょう。
そんなイタリアの生んだ巨人にスポットを当てた施設、それが今回紹介するダ・ビンチ・テクノミュージアムです。
場所はクロスランドおやべ内。
全高118メートルを誇るクロスランドタワーがそそり立つ、小矢部市民の憩いの公園の正面側入口入ってすぐの所にあります。
さて、そもそもの問題として、なんでダ・ビンチなのか?
この件に関してイマイチはっきりとした説明が見付からんのですが、どうもこのクロスランドおやべに遠因があるようです。
小矢部市には高速のジャンクション、つまりクロス・ロード(交差点)があり、クロスランドおやべの名前はそこから来ています。
そして高速道路→自動車→自動車を発明(正しくは構想)した人→ダ・ビンチ、という理由らしいです。
いや、いや、いや、いや。
無理矢理すぎだろ(笑)。
では館内図。
カーブ状の細長いスペースに「レオナルド・ダ・ビンチの世界」「陸の発明」「海の発明」「空の発明」「機械機構の発明」「レオナルド・ダ・ビンチ・ライブラリー」の6つのコーナーを設置。
それぞれのテーマに沿った展示や説明が添えられています。
ぶっちゃけそんなに内容は深くなく、対象年齢低め。
わたしみたいな低知能ヲッサンでもストレスなく見て回れます。
早速イキましょう、まず最初は「レオナルド・ダ・ビンチの世界」。
早い話が紹介です、ダ・ビンチの。
ダ・ビンチと言えばモナリザを始めとする絵画が有名だけど、科学分野でも数々の足跡を残したんだよ、みたいな話。
5分程の映像だったかな?
この説明がこの先に並んでいるものの伏線的な内容になっているので、取り合えずふ~んみたいな感じで見てってください。
そのすぐ裏にあるのが「陸の発明」。
歯車を使った動力の方向変換や、その技術が今も現役で用いられている例などが紹介されています。
すげーわな、ダ・ビンチ。
15世紀末、日本で言えば室町時代末期、そんな時代にもう自動車の基本的な構造を思い付いてたんですよ。
わたしなんか今日の晩メシ何食うかで頭いっぱいいっぱいですわ!
続いて隣には「機械機構の発明」コーナー。
滑車メカニズムの紹介です。
習ったな~、昔学校で。
重いものを軽く持ち上げる仕組み、いわゆるテコの原理。
他にもカムやギア。
これが結構楽しくて、思わず夢中になってグルグル回して遊んじゃいました。
分かってても不思議なんだよね~、コレって。
その向かいには「レオナルド・ダ・ビンチ・ライブラリー」。
ダ・ビンチに関する書籍、そしてパネルには同時代の偉人の紹介なんかがされています。
懐かしいな~。
グーテンベルク、ルター、コペルニクス、ボッティチェリ、ミケランジェロ、コロンブス、みんな世界史の授業で習った名前ばかり。
学生時代、一生懸命覚えたな~。
今じゃ半分くらい何した人か分からんけどな(笑)。
その脇にはダ・ビンチの手稿なんかもあります。
引き出し式になっているので、うっかりして見逃さないように注意してください。
これ見るとスゲーのよ。
細かい!細かい!
こんな細かいメモをもん~~~のスゴくたくさんカキカキしてたんだそうです。
ヲタクやのーー!!
次に登場するのは「海の発明」。
船ですね。
天才ダ・ビンチの発明はこの分野にも及んでいたんだそうで。
本当に何でもやってたんですね。
船なんて普通乗るもので作るものじゃないでしょ?
こんなものまで自分で考え出さんと気が済まん人だったんですね。
もう完全に手当たり次第ですな。
こちらはダ・ビンチが考案したパドル船のイメージモデル。
パドル船ってのは船の両側面に水車みたいなのを付けて、そいつをグルグル回して推進させる船です。
ちなみにパドルを回すのは人力。
このモデルもハンドルでパドルを回せるようになっています。
どうぞ水夫気分でグルグルやって遊んで下さい。
最後が「空の発明」。
かの有名なダ・ビンチ・ヘリコプターも紹介されています。
当然こんなのが飛ぶわきゃないんだけどね、実際飛ばなかったし。
でもコレ、理論的には決して間違ったものではないんだそうです。
事実、現代のヘリコプターはちゃんとプロペラで空飛んでますしね。
こんなのも考案してます。
その名も『空飛ぶ船』。
船体の両側に付けられた羽根をバタバタさせて空を飛ぶという、ピーターパンもびっくりの超物理法則無視マシーンです。
飛べるわけねーじゃん!!
こんなの完全に「科学」じゃなくて「ファンタジー」だよ!
ダ・ビンチさんも結構やらかしてたのね(笑)。
ダ・ビンチの天才ぶりがこれでもかと実感できるダ・ビンチ・テクノミュージアム。
彼を支えたのはきっと好奇心だったんでしょうね。
アレにもコレにも目をキラキラ輝かせて興味を持つ、きっとそんな人だったのでしょう。
ここを見学する時はそんなダ・ビンチの人間性にも心を払いながら見ていってください。
発明万歳~!
関連タグ >> 美術館・博物館
クロスランドおやべ 地上100メートルの大パノラマを楽しめ
2022年06月11日
メルヘンの街、小矢部。
そんな謎コンセプトな街の中に謎なタワーがシャッキリ建っています。
そこがクロスランドおやべです。
このタワーが目立つんですわ。
この辺一帯が扇状地になってるので遮るものが何もなく、おや、あそこにナンかあるぞ?みたいな。
取り合えず目についたし目指したらたどり着いた、みたいな人も多分多いでしょう。
クロスランドおやべの内部マップ。
中央に巨大なサークルがどん!
このサークルの一角に例のタワーが建っています。
さらにミニ鉄道、ダ・ビンチ・テクノミュージアム、こどもの広場、など色々。
一番の呼び物は何と言ってもタワー。
ここ来たらここ上っとかにゃ意味ナシ!な場所です。
では順々に見ていきましょう。
まずはヘリコプター。
自衛隊機V-107A、本物です。
なんで唐突にヘリコプターなのかかなり意味不明なのですが、これはどうもダ・ビンチ繋がりから来てるみたいです。
ダ・ビンチと言えばヘリコプターのスケッチが有名。
そしてこのクロスランドおやべにはそのダ・ビンチの事績を紹介したダ・ビンチ・テクノミュージアムがある。
そこでここにヘリコプター、って意味みたいで。
回りくどい~!
そんなヘリコプターのすぐ脇を走る汽車ポッポ。
ミニ鉄道です。
これがもう子供たちに大人気で、みんなキャッキャキャッキャ大喜び。
うちのボウズも保育園の頃はこんなん喜んだな~。
顔キョトーンとさせながら乗ってたの思い出しますわ。
今じゃヒゲ生えてるけどな。(←!)
そのミニ鉄道の線路脇に池。
その池の中央に島。
その島の中央にハート形のオブジェと鐘。
かなりイタさ満点なこの島、恋人達のために作られています。
要は二人でこの鐘突いてイチャつけって訳ね。
もちろんラブラブで鐘鳴らしていくカップルもいるでしょうが、わたしが見てた限りではおっさんと子供が珍し気にカーンと鳴らしただけでした。
なんかね、音が寒々しかったわ(笑)。
その向こうにはチビッコたちのワンダーランド、こどもの広場。
デカいバッタ遊具で遊ぶ!はしゃぐ!走り回る!
ホント子供ってこんなん好きですわね。
うちのボウズもこのくらいの頃はこんなんメチャメチャ喜んだな~。
よく鬼ゴッコに付き合わされましたわ。
今じゃ家でゲームばっかしてて、全然遊んでくれんけどな。
こちらはおもしろ自転車の貸し出し場。
1人乗り用、家族乗り用など何種類もの自転車があって、好きなのを借りられます。
中には横向きに進むヘンテコリンなのもあって、なかなかにエンターテイメント性抜群。
子供と一緒に遊びたいーって親御さんにはハートズキュン!なマシンです。
ただ。
こぐのはパパの仕事になります。
家族みんなの体重を乗せてガンバレー!
公園後部にはコンクリートでガッチガチの建物。
その名もクロスランドセンター。
コンサートホールや音楽スタジオ、会議室などを備えた貸し出し施設になっています。
見て欲しいのは外観。
何気に円と四角形の組み合わせでデザインされています。
これもダ・ビンチですね。
円は歯車を、四角形は機械の箱をイメージしているのでしょう。
つまり建物全体で発明家ダ・ビンチをオマージュしているのです。
こだわるな~、ダ・ビンチに。
そしてメインのクロスランドタワー。
全高118メートル、鉄骨とガラスで美しくデザインされたインパクト満点のモダン建築です。
高いトコ好きなんでねー。
こんなん見るともー上らにゃおれんですわ。
早速チケットを買って入場。
地上100メートルの展望台まではエレベーターで一直線。
ガラス張りなので、上昇中の景色が中から楽しめます。
気持いーのよ、コレが♪
しつこいけど高いトコ大好きなのでね。
ぶわーっと上がって行く感じがたまらなくエキサイティング!
エレベーターを出るとそこはもう展望台。
360度の大パノラマが待っています。
やっぱいいわ~高いトコ。
このあり得ない高さから下界を見下ろす非現実的な優越感。
ひっひっひ♪
わしは王様じゃ♪
下界の様子。
一面の田んぼと点在する民家。
その奥にそびえるのは日本三霊山のひとつ立山連峰。
こうして高い所から見ると、田舎の家の敷地や向きって好き勝手な方向を向いてんですね。
行政が図面引いて作る住宅団地ではありえない絵図。
何かある意味斬新。
あと展望台にはこんな妙なものもあります。
「恋かぎ」。
これに恋人達が誓いの言葉を書き込んでカッチリとロックして、下行って鐘鳴らせって事だそうです。
これと同じもの、前にも登場したの覚えてますでしょうか?
そう、海王丸にあった「愛鍵の部屋」です。
あそこにもこの浮かれ切った鍵がジャラジャラぶら下がってました。
ま、頑張れや。(←そういうのと縁のない人)
子供と恋人の遊び場、クロスランドおやべ。
メインは子供です。
子供をいーーぱい遊ばせたい人、どうぞ迷わず連れてきてください。
はしゃいではしゃいで、その日は早く寝てくれます。
ああ、楽チン♪
次回はダ・ビンチ・テクノミュージアムを見ていきます。
ちょっとレトロでアカデミックなこの施設。
何気に知的好奇心をソソられますよ!
関連タグ >> 公園
光松八幡神社 一番見たい拝殿の中は見られません
2022年06月08日
野々市の住宅地の一角、木々と狭路の中に隠れるように小さな神社がたたずんでいます。
光松八幡神社(こうしょうはちまんじんじゃ)です。
創建年は不明で、村の鎮守社として祀られてきたごく小さな神社です。
まーね、地味です。
ああ、言われてみればあるね、こんなトコに神社、くらいな地味さ。
でもね行くんですよ。
だって神社大好きなのでーーー!!(←病気)
詳しい縁起についてはこの案内板に書かれています。
ざっくり説明すると、ここには元々白山社って神社があって、そこに明治4年、金谷御殿(かなやごてん・金沢城の一角)にあった八幡神社のご神体を持ってきて合祀されました。
その際、加賀藩の元藩主であった前田斉泰(まえだ なりやす)に大いに尽力いただき、そんな縁で前田家とは深い繋がりがある・・・といった感じ。
なんですけども、実はまだ続きがあります。
そのたった2年後に金谷御殿は神社になっているのです。
それが金沢で最も有名なあの尾山神社です。
これってどうなんですかね?
尾山神社創建のためにあらかじめ八幡神社を追い出した、とも取れるんですけど。
だとすると、なんとなーくキナ臭さを感じますな。
入口にはガツーンと石鳥居。
笠木(かさぎ・天頂の横置きのパーツ)をほのかに上に反らせた明神鳥居です。
日本中の神社で最も目にするタイプ。
記録によると、建てられたのは昭和3年。
前にあった鳥居が破損したので、新しく建て替えたんだそうです。
そしてその撤去した旧鳥居、実はまだ境内の中に見ることができます。
それがこちら。
柱と台座だけの姿になってちょこん。
説明がないと、これが鳥居だったとはまず100%気付けない。
ちなみにこの旧鳥居は安山岩、先に見た新鳥居は花崗岩で作られています。
両者ともマグマが固まってできた岩で、安山岩は地表、花崗岩は地中深くで生成されたものです。
さらに岩石組成にも違いがあって・・・あー・・そんなマニアックな話はどうでもいい??(汗)
そしていよいよ拝殿、となるのですが。
その前にアレがあるのですよ、アレが。
わたくしの大ぁ~い好きなアレが!!
そう!アレ!!
逆立ち狛犬~~~♪♪♪
どぉ~ですか、この後ろ足をぴょこりと蹴り上げた凛々しいお姿!
逆立ちですよ、狛犬が逆立ち。
やっぱ金沢の神社の狛犬は逆立ちしててナンボですわ!(ここは野々市だけど)
逆立ち狛犬。
LOVE~~~♪♪♪
で、改めて拝殿。
・・・・なんだけど。
これがもう素晴らしいくらい残念な状態。
ご覧の通り覆屋(おおいや)ですっぽり囲まれてて、建物の仕立てが全く分かりません。
覆屋とは建物を保護するためのもので、要はカバーです。
これによって建物の持ちがぐっと良くなります。
でもおかげで建物が全~然見えん。
邪魔やーーー!!!
どけてくれーーーー!!!
わし建物が見たいんじゃーーー!!!(泣)
入口もガッチリガードされています。
外が見せてもらえん上に、中の様子も見せてもらえんちゅーね。
寂し過ぎるやろ、この神社・・。
なんでも中には数々の文化財が眠っているそうです。
特に木造の狛犬ってのに興味津々で、ぜひとも拝見したいのですが、ここからはどこにあるのかすら分かりません。
ちなみにこれがその狛犬の写真。
すぐ近くにある野々市市ふるさと歴史館って所で見られます。
うあ!カッコええー!
見たい!
生で見たい!
誰かーーー!!
この拝殿、開けてくれーーー!!!
勝手に入ろかな?(※犯罪です)
拝殿の後ろにはご神体を安置した本殿、その連結部分には幣殿(へいでん)。
いわゆる権現造り(ごんげんづくり)ってヤツです。
注目して欲しいのは床の高さ。
拝殿→幣殿→本殿と進むにつれて高くなっています。
これは神への敬意。
上位の存在である神は、物理的にも上の場所にいるって事を表しているのです。
そんな本殿の下なのですが、ここも面白いのですよ。
床位置を上に上げるために石垣を組んで底上げしてあるんですけどね、この石がまー楽しい。
ご覧の通り様々な色を散らしてあります。
これは明らかに視覚的効果を狙ったものですね。
石種も砂岩、凝灰岩、安山岩と色々。
色を散らすために、色んな場所から色んな石を集めてきたんでしょうね。
いや面白ぇ~な~♪
まあこれ見て面白がるのは、ごく一部の石マニアだけだろうけど(笑)。
一見どこにでーもある神社、光松八幡神社。
実際どこにでーもある、ごくありふれた神社です。
でもね、ソコがいいのですよ。
そのどこにでーもある神社をいかに深掘りして楽しむか?それが神社探訪の面白さなのです!
チョーか~いい~逆立ち狛犬も。
た~まらんわ~~~♪♪
カマナ レギュラーランチ(ポークカレー) まろやか系インドカレーをどうぞ
2022年06月06日
この日はお出かけ日。
朝イチでオイル交換を済ませて、ブルルーっと出発。
現地に着いたらちょうどお昼になったので、まずは腹ごしらえと食べ物屋を物色。
google mapいぢいぢして見付けたのが、インド・ネパール料理のお店カマナ。
店内はテーブル席のみ。
お独りさまなので少々気後れしますが、8人掛けのテーブルに「堂々と」着座。
メニューは一番お得な”レギュラーランチ”を選択し、ルーは6種類の中からポークカレーを辛さミディアムでオーダー。
昼からの歩きまくりに備えて、もりもり元気に食べたおします。
ルーはドロンドロン。
小麦粉によるとろ~んとしたドロ感ではなく、ベジポタ系のザバザバとしたドロ感。
スパイスの刺激はまろやかで、辛さも控えめ。
辛いのが苦手な人やお子様でも楽勝のレベル。
トマトの酸味がほんのり効いてて、イメージ的には野菜煮込みスープ的なテイスト。
豚肉は大粒の物がゴロンと3個。
中心までしっかりと柔らかく、ほろほろとした噛み心地。
肉のうま味がとろりと染み出し、野菜感満点のスープと実によく馴染む。
ナンはバカデカ、野球のグローブサイズ。
外皮はカリカリで、中はふわふわもっちり。
すんと吹き出す、焼けた小麦の香りが優しい。
これをカレーにべっちゃり浸して食べると、ま~美味ぇ~んですわ♪
もちゃもちゃ粘るナンとドロドロ沈むカレーとの対比が壮絶に素晴らしく、噛み噛みするほどに味が膨らみまくる!
どっばどばにあふれ返る味の洪水に、幸せの咀嚼が止まらない!
サラダはほぼ千切りキャベツ。
食感シャッキシャキでフレッシュさ満点。
湧き出す冷たい汁気がたまらなく清々しく、酸味の効いたドレッシングがさらにその心地良さを引き立てる。
ばくばく食べまくって、完食。
カマナのポークカレー。
マイルドさがド直球なカレー。
反面、スパイスギンギンの異国情緒全開なヤツが食べたいーって過激派の人には、やや刺激不足かも?
辛党の人は迷わず辛口でオーダーしてください。
ごちそうさま。
[参考]
・レギュラーランチ:980円
インド・ネパールレストラン カマナ
住所:石川県小松市園町 62
TEL:0761-48-4866
切山城跡 しつこいわ~この城・・・
2022年06月04日
今から400年以上前、加賀(石川)の前田利家(まえだ としいえ)と越中(富山)の佐々成正(さっさ なりまさ)が激しく火花を散らした境界線上にあった城、それが切山城(きりやまじょう)です。
場所は石川・富山の県境くらい、小原越(おはらごえ)と呼ばれる峠道上にあります。
確定資料はないものの、おそらく前田方の城であったと考えられています。
これがね、素晴らしいのですわ。
近年調査の手が入ったおかげできれ~に整備されてまして、誰も来ない(←?)山城らしからぬ分かりやすさ。
シロウトでもはっきり輪郭がつかめるくらい、お城の様子が浮き出ています。
その入口がこちら。
造林作業専用道という事で思いっ切りロープが張られてて、一般車両は進入禁止になっていますが、入っちゃいけないって事でもないらしく、徒歩ならオーケー。
車はこのすぐ手前の路肩がちょっと広くなってるので、そこに置いておけます。
この時点では全然お城感ないですけど大丈夫。
ちゃーんとこの先にありますので、安心して進んでください。
はい出ました、案内板。
入口から3分くらい、意外とすぐ近くにあります。
ただこれ、今だからこんなにあっさり来られる訳で、ふもとから徒歩で来るとなるととんでもない難所です。
なんたって山城ですから。
この城はそんな場所にあるんだという事を念頭に置いておいてください。
お城の全体図。
城域は山の尾根に沿った形で展開され、全体的に細長く、ゆるやかなカーブを描いたような形状になっています。
主郭はほぼ中央にあり、そこを守るように複数の曲輪や空堀、堀切などの防御構造が施されています。
ちょっと専門的な話になりますが、このように曲輪が連続して並べられている構造を「連郭式(れんかくしき)」と呼びます。
一方で見方を変えると、主郭の周囲にぐるりと曲輪を配置する構造にもなっています。
これは「輪郭式(りんかくしき)」と呼ばれる形になります。
つまりこのお城は「連郭式」と「輪郭式」を融合させた、ハイブリッド構造になっているのです。
ここがね、しつこーいのですわ、空堀が。
入っていきなり空堀!空堀!空堀!
空堀の横もさらに空堀!しかも深っ!
みたいな。
これ、なんでこんなにしつこいかと言うと、理由があります。
それはこの先にあるもの。
松根城(まつねじょう)です。
こちらは敵対する佐々成正の城であったと考えられています。
つまりもし佐々方が攻めてきた場合、恐らくはこの城が戦場となるのです。
なので幾重にも堀を巡らし、敵の攻撃に備えてあるのです。
実際現場に立つと分かりますけど、すごいですよ~、緊張感。
うわ!ヤル気満々だ!みたいな。
しつこいけど、再び空堀。
いやね、実際メッチャクチャしつこいのですわ。
お前ら前世モグラかよ!とツッコミを入れずにはおられないくらいのしつこさ。
とにかく空堀だらけ。
でもそんだけ脅威だったって事なんでしょうね、佐々方が。
死ぬか生きるかですからね、一旦戦が始まったら。
こちらは主郭の様子。
主郭とは大将が陣取る場所、つまりお城の心臓部ですね。
ここがきれ~に整備されてましてね、地形がすごく見やすくなっています。
実はこの切山城、平成27年に国の史跡に指定されており、それに先立って詳細な調査が行われています。
その過程で整地が行われたんですね。
なのでご覧の通り曲輪の様子がものすごくリアルに生き返っているのです。
例えばここなんかもそう。
形がはっきりと浮き出ています。
ちょっとあり得ないくらい輪郭がきれい。
恐らく整備前はもっとガッタガタに自然化してたはず。
ただこの先もこの状態が保たれるかはどうか不透明。
と言うか多分再び自然化していく事でしょう。
つまりきれいに整えられている今は、まさに「見頃」。
この時期を逃したら、後で後悔しますよ~!
曲輪と曲輪と繋ぐ土橋。
ここもカッチリ輪郭が浮き出ています。
別にわざわざ橋で繋げなくても曲輪同士をべったり接続させた方が使い勝手いいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、それは違うんですね。
そうすると敵にとっても進みやすくなるのです。
そうなると守るのがキツイ。
でもこうして土橋で足場を限定すれば、敵はここを通ってしか前に進めなくなります。
そこを一網打尽にするのです。
曲輪のヘリにはごぼっと盛り上がりがあります。
土塁ですね。
これが敵の侵入を防ぐための防壁となります。
かつてはこの上に柵も設けられていたはずなので、高さにすれば合計3~4メートルくらいにはなりますかね?
まず突破不可能です。
さらにその先には狭い曲輪が連続してバン!バン!バーン!
これも防御のための仕掛けですね。
この曲輪にも各々防御柵が設けられていたでしょう。
そして敵はこれらをひとつひとつ突破しなければ前に進めません。
しんどいですよ~。
突破したと思ったらまた次の曲輪。
それを突破したと思ったらまた次の曲輪。
これじゃ前に進む気すらも失せますわ。
その曲輪群の先にもこんな仕掛けが。
堀切(ほりきり)です。
ご覧の通り通路をバシッと切り落として、侵入経路を遮断してあります。
これくらい這い上がりゃいいんじゃないの?と思うでしょうが、そんなの無理!
当たり前ですけど守城側は攻撃してきますからね。
こんな所でモタモタやってたら即餌食ですわ。
攻め手にすれば、このわずかな窪みが命取りとなるのです。
こんなスゲーのもあります。
超深っか~~~い堀!
ぱっと見、高低差3メートル近くはありますかね?
と言うか左側の土塁、明らかに経年劣化で低くなっているので、昔はもっと高かったはず。
恐らく本来の高低差は3メートルを越えるものだった事でしょう。
そんな鬼深い堀を真上から見下ろした眺めがこちら。
やっぱ高ぇー!!
堀に並行する形で車道が通ってますが、戦国期にこんなのはありませんでした。
つまり攻めてきた敵は、この堀の底を通る以外に前進するルートがなかったのです。
でもここを通るとどうなるか?
上から落石の雨あられですわ。
しかも堀の底だから狭くて逃げ場がなく、当てられ放題。
『死亡フラグ確定』の地獄ロードです。
この堀を突破してもまだ地獄は続きます。
見て下さいこの急斜面。
これは切岸(きりぎし)と呼ばれる人工の斜面です。
こんだけ角度を付けられると、当然敵は登って来られません。
一方で上にいる守城側は石を落とし放題。
もーどーーーーーにもなりません!
まだまだ紹介したい仕掛けはいっぱいありますが、キリがないのでこの辺で。
いいですよ~ココ。
マジでいいですよ~。
中世の山城の恐怖が生々しく体感できるスーパーホラーワールドです。
どうぞ鳥肌立てて、死ぬ気でご観覧ください。
なお整備されているとは言ってもここは山です。
夏は草ぼーぼー、冬は雪どっさり。
なので季節は春か秋がオススメ。
アップダウンが結構激しいので、できるだけ動きやすい格好でお越しください。
切山城跡
住所:石川県金沢市宮野町
関連タグ >> お城
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