店主たみこの観光案内ブログ

明治の館室木家 母屋内後編 この庭が面白ぇ~♪♪

2022年08月13日

明治の館室木家の庭

 

江戸時代から続く名家の豪邸、室木家。
前回は母屋の半分を見てきました。
今回は残り半分を見ていきます。

 

まずは庭。
簡素でコンパクトな池泉式庭園なんですけどね、しみじみとした味があるんですわ。
情緒にあふれてて、ワビサビ感全開!

 

鶴の形をした池

 

まず見て欲しいのが池の形。
この形、両翼を広げた鶴の姿をイメージしています。
なんで鶴かって言うと、そりゃ長寿の象徴だから。

 

何気にここまでで鶴、2回登場してますが、覚えてますか?
1回目は前々回見た塀垣の下の石垣。
2回目は前回見た仏間の前の部屋の欄間。

 

鶴、好っきゃの~(笑)。

 

亀の頭の形をした石

 

さらにこの池の中央部分、ここにも面白いものがあります。
それがこの亀頭石。
にょきっと突き出た姿がなんとなーく亀の頭に見えるでしょ?

 

鶴亀と言えば永遠と繁栄のシンボル。
つまりこの池には家の永遠の継続と発展の願いが込められているのです。

 

明治の館室木家の庭の三尊石

 

さらに池の左上にはこんな石が。
三尊石(さんぞんせき)です。

三尊石とは、お寺なんかでよく見掛ける三尊像(3体セットの仏像※)を石で表現したものです。
こうして庭に仏の加護を呼び込み、家を守ってもらうんですね。

 

(※釈迦三尊像(文殊菩薩→釈迦如来→普賢菩薩)、阿弥陀三尊像(勢至菩薩→阿弥陀如来→観音菩薩)、薬師三尊像(月光菩薩→薬師如来→日光菩薩)など)

 

奥に向かって盛り上がる傾斜

 

傾斜にも注目。
横から見ると手前が低く、奥が高くなっているのが分かります。
立体感の表現ですね。

 

この庭、奥行が短くてはっきり行ってドン詰まり。
その狭さをこのように高低差でカバーしているのです。
奥を高くする事で遠近感が生まれ、実寸以上の広さとなって目に映るのです。

 

行き止まりの苑路

 

もう一発目に付くのが、この2本の杉。
間には敷石が並べられ、明らかにこの先へと誘導しています。
でもそこには何もない。

 

ここ、昔は祠があったんじゃないですかね?
いわゆる屋敷神というヤツ。
じゃなきゃこの行き止まりの敷石の通路はどう考えても不自然。
とは言え現場にはなんの案内も痕跡もなく、真相は不明。
どうだったんだろうな~~~???(悩)

 

ガラス越しの庭

 

再び室内に戻ると、今度は長い廊下。
庭側にはガラス張りの戸板がずらーりと連続。

 

このガラスがまたタマランのですわ。
画像じゃ分からんですが、表面がうねうねにうねってんのね。
だからここから覗く景色もほんの~りうねって見えて、なんとも深い味わい。
パーフェクトに真っ平らな現代ガラスには出せない、古い時代のガラス独特の風情です。

 

枯山水の庭

 

その長廊下から見える庭の眺め。
こちらは先に見た池泉式の庭とは違って、石と植栽だけで構成された枯山水庭園になっています。
手入れされていないので少々荒れていますが、それでも日本文化の匂いがむんむん漂うシブ~い空気。

 

いいな~、枯山水。
こんな庭のある家での生活、憧れますわ。
維持にカネかかるから貧乏人にゃ絶対無理だけどな。

 

茶ノ間

 

長廊下の途中には茶ノ間と呼ばれる大きな座敷がどん!
今で言えばリビングルームみたいな部屋ですかね。
現在は室木家の大物ぶりを紹介する様々な資料が展示されています。

 

やっぱスゴかったのね、室木家。
二代に渡って代議士を勤め、地域の顔役として働き、八面六臂の活躍をしてたそうで。
しかもメッチャメチャ勉強までしてて。(難しそうな蔵書がいっぱい展示されています)
もうホント、一般庶民とは全然別次元の世界の中に生きてた人なんだなーってのがひしひしと伝わります。

 

寝転んでマンガ読んでゲラゲラ笑ってるわたしとは根本的に思考のレベルが違うわ・・。

 

粗末な階段

 

その先を進むと右手に階段。
ここから2階に上がれます。

 

なんとなーく粗末な印象を受けるのは、この階段、家主が使うものじゃないから。
この上は使用人が住む部屋になっていて、いわば連絡通路みたいなもの。
だから通れりゃいいわ的なテキトーな作りになっています。

 

2階の部屋

 

その先の2階なんだけど、狭っ!
いきなり閉塞感全開。
天井は低いし、壁は汚いし、1階で散々見てきたゴージャス感とは真逆の世界。
使用人たちはこんな中で日々寝起きしていたのです。

 

ツライね~、いつの世も下の身分の人間は。
上の人間が豪奢に生活してわっはっは♪と笑っている影で、下の人間はこうして肩を寄せ合いながら細々と生きているのです。

 

ガンバレー!下の人間ーー!!

 

2階の屋根裏部屋

 

その隣の屋根裏部屋。
これもまた窮屈!

 

なんか物置きっぽい感じですが、多分ここにも人が寝起きしていたと思います。
これだけの屋敷なのでね、使用人も相当数いたはず。
先に見た部屋だけじゃ狭いから、あぶれた人は恐らくここで寝ていたのでしょう。
見るからに夏は暑く、冬は寒そう。
キツかったろうな~!

 

明治の館室木家の正面

 

お金持ちエネルギーをギンギンに放つ豪邸、明治の館室木家。

 

いやー立派ですわ。
惚れ惚れしますわ。
涙出そうですわ。
ここを訪問する時は、そんなザ・お金持ちパワーを存分に味わってください。

 

お金持ち。
バンザイ。

 

 

明治の館室木家

住所:石川県七尾市中島町外 13

TEL:0767-66-0175

ホームページ:七尾市公式サイト

 




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