店主たみこの観光案内ブログ

黒谷城跡 油断して登ると最後に戦慄のイベントが待っています

2022年08月16日

黒谷城跡からの景色

 

ヤバさ満点のお城、黒谷城跡。

 

場所は加賀の山奥。
人の往来は限りなくゼロ。
車で数分ほど走れば山中温泉がありますが、この付近まで観光客が来ることはまずありません。

 

だってコレよ。

 

入口の廃トンネル

 

入口をガーン!と封鎖された廃トンネル。
心霊スポット感むんむん!

 

実際ね、昼なら全然いいけど、夜来たらマジでシャレになりません。
憑かれます。
間違いなく憑かれます。
遊びでも夜は来ないように!

 

黒谷城跡の入口

 

お城への入口はその廃トンネルの右手、このヘコたれまくった階段です。
階段と言ってもほとんど埋没してしまってて、ほぼ土の斜面。
唯一、垂れ下がっているトラロープだけが目印となっています。

 

勇気いるよ~。
おい、おい、おい、こんなトコ突入して大丈夫なのかよ?みたいな。


勇気のある方のみ、覚悟を決めてどうぞ。

 

大きな竪堀

 

そこから所々四つん這いになりつつ、ひたすらよじ登り続けると、右手に巨大な縦溝が現れます。
竪堀(たてぼり)です。
竪堀とは敵の移動を封じるための溝です。

 

これが深いのよ、しかも長いのよ。
掘ったのかよ?これ手で掘ったのかよ?と言いたくなる規模。
あまりのサイズに思わず唖然とします。

 

黒谷城跡の大堀切

 

そのまま進むと今度は大堀切(おおほりきり)。
堀切ってのは敵の侵入を遮断するための溝です。

 

これがまたね、バカみたいにデカいんですわ。
ざっと見、高低差5メートルはある感じ。
これも当然掘ったんですよ人の力で。
地獄の労働量だな・・(怖)。

 

大堀切右側の曲輪

 

そのバカデカい大堀切をエンヤコラと登り、右側に進むと小さな広場が現れます。
曲輪(くるわ・広場)です。
恐らく大堀切右側を守る部隊の待機場所だったと思われます。

 

背後には1本の細道。
攻め落とされた際の退却路でしょう。
そのまま進むと山中城に繋がるそうですが、真偽は不明。
ヒマな人は確認してみてください。

 

黒谷城跡の鉄塔

 

今度は反対の左側を前進。
すると突然、大きな鉄塔が出現します。

 

物見櫓ですね。
戦闘時はここに登り、上空から敵の動向を探ったのです。



・・・ウソです。
お城とは全然関係ありません。(当たり前だけど)
さ、次イキましょ!

 

黒谷城跡の段々

 

ここから先は尾根伝いの道となり、その途中途中にお城の痕跡が現れます。
そのひとつがこちらの段々。

 

トラップとしてはごくささやかなものですね。
せいぜいつまずかせたり歩きにくくする程度。
とは言え、戦闘を想定して考えるとかなり厄介です。
足元を気にしつつ、同時に飛来する攻撃にも対応しなければなりません。
間違ってコケたりなんかすれば、思いっ切り的にされて集中砲火!
地味だけどヤバいトラップです。

 

黒谷城跡の土橋

 

その先を進むと明らかに両端を削られた狭路が出現。
土橋(どばし)です。
こうして足場を狭めることによって敵の隊列を強制的に細くし、そこを狙い撃ちにするのです。

 

さらにこの土橋、仕掛けは足場だけではありません。
土橋直下にももう一発トラップがあります。

 

土橋の脇の竪堀

 

竪堀どーん!
これも敵の足場を奪う仕掛けです。
つまり上にも下にも面倒臭ーい罠が待っているんですね。

 

イライラするでしょうね~、敵。
さっさと前に進んで城を落としたいけどアチコチに鬱陶しいトラップがあって、その度に足止め喰らって反撃されて。
削られて削られて、次にやられるのは自分か?なんて恐怖に怯えながら戦って。


そんなシーンを想像しながら現場を眺めると、結構ブルっとキます。

 

未整備の曲輪

 

そこからしばらく行くと曲輪跡。
草木が生えてて少々不明瞭ですが、ほんのり平地になっているのが確認できます。

 

ただかなり狭くてね、待機できてもせいぜい10人程度。
そんなに重要な拠点ではなかったようです。
それでも曲輪としての防備はしっかり施されており、それは出入口に見られます。

 

曲輪出口の堀切

 

それがこの堀切。
ハッキリと急傾斜になっているのが分かります。
今でこそちょっと傾斜キツめのスロープって感じですが、恐らく昔はもっと露骨な「段差」になっていたはず。
当然簡単には乗り越えられず、敵がドン詰まってモタモタやってる所をズババー!と狙い撃ち。

 

見た目単純なんですけどね。
何気に少人数でガッチリ守れる効果的な仕掛けです。

 

黒谷城跡の切岸

 

その先にもトラップ。
切岸(きりぎし)です。
切岸とは人工的に削った急斜面です。

 

見ての通り、敵は斜面中腹にある細道を通るしかありません。
お城側はそれを見越して斜面上に兵を潜ませておき、タイミングを見計らって隊列の横腹を一斉攻撃。
反撃したくても城兵は手の届かない斜面の上にいるので、一方的にやられるだけ。
成すすべなく、斜面の下へコロンコロン。
完全にバンザイです。

 

城域端からの眺め

 

そこからしばらく行くと、いきなり視界がズバー!
遥か向こうの山まですっきり見通せる眺めのいい場所に出ます。
どうもこの辺りがお城の境界みたいで、この先にはもうお城を思わせる痕跡は見付かりませんでした。

 

って事でUターン。
攻城終了という事で、帰ります。

 

道に迷う

 

が、その途中で想定外のアクシデントが発生!

帰り道が・・・分からん・・。

 

遭難した・・・・(汗)。


しばらくウロチョロしたけど、どこをどう通って来たのかさっぱり分からず、完全に迷子。
道を聞こうにもここは山の中。(そもそも道を聞く相手もいないけど)

ただ幸いにも携帯の電波が届いていたので、google mapで現在位置を確認しつつ方向だけを頼りに藪の中を力ずくで突き進みました。
間違っていない、方向的には間違っていない、と信じつつ進みました。
その途中。

 

二連の空堀

 

偶然空堀発見~♪
それも二連になってる手の込んだヤツ。

 

ふっふっふ・・・転んでもタダじゃ起きねーゼ。
これぞザ・山城クエスト魂!!!

 

まあその前に遭難すんなって話なんだけど(笑)。

 

 

その後元来た場所に無事に生還。
なん~~~とかガチの遭難にはならずに済みました。

 

い~やヤバかった。
マジでヤバかった。
未整備の山城には何度も行ってるけど、遭難したのは初めてだわ。
こんな事もあるんだな~(怖)。

 

スタートもラストも恐怖続きだった黒谷城跡。
ここを登る時は本当に気を付けてください。
自分がどこをどう通ったかしーーかり記憶しながら進み、間違っても遭難しないよう十分ご注意を!

 

 

黒谷城跡

住所:石川県加賀市山中温泉東町(※このマップのピンの位置は本来の場所からちょっとズレてます)

 




エリア >> 石川県 > 加賀市 > 山中温泉 > 東町

 

関連タグ >> お城 

 


コメントをする

 

 

 

山中温泉の最新記事一覧

国分山 医王寺 聖母マリア様?に会えるお寺

2023年05月20日

山中の温泉街から徒歩圏内、西側の山裾にちょっと目立つお寺があります。医王寺(いおうじ)です。宗派は真言宗。天平年間(72・・・

カテゴリー:観光名所

赤岩城跡 恐怖の未整備山城の終着点に待つものとは?

2022年12月24日

山城巡りは山登り。そんな格言(※注:わたしが考えた)を実感させてくれるのが、ここ赤岩城跡です。もーね、山ですわ、山。ザ・・・・

カテゴリー:観光名所

鶴仙渓 超絶の癒しシャワーで心を洗濯

2022年11月19日

鶴仙渓(かくせんけい)。山中温泉のすぐ近くにある渓谷の名前で、散策用の遊歩道が整備されたザ・お散歩ストリートです。癒され・・・

カテゴリー:観光名所

柴田の付城跡 狭いけどなかなかに恐怖密度の高いお城

2022年10月11日

山中温泉の西側、歩いて行ける低山上にあるお城が柴田の付城跡です。柴田ってのは柴田勝家(しばた かついえ)の事で、この城を・・・

カテゴリー:観光名所

手作り餃子 長樂 焼きめし+焼きぎょうざ 値段高めだけどクオリティも高っ!

2022年09月13日

この日は山登り。登る!登る!えっさほいさと登りまくる!疲れた~~~。下山したらちょうどお昼。メシ食うべ~と付近のお店をグ・・・

カテゴリー:グルメ

黒谷城跡 油断して登ると最後に戦慄のイベントが待っています

2022年08月16日

ヤバさ満点のお城、黒谷城跡。場所は加賀の山奥。人の往来は限りなくゼロ。車で数分ほど走れば山中温泉がありますが、この付近ま・・・

カテゴリー:観光名所

芭蕉の館 2階 重箱の隅をつつくように隠れた意匠を見つけ出せ

2022年07月16日

元旅館の別邸だった芭蕉の館。現在は芭蕉の事績を紹介する施設となっています。芭蕉や俳句もいいんですけどね、わたし的には断然・・・

カテゴリー:観光名所

芭蕉の館 1階 貧乏人には目に毒だゼ・・・

2022年07月13日

山中の温泉街のほぼ中央にある芭蕉の館。かつてこの地を松尾芭蕉(まつお ばしょう)が訪れたことにちなんで作られた施設です。・・・

カテゴリー:観光名所

山田食堂 カツ丼ミニうどんセット 期待通りの王道味に満足

2022年07月04日

この日は山中温泉界隈を放浪。ひたすらアッチふ~らふら、コッチふ~らふら。気付いたらそろそろお昼に近い時間。よーし昼からの・・・

カテゴリー:グルメ

あやとり橋

2018年09月10日

鋭く切り立った渓谷にうねるように伸びる赤。ここは「あやとり橋」。すごいでしょ、これ?橋なんて真っ直ぐ架けりゃいいのに、な・・・

カテゴリー:観光名所


 

新着記事

>> 記事一覧