店主たみこの観光案内ブログ

上田城 東虎口櫓門◆上田城最大のクライマックスを思いっ切り楽しむ!

2020年11月25日

上田城 東虎口櫓門

 

並みいる歴史ヒーローの中でも抜群の人気を誇る真田幸村。
そんな幸村伝説の原点とも言えるお城がこの上田城です。

 

とは言え、残念ながら今ある城跡は幸村在城時のものではなく、その後入ってきた仙石氏が整備したもの。
真田氏時代の上田城の様子については資料が少なく、今もよく分かっていないそうです。
なので、へ~ここが幸村のいたお城か~、なんて思っちゃうと少々実態からはズレてしまいます。

 

の、ですが。
大丈夫、大丈夫。
まー細かいコトを抜きにすれば(←?)、このお城、面白さ満載。
全然退屈しません。
一気に解説すると長くなるので、今回は東虎口櫓門を見て行きます。

 

真田石

 

まずは真田石。
城門右手にガーン!とそびえています。

 

これは一般的には鏡石と呼ばれるもので、その城の主の権威や力を象徴するものと言われています。
要するに、この石が大きければ大きいほど「スゲー殿さま」がいるって事になるのです。

誰が決めたルールか知らんけど。

 

鏡石はこのお城だけに限らず、日本全国色んなお城で見られます。

 

金沢城の鏡石

 

参考までに金沢城ではこんな感じ。
大手門の石垣で見られます。
ほぼ大人の背丈ほどもある大きな石がガーン!

 

重機も何もない戦国・江戸時代。
こんなの運んで設置するの大変だっただろうなーって感じなのですが。
だからこそこれが権力の象徴となったのです。

 

門上の鉄砲狭間

 

その上をひょいっと見上げると、分かりますかね、土塀に穴が空いているのが。
これは鉄砲狭間と呼ばれるもので、敵兵を狙撃するための穴です。
縦に攻めてくる敵に対して、この穴から側面攻撃を仕掛けるんですね。

 

え?1個で足りんの?って感じなのですが、この土塀は復元。
多分かつての塀にはもっといっぱい空いていたと思われます。

 

上田城東虎口櫓門の扉

 

門の柱はゴッツリ極太。
敵兵を食い止めるための門ですからね、当然柱も頑丈にできています。

 

とは言え、この門も復元です。
戦国時代そのままのものではありません。
ただ復元するに当たり、恐らく残された礎石を元に柱の太さを逆算してあると思われますので、雰囲気としてはほぼ当時のものに近いと考えて間違いないでしょう。

 

ここでちょっと気になるのが防火対策。
ほぼ木がむき出しの構造になってますが、これって火攻めに遭ったら一発じゃないですかね?

 

姫路城ぬの門の扉

 

例えばこれは姫路城の「ぬの門」。
ご覧の通りガッチリ鉄板で全面カバーしてあります。
こうして鉄で覆う事で防火性能を高めるとともに、鉄砲による攻撃にも備えるんですね。

 

上田城東虎口櫓門の昔の写真

 

で、実際どうなってたかと言うと、写真が残ってます。
それがこれ。

 

これは明治初期の姿。
ボロッボロですな。

 

白黒なのでイマイチ判別しにくいですが、やっぱり門は木の素肌がむき出しになっていたようです。
残念ながら扉の様子は確認できませんが、恐らく同じような感じだったでしょう。

 

上田城。
攻めるなら火攻めだな。(←攻めるのか?)

 

門上と櫓への入口階段

 

門は左に南櫓、右に北櫓、その間を櫓門が連結する構造になっています。
櫓内部は見学可能。
門を抜けた先、左側に登り口があります。
早速見て行きましょう。

 

南櫓

 

まずは南櫓。

 

この建物は江戸期のものですが、隣の北櫓と一緒に一時期城外に移築されていました。
なんでも遊郭として使われていたんだそうで。
それが出戻り再築されたのが今のもの。
なのでよく探すと、その痕跡が残っています。

 

南櫓の桟の跡

 

分かりますかね、桟の跡。
恐らくここに襖が取り付けてあったのでしょう。
櫓に襖なんて必要ないので、これは明らかに遊郭時代の名残り。
この襖をすぱーんと開けて、素敵なおねーさま達が登場したのです。

 

うーん・・・・。
その頃に来たかった・・・。(←?)

 

壁にある斜めの補強柱

 

もうひとつ面白いのが壁にある斜めの柱。
補強材ですね。
これはお城現役時代のものではなく、恐らく移築後に取り付けられたものでしょう。
木肌を見れば新しさが違うのがはっきり分かります。

 

なんたって元が江戸時代のものですからね。
そりゃアッチもコッチも傷んだり弱ったりしますわね。
ある程度オリジナルの姿が損なわれるのは仕方ないですわね。

 

東虎口櫓門の内部

 

その南櫓の隣が、さっき見た櫓門の上部。

 

先述の通り、この櫓門は復元です。
建造はごく最近の平成6年。
なのでご覧の通り木肌がぴっかぴか。

 

でもいい味出てますよね。
ぶっとい梁がガーンと渡ってて、粗暴な垂木がガツガツと並んでて。
お城の建物らしい武骨感でいっぱい!

 

東虎口櫓門からの眺め

 

そんな櫓門から見下ろした眺めがこちら。
手前に水堀が通り、その上に橋を渡してあります。
なので敵兵がいくら大軍で押し寄せて来ようとも、この橋がボトルネックとなり、門の前にはごく少数の兵しか進めません。
そのわずかな兵をここから鉄砲で狙い撃ち。

 

城攻め。
怖ぇ~~~!!!

 

北櫓

 

最後に北櫓。
こちらも南櫓同様、江戸期の建物。

 

中に入るとテレビが設置されていて、上田城の歴史を簡単に解説してくれます。
上映時間は確か15分だったかな?
ちょっと休憩がてら見ていくにはちょうどいい時間設定。

 

この案内映像、内容的にはかなりさっぱりしてますが、反面すごく分かりやすくできています。
上田城は初めてとか真田氏の概要よー知らんって人には、多分ちょうどいいボリューム。
時間があればぜひ見て行ってください。

 

北櫓の2階内部

 

こちらは2階。
やっぱり現代になって復元された櫓門とは全然違いますね、貫禄も重みも。
これぞホンモノの江戸時代なんだぞー!みたいな雰囲気でいっぱい。

 

あと400年くらいすると櫓門の方もこんな感じになるんですかね?
でもその頃にはこの北櫓はさらにもっとカッチョよ~く古臭さを増してるはず。
400年後の両者の姿も見てみたいな~♪

 

生きてねーけど(笑)。

 

上田城東虎口櫓門の正面

 

上田城の顔とも言える東虎口櫓門と南櫓・北櫓。
見てるだけで興奮ボルテージヒートアップMAX全開です。
鼻息ふーふー鳴らしながら隅から隅までじぃーーーーーっとご見学ください。

 

次回はこの門の先にある真田神社を見て行きます。
小さな神社ですが、常時多くの参拝者がやって来る人気の神社です。
色んな遊びの要素なんかもあって、面白いですよ~。

 

 

上田城

住所:長野県上田市二の丸 4-6

TEL:0268-23-5135

ホームページ:上田城跡公園公式サイト

 




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