上田城 上田招魂社◆忍者になりたいヤツ!カモーーン!!
2020年11月30日
上田城内には真田神社と共に、もうひとつ神社があります。
それが今回紹介する上田招魂社です。
招魂社とは戦没者を慰霊するための神社で、石川県で言えば石川護国神社がそれに当たります。
場所は本丸の裏側。
堀を挟んだ先にあり、ぐるーっと回り込まないとたどり着けません。
そのせいか人でにぎわう真田神社に比べて、こちらは人もまばら。
ちょーっと寂しい。
まずエントランスを飾るのがこちら。
左右に石柱が1本ずつ。
通常ここには一の鳥居が建つんですけどね、この形は少々イレギュラー。
なんか理由でもあるんですかね?
で、そこを通るとその先にようやく鳥居。
一般的にこの位置の鳥居は二の鳥居になるのですが、この神社は本来の場所に一の鳥居がありませんからね。
これが一の鳥居って事になります。
形は真田神社と同じ靖国鳥居。
靖国と言えば東京の靖国神社を思い浮かべると思いますが、あの神社も元々は招魂社です。
ここに靖国鳥居が建っているのはそういった繋がりからなのでしょう。
その鳥居をくぐった先にある拝殿がこちら。
入母屋平入、反りの入った屋根がしゃきっと伸びるシャープなマスク。
印象としては正直地味めですね。
豪華な飾り金物もなく、派手な正面破風もなく、サイズもそれ程大きくなく。
スタイリッシュさをほとんど意識してない、こざっぱりした印象。
拝殿内部の様子です。
ひと間の大きな空間を取り、その奥に祭祀のための神棚。
神棚の前には注連縄が下げられ、神域を厳かに結界しています。
もう少し神具とか太鼓とか神輿とか色々置いてあると思ってたんだけど、意外とガラーンとした感じ
そもそもが明治時代創建の神社ですからね。
まだ歴史が浅いですわね。
これが創建500年・1000年クラスの神社ならまた違ったんでしょうが。
その拝殿の左側、境内内部にこんな石碑が建っています。
これ結構サイズが大きくて、3メートルくらいあったかな?
碑には戦争で命を落とした人達への鎮魂の言葉が刻まれています。
これがこの神社で一番戦争と関係あるっぽいものと言えますかね?
石川護国神社なんかだともっと戦争!戦争!戦争!って感じで、戦争という歴史をガンガン前に出してくるんですけどね。
戦争に関するものと言えば、こんなのもあります。
カエルちゃん。
カエル=帰る、と言葉の引っ掛けの様ですが、実際そういう意味が込められています。
故郷に帰りたくても帰れなかった(つまり戦死した)英霊たちを弔うために奉納された像です。
一見かわいいカエルちゃんなんですけど。
そういう思いを意識して見ると、ちょっとなんか悲しい気もしてきますね。
拝殿右側には赤松小三郎記念館。
赤松小三郎(あかまつ こさぶろう)?誰?って感じなのですが、幕末の兵学者・政治思想家です。
この地で生まれ江戸に上り、洋兵学や航海、測量などを学びました。
あの勝海舟の従者だった事もあるそうです。
しかしその先進的過ぎた姿勢があだとなったのか、最後は薩摩藩の刺客に暗殺されてしまいました。
記念館は2棟からなっていて、こちらはその1棟。
土蔵ですね。
中には小三郎の略歴などがパネルで紹介されています。
ただわたし的には、展示の内容よりもこの土蔵の方が気になるんですよね~。
これって初めからここにあったものですかね?
それともどっかから持ってきた移築ですかね?
多分移築っぽいんだけど、だとしたらどこから持ってきた何の土蔵だったんでしょうね?
小三郎よりも、むしろそっちの説明をちゃんとして欲しい・・。
喰いつき所変??(笑)
もうひとつの部屋がこちら。
こちらは社務所の一角を間借りしたような格好になっています。
中はやっぱり小三郎の紹介や、当時の時代背景なんかを説明したものが色々展示されています。
時代が幕末なのでね、まだ色々な資料や遺物が残ってるみたいで、結構細かく解説されています。
細か過ぎていちいち読み切れんわいってくらいどっさりイロイロ。
赤松小三郎記愛高ぇーなー(笑)。
最後に妙なものをもうひとつだけ。
真田忍者修練所。
なんでもここで訓練を積んだ人は、真田忍者の免許皆伝を受けられるんだそうで。
この施設を使って手裏剣や吹き矢の練習ができます。
どんな事やるんですかね?
やっぱ手裏剣投げたり吹き矢吹いたりするんでしょうね。
正直ちょっとやってみたかったのですが、受付が不明。
どこで受付やってんでしょう?
アレやコレや色々詰め込まれてて、結構カオスになってる上田招魂社。
上田城人多いし、ちょっと静かな所行って一休みしたい~って人にはちょうどいい場所です。
ああこんな所もあるんだなー、くらいな感覚でぜひ遊びに来てみてください。
上田城編、次回は最終回、ここまででまだ紹介してない城内の様子を見て行きます。
江戸期の遺構である西櫓やこの城を鉄壁にせしめた尼ヶ淵(あまがふち)、そして陰陽道思想の痕跡である隅落とし(すみおとし)。
まだまだ見所一杯ですからね~!
上田招魂社
住所:長野県上田市二の丸 4-6
関連タグ >> 神社 お城 上田城
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