店主たみこの観光案内日記

泉鏡花記念館

2019年03月05日

泉鏡花記念館

 

尾張町の通りをちょっと浅野川方向に入ったところ、久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)のすぐ前に泉鏡花記念館はあります。

 

この施設がこの場所にあるのには実は大事な理由がありまして。
なんとここ、泉鏡花の生家があった場所なんです。
生家自体は残念ながら明治の火災で焼失したそうですが、その後建てられた邸宅を増築・改修し、1999年に泉鏡花記念館としてオープンしたのです。

 

入口の前には鏡花の親子像。
一見すると鏡花とその子供の像かと思ってしまいますが、実はその逆で、子供の方が鏡花なんだとか。
だまされたらダメよ(笑)。

 

あっと、泉鏡花って知ってます?
小説家です。
代表作は「義血侠血」「高野聖」など。
男女の恋愛とおどろおどろしい怪奇な作風が魅力だそうですが。
すみません、わたしひとつも読んだことありません。(←おいっ!)

 

生まれは明治6年。
金沢市の下新町(しもしんちょう)、まさにこの記念館のある場所で産声を上げました

 

父は彫金師。
母は能役者の娘。
なんかおカタそうですな。

 

鏡花の生涯に及ぶ性格を決定付ける事件が起こるのは、鏡花9歳の時。
母親が次女やゑ出産後に産褥熱のため急遽します。
まだ幼かった鏡花には相当ショックだったでしょうね。
母の愛情に飢えた鏡花は、この後大人になってもずっと母への想いを募らせることとなります。

 

やがて鏡花16歳の時、運命を左右する大きな出会いに遭遇します。
尾崎紅葉の小説『二人比丘尼色懺悔(ににんびくにいろざんげ)』です。
どんな小説かと言うと・・・・すみません、読んだ事ないです。(←おいっ!)
鏡花はこの作品の影響で文学者を志したそうです。
その後紅葉の弟子を志し上京。
でもいざ紅葉の元を訪ねようという段階になってしばらくの間どーしよーかー?どーしよーかー?と散々考え、考え、考え、考え。
1年も経ってようやく意を決して紅葉宅の門をたたき、晴れて初の内弟子として迎え入れられたそうです。

 

結構優柔不断なのね(笑)。

 

紅葉の師事を受けた鏡花はメキメキとその頭角を発揮。
「夜行巡査」「外科室」といった作品が高く評価されることで、小説家としての基盤をガッチリと固め。
その後の活躍へと繋がっていくのです。

 

そんな鏡花の足跡をたどることができるのが泉鏡花記念館。
彼のたどった生涯や執筆に使われた生原稿など、興味深い資料が数多く展示されています。
館内は大きく常設展示室と企画展示室のふたつに分けられ、さらに有識者のインタビューなどを収めたミニシアターなどもあります。



金沢が生んだ偉大な文人泉鏡花。
全国的には少々マイナーかもしれませんが、残した功績は絶大。
訪問の際にはぜひその人間性と作風に触れてみてください。

 

すぐそこにある浅野川沿いには滝の白糸像があります。
この像は鏡花の作品「義血侠血」に登場するヒロイン滝の白糸をモチーフにしたものです。
ちょっと足を伸ばせば徒歩で行ける距離にありますので、こちらもぜひ見に行ってみてください。

 

 

泉鏡花記念館

住所:石川県金沢市下新町 2-3

TEL:076-222-1025

 




エリア >> 石川県 > 金沢市 > 下新町

 

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