店主たみこの観光案内ブログ

久保市乙剣宮 お稲荷さんがピンチなんです!

2020年05月23日

久保市乙剣宮

 

金沢出身の文豪泉鏡花(いずみ きょうか)。
明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家です。
そんな鏡花と縁の深い神社があります。
久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)です。

 

鏡花の生家があった場所は現在泉鏡花記念館となっている、このすぐ向かいにあります。
歩いて10秒。
それゆえ幼少の頃はよくここで遊んでいたそうで、小説の舞台なんかにも使われています。

 

正面の鳥居

 

入口にいきなりずどん!とそびえるのがこの石鳥居。
形は笠木(天頂に渡されたパーツ)の両端を上にすらりと反らせた明神鳥居。
開口部の広い大鳥居で、堂々とした風格で参拝者を出迎えます。

 

・・・その足元には看板。
この位置、ほぼ一年中なんかかんか看板が立ててあるんですわ。
写真的に邪魔だ~(笑)。

 

久保市乙剣宮の拝殿

 

鳥居を抜けた先にあるのが拝殿。
神社自体は小さくてもうひとつぱっとせんのですが、この拝殿がなぜかやけにイカスのですよ。

 

屋根がいいですわね、ずっしりと貫禄満点。
建物に対して大振りにかぶせられたひさしが力強い迫力を生み、ゆったりとした反りがうねるような躍動感を生み。
表面に葺かれた銅板瓦が深い緑を放って、幽玄な神威で社殿を包む。

 

千木(ちぎ・屋根の上端にある長い棒)も存在感ありますね。
空に向かって伸びる真っすぐな直線が、そのまま天界へと繋がっているようで。
なんだかその先の神様にまで繋がっているような神秘的なライン。

 

拝殿内部

 

内部はこんな感じ。
手前から拝殿→幣殿(へいでん)→本殿。

 

拝殿の天井は、画像では切れてて見えませんが、折り上げの小組格天井(こぐみごうてんじょう)になってます。
上々級とも言える格式。
さらに梁に大きな丸鏡を飾り、神殿としての威厳を堂々と表現。

 

その奥にある幣殿は段を一段高くして、拝殿よりも一格上の場である事を強調。
天井には太く力強い梁を渡し、両サイドの窓からは神々しい陽光を差し込ませ、まるで神の世界へと続いていくような幽想な空間を形成。

 

そして最奥に本殿。
こちらは扉が閉ざされてて中の様子が全然見えませんが、ここにいるのですよ、神様が。
う~~~ん、中はどうなってんだろ??

 

開けて♪(笑)

 

お稲荷さん

 

拝殿の右側奥に進むと、やったら古いお社(やしろ)があります。
赤い鳥居で分かる通り、お稲荷様のお社。

 

これがもうすごーくボロボロでしてね、老朽感ハンパない。
建ててからどのくらい経ってるんですかね?
情報が全くないので不明です。

 

お稲荷さんを横から

 

横から見るとこんな感じなんですが、どうです?ナンか気付きません?
前半分と後ろ半分、明らかに違います。
屋根の造りも壁の造りも違うし、そもそも土台にハッキリと境目が確認できます。

 

この建物、元々は後ろ半分だけだったんでしょうね。
で、後から前半分を付け足したと。
前半分だけ付け足した理由は、恐らく社殿を雨風から守るためでしょう。
でもその付け足した前部分も経年の劣化で傷みまくり、あちこち修繕のツギハギだらけ。
こりゃ一度大修理が必要ですな。

 

久保市乙剣宮のケヤキ

 

そんなお稲荷さんのすぐそばに立派な老木が立っています。
こちらはケヤキ。
金沢市の保存樹として指定されています。

 

樹高約20メートル。
樹齢は不明ですが、大きさから言ってどうでしょう、200~300年くらいは経ってるんじゃないですかね?
触っちゃいけないのか周囲にロープを張り巡らし、神社の神木として大事に扱われています。

 

久保市乙剣宮の裏口

 

境内の一番奥まで行くと、ひっそりと裏口があります。
この裏口を出た所にある下り階段が、以前このブログでも紹介した「暗がり坂」です。
かつてこの辺りに住む旦那衆が、この階段を使って下にある茶屋街にコソコソと通ったんだとか。

 

別に堂々と行きゃいいと思うんですけどね。
と言うか堂々と行ってたでしょうし。
なんとな~く感じる抜け道的な雰囲気が、そんな伝説を生んだのでしょう。

 

狛犬と拝殿

 

狭いけど、細かく見ると色々面白い久保市乙剣宮。
静かでいい場所です。
時間をかけてじ~~くりご参拝ください。

 

暗がり坂を下りると、明治期の旦那衆が通った主計町(かずえまち)茶屋街
狭い路地に明治・大正・昭和の古い町家建築がぎっしり建ち並ぶ、ノスタルジックムードむんむんのエリアです。
歩いているだけで、なんだか古い日本の空気を吸っているような不思議な気分が味わえます。
ここも忘れずに立ち寄ってくださいね!

 

 

久保市乙剣宮

住所:石川県金沢市下新町 6-21

TEL:076-221-2894

ホームページ:石川県神社庁公式サイト

 




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関連タグ >> 神社 

 


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