尾小屋マインロード 命懸けで掘った先人の偉業を見よ
2022年08月30日
明治期から昭和初期にかけて稼働していた尾小屋鉱山(おごやこうざん)。
その実際の坑道を見学用に整備した施設が、尾小屋マインロードです。
マイン(mine)は英語で鉱山、ロードは道(road)。
ふたつ合わせて「マインロード」。
ここが素敵なんですわ。
なんたってガチの坑道ですんでね、リアリティ全開!
ヤバイくらいの生々しさです。
坑道の全体図はこんな感じ。
昔はグルリと周遊できたようですが、今は半分くらいしか見学できません。
見れないとなるとますます見たいですわね、昔の見学路。
ちょっとムズムズしちゃう所です。
どーしても見たい!って人は、前回紹介した尾小屋鉱山資料館に行けば映像で見られます。
それで涙を飲んでガマンしてください。
入口。
どーよ、この別世界感!?
まるで秘密の研究施設にでも入って行くかのような雰囲気。
ミステリアス感いっぱいです。
しかもサプライズはこれだけじゃありません。
この先数メートル進むとそれは表れます。
急~に下がる温度。
ハンパなく涼しくなります。
何でも年間を通じて14度程度なんだとか。
ハッキリ言って寒いです。
身震いするくらい。
寒いのが苦手って人はカーディガンか何か羽織るものを用意した方が無難かもしれません。
天井からはポタポタと水滴。
地下から湧き出したものですね。
地下水ってね、結構やっかいらしいですよ。
トンネル工事なんかでも大問題になるそうです。
水は溜まるんでね、ちゃんと排水しながらじゃないと掘り進められない。
坑道掘削当時も、きっとこの水には相当悩まされた事でしょう。
坑道内には所々掘削の様子を紹介するジオラマが展示されています。
こちらはそのひとつ、ボーリング作業の再現。
ボーリングというのは穴開けです。
本格的に穴を掘り進める前にこうして細い穴を開けてサンプルを採取し、その先にある鉱物の状態を確認したのです。
そりゃそうでしょうな。
ただやみくもに掘って何も出なかったら意味ないし。
こうやって慎重に掘削先の岩質を検討し、より効率よく鉱石を採取したんですね。
その次に行われるのが発破。
ダイナマイトを詰め込んでドカーン!と爆発させるヤツです。
なんともダイナミック!
でも崩落とかしないんですかね、ダイナマイトなんか使って。
そんな乱暴な事したら天井がガラガラ落ちてくる気がするんだけど。
実際そんな失敗もあったんじゃないかな?
まさに命懸けですな!
砕いた石はこうして掻き出して、トロッコに乗せて貯鉱井(ちょこうい)へと運ばれます。
そしてそこから順次出荷、となるんですね。
どの作業もキツそうだな、肉体的にも危険度的にも。
死人もきった出たんでしょうね。
根性ナシのわたしにゃ絶対無理ですわ!
ついでに岩肌も見てみてください。
典型的な凝灰岩です。
凝灰岩とは火山灰が降り積もって固まった岩石。
元々が灰なので固着が弱く、手で簡単に崩せます。
しかもここの岩は水分を多く含んでいるのでさらにボロボロ、ちょっと引っ掻けばあっけなく剥げ落ちます。
迷惑にならない程度に表面をカリカリやってみて下さい。
200メートルほど歩くと行き止まり。
この先にも坑道は続きますが、見学はここで終了です。
どうなってんですかね、この先?
興味深々!
入ってみたいな~。
まあ穴が延々と続くだけなんだけどさ。
実際に使われていた坑道を見学できる尾小屋マインロード。
楽しいですよ~、めちゃめちゃミステリアスで。
なんかゲームの世界に入ったみたい。
どうぞ冒険者にでもなった気分歩いてください。
運が良ければスライムくらいには会えるかもしれません。(※会えません)
そしてその帰り。
道の途中にある十二ヶ滝へ。
尾小屋マインロードへの経路上にある滝です。
ここも凝灰岩。
それを川がコツコツと削り取って、現在の形が生まれました。
で、見て欲しいのは滝じゃありません。
河原に落ちてる石コロ。
鉱石発見~♪
ごくごーく少量ですが、表面にキラキラした粒が確認できます。
多分黄銅鉱(おうどうこう)、銅の材料です。
楽しいな~、河原。
こんなのが拾えるからたまらない。
河原は石マニアにとって最高最強のパラダイスです!
・・・・と思うようになったら完全に病気だけどな・・。
尾小屋マインロード
住所:石川県小松市尾小屋町
関連タグ >> 美術館・博物館 尾小屋鉱山
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