
旧橋本家住宅 ここに人間が住んでたのが信じられない
2025年05月24日

大野のえっれ~山奥に、江戸中期頃の茅葺民家が残されています。
旧橋本家住宅です。
時代感スゴイのよ、ココ。
紙芝居の昔話に出てくる家がそのまんま目の前に出てきたかのような、まさに「昔の家」。
頬ずりしたくなるほどの(←?)素敵さです。

内部の間取りはご覧の通り。
入口に「はくもんば」という土間、その右手に「うまや」。
中に入ると右半分が「にわ」と呼ばれる土間になっていて、やや右よりに囲炉裏。
左半分は板間の部屋が2つ。
質素、質素、超ぉ~質素。
こんなんで冬耐えられるの?ってくらい、寒々しい~内装となっています。

家に入る前に、まず軒下チェック。
屋根を支える骨組みが荒縄で固定されています。
これ、白川郷の合掌集落なんかで使われている「釘を使わずただ乗っけただけの屋根」ってヤツですかね?
縄と屋根自体の重みのみで固定し、そこから生まれる柔軟性によって強風の揺れに耐えるという構造。
ここも白川郷と同様、雪深いですからね。
きっとこの建て方が最も合理的だったのでしょう。

茅葺の断面はツートンカラー。
これは恐らく葺き替えの回数を物語っています。
この家、旧家主の橋本さんから市に寄贈された後、昭和48年に移築・復元されています。
その時恐らく全面的に葺き替えを行ったのでしょう。
その後平成29・30年に一度修繕を行っており、その際屋根の葺き替えも合わせて行われたものと思われます。
通常茅葺の葺き替えというのは1/3ずつ行うものなので、下1/3のみが新しいものに葺き替えられ、上下で色の違いが生まれたのでしょう。

そしていよいよ室内へ。
中央に囲炉裏を置き、土間が広がるガラ~ンとした光景。
土の冷たさがなんとも印象的。
ここね、意外と空間が広いんですわ、天井なんかも高いし。
その大容積にこのちっぽけな囲炉裏ひとつ。
これじゃちょっと冬場キツそうだな。
雪なんか降ったらそれこそ地獄ですわ。
想像しただけで凍り付きそう。

入口右手のうまや。
その名の通り馬を飼うスペースです。
これは多分、「田馬(たうま)」の痕跡でしょうね。
田馬とは冬の間に自分の家で馬を肥育し、夏場になると平野の農家に貸し出すというものです。
産業の少ない山村では、これが貴重な収入源となっていました。

パチパチと囲炉裏を焚く管理人。
これ、決して見学者向けのパフォーマンスではなく、建物の維持のためにやっています。
茅葺屋根というのはこうして囲炉裏の煙でいぶしてやらないと、腐ったり虫に食われたりして速攻痛むのです。
なのでこうして週1回、囲炉裏を焚きに来ているのです。
だから。

ほーら真っ黒。
室内真っ黒けっけ。
これが囲炉裏が生きている建物の本当の姿。
時々古民家を見学する際、囲炉裏があるのにぜんぜん黒くないピッカピカな建物を見掛ける事がありますが、あれはウソ。
あんな訳ない。
本来囲炉裏のある部屋というのは、こうしてススで真っ黒に汚れているのが当たり前なのです。
囲炉裏のある部屋を見学する時は、そんな視点も持ってチェックしてみてください。

座敷その1。
板間の上にむしろを敷いただけのビンボー臭い部屋。
実際こんな感じで使われてたんでしょうね。
なんか見てるだけで寒々しい。
これも冬場厳しかったろうな~!

座敷その2。
こっちも寒々しい。
隙間だらけで、風がびゅーびゅー吹き込みそう。
ここ山奥だよ。
大野ってメチャメチャ雪降るんだよ。
そんな中、こんな部屋で本当に冬を過ごせたのかね!?
どーーー考えても無理!無理!無理!
いやー現代に生まれて良かった・・・。

古さが素敵な反面、冬を想像したくない旧橋本家住宅。
しつこいけど信じられん。
こんな家でどうやって生きていくんだよ。
夏場だけの別荘ならまだしも、冬もここで生活してたんだよ。
凍死してまうわ!
昔の人の過酷な生活環境に。
戦慄。
関連タグ >> 古民家 古建築
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