赤岩城跡 恐怖の未整備山城の終着点に待つものとは?
2022年12月24日
山城巡りは山登り。
そんな格言(※注:わたしが考えた)を実感させてくれるのが、ここ赤岩城跡です。
もーね、山ですわ、山。
ザ・山!
ひたすら登るだけです、ひ・た・す・ら。
この城を見学したい人は頑張って登ってください、ひたすらーー!
そんなザ・山な赤岩城跡の入口がこちら。
墓地。
案内の看板とかそんなのは何もありません。
あるのは墓地のみ。
ここをズカズカ侵入します。
たまたま墓参りしてたばーちゃんがいて、思いっ切り「お前なんじゃ?」的な目で見られましたが、なーに気にしない。
ズカズカ侵入します!
その先、鉄柵を越えて(この日は開いてたけど閉まってる時もあるらしい)すぐの脇道を右折、ここから本格的に山登りになります。
激急斜面の道を登る!登る!
途中から段々雑草が増えて怪しくなってきますが、まー構わない。
ひたすら登る!登る!登りまくる!
ぶっちゃけね、不安になってきますよ。
こんなひでー思いして、ホントにこの先に城あるのかな?的な。
でも大丈夫。
15分くらい(だったかな?)登った所で空堀登場~!
道の左側に現れます。
ちょっと分かりにくいっちゃ分かりにくいんですけどね。
でもよくよく観察すると、川や水が流れている訳でもないのに一直線に溝が走っています。
地形として明らかに不自然。
100%人の手による造成です。
さらに進むと、今度は竪堀(たてぼり)。
先に見た堀が通路に対して平行に掘られている(横堀)のに対して、こちらは垂直に掘られています。
なんで縦に掘ったり横に掘ったりするのかと言うと、これは敵をどう足止めしたいかによります。
敵を前に進ませたくなければ横堀を掘って進路をシャットアウト、横に移動させたくなければ竪堀を掘って横移動をシャットアウト。
その場その場の状況や陣形、敵の移動進路を考慮して使い分けるのです。
なので堀の方向を見れば、城側が敵の動きをどう封じ込めたいのかが読み取れます。
そのままスタスタ進むと、ここまでずっと登り坂だったのにいきなり平らな地形に変化します。
ここ、恐らく曲輪(くるわ)の跡です。
曲輪とは簡単に言うと兵を駐屯させるための広場で、同時に敵を迎え撃つための基地ともなります。
ここだけきれ~な平らになっているのはそのためです。
その痕跡は曲輪両脇にも確認できます。
ここにも空堀跡。
現場はえっらい浅いですが、これは風化で埋まってしまったため。
本来はもっと深く掘り込まれていたはずで、多分1メートルくらいの落差があったでしょう。
この上にさらに柵も設けられるので、実質的には3メートル程度のバリケードが巡らされていた事になります。
さらにズンズン進むと次に現れるのが、未整備山城恒例(?)の『この先行くな』的な通路をふさぐ倒木。
これは山城のオキマリです。
整備されていない山城を探索すると、ほぼ100%遭遇します。
ええークソ!こんな所に木ぃ転がっとったら邪魔やろー!みたいな倒木。
問題ありません。
越えます。
山城探訪とは大自然との戦いなのです!(※たみこルール)
さらに進むと、再び曲輪跡。
今度のは先に見たものよりひと回り広めに作られています。
とは言ってもバレーボールコート1面程度で、兵を待機させてもせいぜい10人くらいのサイズ。
そもそもこの城自体、そんなに大きくありません。
恐らく多くの兵で守る事を想定してないのでしょう。
なので曲輪もこのようにいちいちコンパクトなんですね。
そのもう少し先、今度は右手にこんなのが現れます。
帯曲輪(おびぐるわ)。
それも2段構成。
帯曲輪とは、文字通り帯を巻いたように張られた細長~い曲輪です。
斜面上にこの細長い曲輪を設けることで、下から登って来る敵を横一線で迎え撃つのです。
攻め手にすれば急斜面を登るだけでもしんどいのに、さらに頭上から雨あられの攻撃が降り注いでくるという悪魔のような仕掛けです。
そしてその先ついに!
行き止まり。
この先も道は続いているようですが、ご覧の状況なのでこれ以上は断念。
今回の攻城はここまでとします。
でも多分ありますよ、この先にもお城の続きが。
そもそもまだ本丸に到達してないしね。
我こそは『お城大好きドドドドド・超ド変態』という方、いらっしゃいましたらこの先のレポートをお願いします。
楽しみにお待ちしております。
ほぼ登山となる赤岩城跡探索。
警告します。
お城初心者は絶対来ないでください。
ナ~~~んも面白くないです。
ある程度場数を踏んで、空堀や曲輪が実視で判別できる経験値のある方のみお越しください。
それと季節は4~5月限定。
6月過ぎると草が生えまくるし、冬は雪が積もります。
その辺り、しっかりタイミングを考えて訪城してください。
赤岩城跡
住所:石川県加賀市山中温泉滝町
関連タグ >> お城
コメントをする
山中温泉の最新記事一覧

国分山 医王寺 聖母マリア様?に会えるお寺
2023年05月20日
山中の温泉街から徒歩圏内、西側の山裾にちょっと目立つお寺があります。医王寺(いおうじ)です。宗派は真言宗。天平年間(72・・・
カテゴリー:観光名所

赤岩城跡 恐怖の未整備山城の終着点に待つものとは?
2022年12月24日
山城巡りは山登り。そんな格言(※注:わたしが考えた)を実感させてくれるのが、ここ赤岩城跡です。もーね、山ですわ、山。ザ・・・・
カテゴリー:観光名所

鶴仙渓 超絶の癒しシャワーで心を洗濯
2022年11月19日
鶴仙渓(かくせんけい)。山中温泉のすぐ近くにある渓谷の名前で、散策用の遊歩道が整備されたザ・お散歩ストリートです。癒され・・・
カテゴリー:観光名所

柴田の付城跡 狭いけどなかなかに恐怖密度の高いお城
2022年10月11日
山中温泉の西側、歩いて行ける低山上にあるお城が柴田の付城跡です。柴田ってのは柴田勝家(しばた かついえ)の事で、この城を・・・
カテゴリー:観光名所

手作り餃子 長樂 焼きめし+焼きぎょうざ 値段高めだけどクオリティも高っ!
2022年09月13日
この日は山登り。登る!登る!えっさほいさと登りまくる!疲れた~~~。下山したらちょうどお昼。メシ食うべ~と付近のお店をグ・・・
カテゴリー:グルメ

黒谷城跡 油断して登ると最後に戦慄のイベントが待っています
2022年08月16日
ヤバさ満点のお城、黒谷城跡。場所は加賀の山奥。人の往来は限りなくゼロ。車で数分ほど走れば山中温泉がありますが、この付近ま・・・
カテゴリー:観光名所

芭蕉の館 2階 重箱の隅をつつくように隠れた意匠を見つけ出せ
2022年07月16日
元旅館の別邸だった芭蕉の館。現在は芭蕉の事績を紹介する施設となっています。芭蕉や俳句もいいんですけどね、わたし的には断然・・・
カテゴリー:観光名所

芭蕉の館 1階 貧乏人には目に毒だゼ・・・
2022年07月13日
山中の温泉街のほぼ中央にある芭蕉の館。かつてこの地を松尾芭蕉(まつお ばしょう)が訪れたことにちなんで作られた施設です。・・・
カテゴリー:観光名所

山田食堂 カツ丼ミニうどんセット 期待通りの王道味に満足
2022年07月04日
この日は山中温泉界隈を放浪。ひたすらアッチふ~らふら、コッチふ~らふら。気付いたらそろそろお昼に近い時間。よーし昼からの・・・
カテゴリー:グルメ
- 羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 part2 等伯の神画が見られるゼ~♪
- グリル&ハンバーグNINO ハンバーグ&ソーセージ&から揚げ コスパ高すぎ!腹いっぱい食えます
- 旧橋本家住宅 ここに人間が住んでたのが信じられない
- 富山市ガラス美術館 展示編 難しいゾ~、ガラスアート
- 富山市ガラス美術館 建築編 富山という土地を表現した建築アート
- 白山町遺跡現地説明会 永遠に答えが分からないのが考古学
- 薬王院 温泉寺 「あいうえお」はここから始まりました
- 餃子のあひる 餃子定食 この餃子、エンドレスに食えるわ~♪
- 栄谷丸山横穴群 コウモリに注意してご鑑賞ください
- 富山市郷土博物館 復元模型のテクノな仕掛けがイカスのよ!
- 富山城跡 千歳御門~日本庭園周辺 庭園の読み解き、楽しいわ~♪
- 富山城跡 水堀~西の丸 石垣の詳細がよー分からん、謎多きお城
- 羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 今しか見られない貴重なお宝がいっぱい
- 香満居 豚トロ黒胡椒炒め定食+担々麺 ボリュームも美味さも文句ナシの街中華
- 一乗谷朝倉氏遺跡 中の御殿跡・諏訪館跡庭園 こんなカッコエエ庭に憧れるわ~
- 一乗谷朝倉氏遺跡 南陽寺跡庭園・湯殿跡庭園 ちょっともったいないなココは
- 一乗谷朝倉氏遺跡 朝倉館跡 ここにはロマンが眠っています
- 一乗谷朝倉氏遺跡 雲正寺地区・平面復原地区 今も残る生々しい生活の痕跡
- 一乗谷朝倉氏遺跡 下城戸跡・上城戸跡 ここがディフェンスラインの最前線
- とんかつ勝亭 立山ロース定食 この肉、味もボリュームも極上だわ~♪