店主たみこの観光案内ブログ

白米千枚田 この田んぼは今も動き続けています

2022年12月03日

白米千枚田

 

山から海へと一直線に降る狭い斜面上に、不規則に並ぶミニ田んぼ、ミニ田んぼ、ミニ田んぼ。
ここは白米千枚田(しろよねせんまいだ)。
国の名勝にも指定されているスーパー絶景田んぼワールドです。

 

本当にスゴイよ、ここ。
肉体労働の結晶のような場所。
ここまでして田んぼ作らんならんか?みたいな。
見てるだけで頭クラクラしてきます。

 

白米千枚田の全景

 

ご覧ください、この景色。
極小田んぼが斜面一面にびっしり。
なんでも全部で1004枚あるそうで。

 

これ作るのにどれだけの労力と時間を費やしたんですかね?
機械一切ナシのオール手作業ですからね。
そりゃーもー地獄のような重労働だったはず。
考えたくもないですわ。

 

複雑な畝のライン

 

毛細血管のように複雑に入り組む畝の筋。
まるでアミダクジ。

 

この畝、なんと毎年盛り直されています。
1年も経つと土が流れて低くなるんでね、春になるとクワで土を盛ってぺったんぺったんやって再構築。
その次の年もぺったんぺったん。
その次の次の年もぺったんぺったん。
こうしてぺったんぺったんをエンドレスに続けることで、田んぼの形を維持するのです。

 

土留めの石垣

 

畝だけで持ち応えられない所は石垣を積んで土を押さえています。
恐らく海から持ってきたであろう石で壁を作り、田んぼの形をガッチリとガード。

 

もうほとんど執念ですな、ここまで来ると。
狂気すら感じますわ。

 

白米千枚田に転がる大きな石

 

田んぼの中を歩いていると、大きな石がアチコチにゴロンゴロン。
見る人が見れば一発で気付くと思いますが、これ、ある現象の痕跡です。
そう、地滑りですね。
この千枚田がズラリと並ぶ斜面は地滑りによってできたものなのです。

 

その様子は白米千枚田を囲む地形からも読み取れます。
ちょっと山側に視点を移動。

 

周囲を山で囲まれている白米千枚田

 

分かりますかね、斜面全体が山でぐる~と取り囲まれているのが。
この山が崩れてどばーっと流れて来た土でできた斜面が現在の白米千枚田のベースなんですね。

 

ただここでひとつ問題が発生します。
元が地滑りでできた斜面だけに、地盤が締まっていないのです。
ユルユルのヘロヘロ。
するとどうなるか?
滑るのです、今でもダラダラ~と。
これは大問題!

 

排水のための井戸

 

それを解決するのがこの井戸。
井戸と言っても水を汲み上げるための井戸ではなく、地下水をとっとと海に流すための井戸です。
水を沢山含んでいると土がユルむのでね、こうして強制的に排水を行う事で地滑りを防いでいるのです。

 

ただこれでも100%地滑りを止められる訳じゃなく、今も年間数センチのレベルでズルズル動いているそうで。
そしていつの日かどばー!と大崩落を起こす日が必ず来ます。
それは明日かもしれないし、100年後かもしれないし。
そう考えると今見られるこの壮大な景色、ものすごーく貴重なのかも!?

 

白米千枚田で2番目に小さい田んぼ

 

こちらは白米千枚田で2番目に小さい田んぼ。
植えられている稲はなんとたったの4株。
お茶碗2杯分だそうです。

 

ほとんど遊びですな、こうなると。
あってもなくても同じじゃん、みたいな。
このサイズならうちの庭でも作れるわ(笑)。

 

道端のはざ掛け

 

農道の脇に立つ謎の木組み。
これ何だか分かります?

 

正解は稲を干す竿。
はざ掛けってヤツで、収穫した稲をここに吊るして干すことで長期保存が可能となり、同時に甘味が増すんだそうです。

 

昔はね、田舎行くとこんなのがそこら中にあったんですよ。
わたしが子供の頃も家の裏にもありました。
秋になると黄金色の稲がずらーっと干されて、そりゃ壮観でしたね。
んーーーー懐かしい!

 

オーナー田の標識

 

田んぼの一角に立つどっかで聞いた名前の看板。
これ、所有者の名前を記した標識です。

 

現在、白米千枚田ではオーナー制度ってのをやっていて、お金さえ払えば田んぼのオーナーになれます。
オーナーは毎年募集していて、ひと口2万円。
オーナーになると特典体験ができ(田植えとか稲刈りとか)、秋になると白米千枚田から採れたお米10kgも送られてきます。
2万円でお米10kgって高すぎじゃね?と思われるかもしれませんが、まあそこは広い心で。
オレ、白米千枚田にマイ田んぼ持ってんだゼ~っていうプライスレスな満足感を味わえます。

 

白米千枚田の入口

 

農業よりも観光業としての色彩が濃い白米千枚田。
実際観光地です、ここは。
散歩感覚でぶら~っと田んぼの中を歩いて、ぜひその素晴らしい景色と空気を楽しんでいって下さい。

 

ここで採れたお米が食べたい~って人は、すぐそこにある売店で買えます。
ただし2kgで2,160円と少々(すごく?)お高めな上に、早い者勝ち。(毎年売り切れたらオシマイ)
確実に購入したい人は、新米の時期を狙ってご訪問ください。

 

白米千枚田の入口

 

なお毎年農閑期(10月~3月)になると「あぜのきらめき」というライトアップを行っています。
これがもう幻想感満点!
ディズニーランドのエレクトリカルパレードなんか目じゃありません。
彼女連れてけば確実にポイントアップ!
間違いなく「ザ・きらめきミッドナイト」が待っています(謎)。

 

ただし!

わたしみたいにヲッサン独りで行くと・・・・結構居場所ありません・・。

 

 

白米千枚田

住所:石川県輪島市白米町

ホームページ:白米千枚田景勝保存協議会公式サイト

 




エリア >> 石川県 > 輪島市 > 白米町

 

関連タグ >> 白米千枚田 

 


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