店主たみこの観光案内ブログ

熊木城跡 突っ込め!その全然整備されてない所に突っ込めー!

2022年11月08日

熊木城跡の入口

 

七尾の山奥に今も残る熊木城跡。
入口は現地人じゃなきゃたどり着けないような、ややこしー道沿いにあります。
google mapを頼りに探してください。(google mapは正確な入口に案内してくんないけど)

 

目印は熊木公民館(ここに駐車可)、そこから歩いて近くの橋を渡るとすぐに左手に標柱が立っています。
そこから突入。

 

間違った入口

 

ただこの道、ど~も正規の入口じゃなかったようで。
って事で先に言っときますが、今回はお城の断片しか見られませんでした。
当然メインとなる主郭にもたどり着けず終い。

 

でもね、それが返って楽しかったというか。
経験と勘とイケイケ精神でガンガン攻める、城跡ハンター魂(←?)をくすぐる訪城となりました。

 

二連式の空堀

 

取り合えず見たものをレポートします。

 

まず最初に現れるのが、通路左手のおっきな空堀。
かなりの規模でごっぼ~と掘られています。
元々は沢だったのをさらに掘り広げて作ったようです。

 

すごいよココ。
マジでごっそり掘り込まれています。
エグほどの規模。

 

空堀の向こうの曲輪

 

で、堀があるという事はその先に曲輪(くるわ・広場)があるはずなんですよ。
堀ってのは曲輪を守るためのものなのでね。
なので登ります、掘のその先へ、林道を飛び出して。
すると案の定平地が登場。
木がいっぱい生えてて形がやや不明瞭ですが、曲輪の雰囲気がハッキリと残っています。

 

ふっふっふ・・・こういう「自力で見つけた城の痕跡」探しこそが山城歩きの醍醐味。
やっぱ山城、楽しいぜ~♪

 

熊木城跡の大堀切

 

そのままスタスタ進むと道が左右に分かれ、左の道の先に出てくるのがこちら。
大堀切(おおほりきり)です。
人造としてはサイズがデカ過ぎるので、恐らく元々あった谷筋を利用して作られたものでしょう。

 

堀切とは曲輪や通路を溝でザックリ切断したもので、これによって敵の侵入を阻みます。
現在はここを横断できるしっかりした道が通されていますが、これは明らかに近代に土を盛って整備されたもの。
戦国期はただ絶望的な溝があっただけのはずです。

 

行き止まりの広場

 

その先は藪道、藪道、時々倒木。
そんな嫌がらせのような未整備な道を散々進んだ先に現れるのがこちらの広場。
そして道はここで行き止まり。

 

これ、曲輪かな~?
曲輪としては周りの方が地面が高いし、ちょっと不自然。(※周りが高いと攻撃されやすく守りにくくなる)
でも平たく整地されてるから、曲輪っちゃー曲輪に見えん事もないし。
なんやろ?

 

怪しい斜面

 

そのまま元来た道を引き返し、今度は先に見た分岐路を右側に進む。
本丸どこやろ~??(※この時はまだ入口を間違えていることに気付いていなかった)と、イライラしながら歩いていると、ふと目についたのがこの斜面。

 

なんか・・・感じる。
この斜面、あ~や~し~い~。

 

熊木城跡の空堀

 

って事で乗り越えてみました、サルのように。
するとその先にありました、空堀~。

 

ひっひっひ・・・収穫じゃ♪
道なき場所に踏み込んで、自力で城の痕跡を発見するこの喜び。
やっぱり未整備の山城って楽しい。

 

でも『お城大好きド変態』の行動はここでまだ終わらない。
先ほどと同様、空堀があるならその上に曲輪もあるはず。
これをさらに登ります!

 

傾斜強めの曲輪

 

あったでー!曲輪。
ちょっとスロープ状になってるけど、はっきり削平されてる。
この辺一帯、曲輪認定です。(※認定者=たみこ)

 

本丸見付からんしね、もうヤケクソですわ。
タダで帰る訳にゃーいかねー、なぜならそれが『お城大好きド変態』魂だからーー!!!

 

畝状竪堀

 

再び元来た道に復帰し前進。
すると左手にボコっと縦方向の窪みが出現。
竪堀(たてぼり)です。
しかもこれが三連続して続いているので畝状竪堀(うねじょうたてぼり)。

 

竪堀とは敵の横移動を不自由にするための仕掛け。
1本でも邪魔な竪堀を連続して並べることでさらに動きを封じ、モタモタやってる所をズババー!と狙い撃ちにするのです。

 

そしてこれがあるという事は、やっぱり上に曲輪があるはず。
突っ込みますよー、もちろん!

 

竪堀の上の曲輪

 

あったー!曲輪ー!
キワのラインまでくっきりと残っています。

 

ここから攻撃するんですね、敵を。
うわ、竪堀あるやん、邪魔やー、足取られるー!逃げ場所ねー!とオタオタしてる敵を一斉攻撃。

 

地獄ですな、ヤラれる側にとっちゃ。
まさに死のデッドライン!

 

道に落ちてる結晶片岩

 

ところで話全然変わるけど、ここの山道、妙なんですわ。
こんなのがゴロゴロ落ちてんのね。
これは結晶片岩(けっしょうへんがん)と呼ばれる石で、この辺では出ないはずの石。
それが路面一面にびっしり転がってんですよ。

 

これ絶対ヨソから持ってきてバラまいたものですね。
多分この林道を整備するにあたって、業者さんがどこかから買い入れたのを持ち込んで敷き詰めたのでしょう。

 

露頭の土壌

 

本来の地質はこんな感じ。
見た感じ、凝灰岩(ぎょうかいがん)と安山岩(あんざんがん)のミックス。
結晶片岩なんてどこにも見当たらない。

 

え?なんで突然石の話になるんだって?
いやだって気になるじゃないですか、不自然な石が転がってると。
石はヲトコのロマンなのです!(※ただの変態です)

 

熊木城跡の案内板

 

本丸にたどり着けないと言う、思いっ切り消化不良に終わってしまった今回の攻城。

 

いつかもう1回行きますわ、ここ。
これで終わっちゃどーにも煮え切らん。

 

ただ今回はいつもとは違う面白さもあったね。
道を飛び出して自力でお城の痕跡を見つける楽しさ、ちょっとクセになるかも?
あんま変なトコ突っ込んで怪我とかしたらヤだから、安全が確保できる範囲内でまたやってみます。

 

 

熊木城跡

住所:石川県七尾市中島町谷内

 




エリア >> 石川県 > 七尾市 > 中島町谷内

 

関連タグ >> お城 

 


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