店主たみこの観光案内ブログ

勝山城博物館 外観編◆パフォーマンス抜群の模擬天守にテンションあげあげ!

2022年05月25日

勝山城博物館

 

勝山の田んぼの中に唐突に現れる天主閣。
それが勝山城博物館です。

 

この天主閣、「模擬天守」ってヤツでして、ざっくり言えば「なんちゃって天守」です。
ここにこんな天守が建っていたという史実はありません。
なんか地域のシンボルとなるようなものが欲しーって郷土愛から造られた、ロマンの建物です。

 

造ったのは爆お金持ち多田清(1905~1991年)。
タクシー事業で巨財を築き上げ、とにかくカネがあってあってしゃーなかった人です。
以前紹介した越前大仏清大寺も彼の手によるものでしたね。

 

勝山城博物館の模擬天守

 

駐車場からゆるい坂道を登るとズゴーン!と現れる巨大天守。

 

デカいんですわ。
とにかくデカいんですわ。
その高さ実に57.8メートル。
日本一の高さと言われています。

 

多田清って人はとにかく一番デカいってのが好きでしてね。
先に触れた清大寺も大仏を始めとして「日本一」だらけ。
この天守のサイズにも間違いなくそんなこだわりが込められています。

 

天守台石垣の龍

 

そして次にビビるのがこの石垣の龍。
お城を見慣れた方なら、あ~?なんでココに龍ぅ~??と思わずいぶかしがるでしょう。

 

実際変です。
メッチャ変です。
完全に意味不明です。

 

実はこの龍、すぐ近くを流れる九頭竜川(くずりゅうがわ)にちなんでいます。
なのでぐるーっと一周してみると、正面に3頭+左右・裏に各2頭で合計9頭。
ちゃんと「九頭竜」の形になってます。

 

かと言って必要なのかこの龍?と言われると、まあ、必要ないけどな(笑)。

 

石垣から流れ出る銅

 

この石垣、所々にこんな汚れが見られます。
青いような緑のような変な色のな汚れ。

 

これ、銅です。
この天守、屋根が銅板葺きになっていて、そこを流れた雨水がここにしみ出しているのです。
銅はほんの微量ながら雨に溶けるので、それが酸化しつつ再結晶化する事でこんな色が現れるのです。
いわゆる「緑青(ろくしょう)」ってヤツです。

 

勝山城博物館の水堀

 

天守の前には水堀。
満々と水がたたえられています。

 

この辺はお決まりですわな。
天守+水堀+石垣、これぞお城の3点セット。
これが揃ってなきゃ、どーもお城として締まらない。

 

所詮イミテーションって言っちゃーそれまでなんですが、結構クオリティ高いんですわ、この水堀。
本物と比べても遜色ない、堂々たる威容。

 

変化を付けた石垣の石組み

 

その一方で石垣はカッチカチ。
あまりにきれい過ぎてイマイチ昔っぽくないのを、石肌を荒くガタつかせることでなんとか時代感をアピールしてる感じ。

 

ただねこの石垣ね、よーく見るとちょっと面白い遊びが潜ませてあるのですわ。
それは横方向の目地。
一直線に揃えず、所々ナナメに走らせてリズムに変化を付けています。
これとよく似たのが金沢城にもなくはないですが、普通はこんな事やりません、意味ないし。
現代に造ったお城だからこそできる、さり気な~い遊びです。

 

花崗岩の岩肌

 

こちらは石材の拡大画像。
ほぼ大きさの揃った結晶がびっしり絡み合っています。
典型的な花崗岩(かこうがん)ですね。

 

花崗岩ってのは地下深くで溶岩が固まったものです。
時間をかけてゆ~っくり岩石化するので、こうして粒の揃った結晶ができあがるのです。
興味のある人はルーペ持参で観察してみてください。

 

勝山城博物館の埋門

 

その石垣を登ってぐるーっと回った先に入口が現れます。
ゴツイ木材で固められた埋門(うずみもん)。

 

カッケーなこの門も!
黒金物がメチャメチャシブイですわ。
扉の造りとか石落としがないとか、まあツッコミ所があるっちゃーあるんですけど、セーフ。
こんだけ立派にできてれば全然オーケーです。

 

勝山城博物館の二の門

 

その門を抜けると、真正面に二の門。
間には四角形の空間がでーん!
枡形(ますがた・敵を囲い込んで集中攻撃するための空間)と呼ばれるスペースですね。

 

この枡形、見る人が見ると一瞬で気付くと思うんだけど、ちょっと変な形になっています。
普通は一の門と二の門とを直角に配置するのがセオリーなのに、ここでは真っすぐに並んでいるのです。
ぶっちゃけこれじゃ防御力に問題アリ。
敵が攻めて来たらどーすんの?

 

敵なんていないけどよ(笑)。

 

入口脇の搬入口

 

その脇に謎な行き止まり通路があります。
多分展示品の搬入口。

 

この場所ね、なんかメッチャお城感強いんですよ。
石垣+白漆喰壁+重厚な丸瓦。

前後の閉塞感も手伝ってか、すげーリアル。

 

こういう場所をもっと欲しいなー。
こんな感じの回遊路をいっぱい作ってくれれば、きっともっと楽しい場所になったと思うんだけどな。

 

下から見上げる天主閣

 

なかなかにイカした勝山城博物館の模擬天守。
シリアスなお城感を期待すると少々オチャラケた感じがあるのですが、まーその辺は堅苦しく考えない!
遊びです、遊び。
模擬天守はあくまで遊び。
ここを鑑賞する時は遊びと割り切って面白がってください。

 

次回は内部の展示について紹介していきます。
勝山の歴史や文化をビンビン体感できますゼ!

 

 

勝山城博物館

住所:福井県勝山市平泉寺町 85-26-1

TEL:0779-88-6200

ホームページ:勝山城博物館公式サイト

 




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関連タグ >> お城 美術館・博物館 勝山城博物館 

 


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