花嫁のれん館 能登に残る古き輿入れ儀式を体感
2022年01月05日
花嫁のれんってご存知ですかね?
輿入れの日に嫁ぎ先で花嫁さんがくぐるのれんです。
能登を中心としたローカルな風習で、江戸時代末期頃に始まったと言われており、今でもたま~に行われています。
そんな花嫁のれんの風習を紹介するのが花嫁のれん館です。
場所は七尾駅から徒歩10分ほど、小丸山城址公園のすぐふもとです。
喧騒から離れた、静かーな場所にあります。
建物は落ち着いたレトロな外観。
白×黒のメリハリが効いた、キレッキレの古建築スタイル。
モチーフは町家ですね。
木造二階建ての切妻屋根、一階にはひさし付き。(※内部は吹き抜けになっていて、実際は平屋)
壁は白漆喰に柱を浮き出させた真壁造りにし、開口部には直線が小気味よく連続する千本格子。
決して派手ではない、でも清廉な美しさを持つ、江戸~大正頃の家屋が見事に再現されています。
内部の構成はご覧の通り。
入って正面がグッズ販売。
右は出入り自由で、左側は有料スペースとなります。
有料スペースには花嫁のれんの儀式の様子を紹介するための和室がしつらえられていて、その正面には企画展示のスペース、最奥は常設展示のスペースとなっています。
館内には案内の係の人がいて、希望すれば花嫁のれんについて詳しく説明してもらえます。
花嫁のれんってナンや?よー分からん、って人はぜひ説明を受けてください。
こちらは土間からの眺め。
奥にぶら下がっている赤白の布が花嫁のれんです。
輿入れしてきた花嫁さんは、まずここをくぐるのです。
なんか独特ですわな、緊張感が。
いいのか?この先進んでも?みたいな。
実際の花嫁さんもこんな緊張感を味わってのれんをくぐったんでしょうね。
この先に待つのはパラダイスか?それとも地獄か?
んーーーーーー・・・・。
頑張れ!!(←何を?)
先の館内構成で見た通り、和室は2部屋あります。
こちらは手前側の和室の様子。
奥に掛けられているのはもちろん花嫁のれん・・・・ではありません。
これ何と「花嫁のれん」ならぬ「花婿のれん」なのです。
よーく見ると色に赤が使われてないでしょ?
これは花婿用だからなのです。
花婿さんもくぐったんですね、のれん。
頑張れ!!(←だから何を?)
その隣の和室。
こちらに掛けられているのは正真正銘花嫁のれんです。
ちゃんと色にも赤が使われています。
モチーフは何ですかね?
奥に三重塔が見えるので、ひょっとしたら花嫁さんは穴水の人かもしれませんね。
紅葉も描かれているので、輿入れは秋だったのかもしれません。
そして仏間です。
花嫁のれんをくぐった先にある部屋ですね。
ここで花嫁さんは仏壇に手を合わせ、今日からこの家の人間になりますと、嫁ぎ先のご先祖様に挨拶するのです。
ん~~~~堅苦しい。
万事アバウトなわたしにはちょっと耐えられませんな。
別にわたしが嫁入りする訳じゃないけどー。
こちらは企画展示室の様子。
この時は『打掛展』を行っていました。
室内には色とりどりの打掛がずらーり。
憧れるんでしょうね、女子はこういうの。
ああーーわたしも早くこれを着てみたーい♪みたいな。
わたしはバリバリのヲトコなので全然刺さらんけど。
そして一番奥の常設展示室。
明治・大正・昭和・平成に使われた花嫁のれんの現物がずらりと展示されています。
こうやって年代別に並べると面白いのですよ。
時代が下るにつれてビラビラが三幅から五幅に増えていく様子とか、絵柄が変わっていく様子とか、彩色が手作業から機械プリントに変わっていく様子とか、様々な変遷が観察できます。
言ってみればこれら1枚1枚がその時代を写し出すポートレート。
実に興味深いです。
能登独特の風習、花嫁のれん。
今じゃほとんど行われなくなっていますが、その匂いだけでもぜひ感じ取ってみてください。
なおこちらでは「花嫁のれんくぐり体験」なるものも行っています。
着付け室で白無垢または打掛に着替えて、実際に花嫁のれんをくぐれるのです。
記念に能登の花嫁気分を味わってみたい~って人は、ぜひチャレンジしてみて下さい。
男性には紋付き袴で行う花婿のれんバージョンもありますよ!
関連タグ >> 美術館・博物館
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