店主たみこの観光案内ブログ

埋蔵文化財収蔵庫 縄文&弥生の古代ロマンを腹いっぱいいただきまーす!

2021年12月18日

埋蔵文化財収蔵庫の入口

 

チカモリ遺跡のすぐ隣にある埋蔵文化財収蔵庫。
チカモリ遺跡からの出土品を中心とした、石川県内各地の遺跡から出てたものを収蔵・展示している施設です。

 

行ったことがある人なら多分分かると思うのですが、ちょーっとね、配置的に入りにくいのですわ。
入口が道路側に向いてないせいですかね、え?この脇の方から勝手に入っていいの?みたいな雰囲気。
でも大丈夫、見学自由ですので。
どうぞ遠慮なく入館しちゃってください。

 

埋蔵文化財収蔵庫の第1展示室

 

建物は二階建てになっていて、1階は縄文時代、2階は弥生時代をメインに江戸時代までの遺物が展示されています。

 

こちらは1階の様子。
中央にあるのは水槽で、中にはチカモリ遺跡から出土した柱の根っこが展示されています。

 

なんか水に浸かってるっぽく見えると思いますが、実際浸かってます。
これは保全のためで、長い間地中に埋まっていた木製品ってのは空気に触れるとすぐにボロボロに崩れちゃうのです。
なのでこうして水中に沈めて、空気との接触を遮断しているのです。

 

縄文時代の木柱

 

出土品にはひとつひとつタグが付けられています。
こうしておくことで、いつ・どこから出てきたものなのかすぐにたどれるのです。

 

大変だったでしょうね、この作業。

基本的に発掘は数か月~数年で終わりますが、その後の研究・分析には何十年もかかりますからね。

ツタンカーメンの発掘品調査なんて100年経った今でも全部終わってないらしいし。

だからこそこうして初期処理をしっかりしておかないと、後でシッチャカメッチャカになっちゃうのです。

考古学ってのは息の長い作業なのです。

 

縄文式土器の展示

 

こちらは棚に展示された縄文式土器。

 

あーーートキメクーーー♪♪
縄文式土器大好きなのでね、こんなん見るともー胸わくわくですわ!
マジ1個持って帰りたいですわ。

 

どこかにうっかり1個落ちてないかな?(※落ちてません)

 

釣手付土器

 

こちらはわたしのお気に入りの「釣手付土器(つりてつきどき)」。
カッコイイでしょ?この形。

 

用途は不明。
形的に油を入れて明かりとして使用したのではないかという気がしますが、防虫・香炉・インテリア用などの説もあり、いまだ決定的な答えは見つかっていません。
縄文人、これを一体何に使ってたんですかね?

 

紋様の美しい縄文式土器

 

この壺なんかもズキュン!とキますね。
縄目模様がぐるぐるとうねる、まさにザ・縄文式のデコレーション。
今にも動き出すんじゃないかってくらいにエネルギーに満ち溢れた造形。

ええわ~♪♪

 

これを作ったのはどんな人だったんでしょうね?
一体何を考えて作ったんでしょうね?
この模様にはどんな意味が込められていたんでしょうね?

 

考えれば考えるほど、あー縄文時代楽しーー!!!

 

埋蔵文化財収蔵庫の第2展示室

 

続いて2階の展示室。
こちらでは弥生時代をメインに奈良~江戸時代までの展示が行われています。

 

すごいですわな、コレクションの数が。
多分これでもほんの一部でしょう。
恐らく倉庫に行けば他にもゴロゴロ眠ってて、さらにまだ整理の追い付いていないものもどっさりあるはず。
やっぱ1個くらいもらえんかな?(※もらえません)

 

弥生式土器

 

弥生土器の模様はご覧の通りシンプル。
と言うかほぼない。
実用重視。

 

形が独特ですよね。
下に向けてすぼまった、どんぐりのような形。
下部をとがらせてあるのは地面に刺すためと考えられており、このまま炉の灰の中にザクっと刺し込んで煮炊きをおこなったんだそうです。

 

黒く焦げた弥生式土器

 

その痕跡はこんな所にも見られます。
どの壺も黒いでしょ?下部が。
明らかに火の中に突っ込まれた跡です。

 

煮炊きという技術の獲得は当時の食環境に一大革命を起こしたと言われており、これによって食中毒が激減したそうです。
と同時に食材のアクを取るのにも有効で、より美味しく食べ物を調理できるようになりました。
オフクロの味が登場したのもこの頃かもしれませんね。(←それはちょっと違う)

 

飛鳥~平安時代頃の瓦

 

時代は一気に下って、こちらは瓦。
飛鳥~平安時代頃のお寺の遺物と考えられています。
注目すべきはその形状で、当時の日本文化の中心であった奈良の都の影響を強く受けています。

 

奈良ですよ、奈良。

奈良なんて、今車で高速使って行っても4時間くらいかかるんですよ。
ろくに道路も整備されてなかった時代に、そんな遠くまで人や文化の往来があった訳ですからね。
古代人、エネルギッシュだわ~。

 

江戸時代の発掘品

 

さらに時代は下って、江戸時代。
さすがにこの頃の物は洗練されています。
文化の香りがするというか、スタイリッシュ。

 

ここにあるものは現在の市街地から出てきたものです。
現在市街地って事は江戸時代にもそれなりに人が住んでたって事で、そこには上級武士もいました。
なので出てくるのですよ、いいヤツが。
さすがカネ持ってるヤツはゴミまで高級ですわ(笑)。

 

埋蔵文化財収蔵庫の看板

 

縄文・弥生の生活の痕跡を出土品から見られる埋蔵文化財収蔵庫。
いいですよ~、生々しくて。
われわれの超ご先祖さまが確かにここにいたんだ、という不思議な事実が実感できます。
ぜひ隣のチカモリ遺跡公園と合わせて見に来てみてください。

 

関連施設としてここから車で10分ほどの所に金沢市埋蔵文化財センターという展示館もあります。
こちらは縄文時代に特化した展示が行われており、合わせて訪問すればさらに楽しさが増しますよ!

 

 

埋蔵文化財収蔵庫

住所:石川県金沢市新保本 5-48

TEL:076-240-2371

ホームページ:石川県観光連盟公式サイト

 




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