
鷹王山 長楽寺 その2 クライマックスの不動明王像にアレ?
2021年11月15日

石動山の仁王門を今に引き継ぐ長楽寺(ちょうらくじ)。
前回はその仁王門と、ふたつのお堂を中心に見てきました。
今回はさらにその先の境内の様子を見ていきます。
まだまだね、面白いところいっぱいあるんですわ!
ちなみにこれは寝地蔵。
枕にしてるのは木魚ですね。
肩と腰にチョロついてんのはネズミです。
意味分からんけど(←?)いきなり素敵だ~♪

そしてこれも面白い。
その名も『昇龍瑞法松』。
なんか枝の下にぐるりとループ状のものがありますが、これ幹です。
え?幹?と思われるかもしれませんが、正真正銘松の幹です。
多分この形になるように意図的に育てたのでしょう。
どーやってこんなん作るんですかね?

鐘楼。
これはまあまあオーソドックス。
石垣の基壇、内転び(上に向かってすぼまる形)の柱、黒瓦の切妻屋根。
ぶっちゃけオンリーワンな特徴はありません。
それよりも!
すぐ脇にある犬小屋に繋がれてる犬がまーよー吠えるのですわ。
ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん吠えまくり。
わしナンも悪いことしてないでー!
人相悪いけど。

そしていよいよ奥の院へ。
入口はこちら、本堂予定地の脇にある細道。
ここをテクテクと進みます。
なお。
この時点でもまだ犬は大音量で吠えまくってます。
そんなに人相悪いか?(※悪いです)

その先にいきなり現れる石仏6体。
左から順番に天女、十一面観音、地蔵菩薩(下)、地蔵菩薩、不動明王(かな?)、地蔵菩薩。
この石仏群、ご覧の通り統一感ゼロ。
多分寄せ集めなのでしょう。
廃寺や道路拡張なんかで行き場のなくなったものを、このお寺で引き取ったんでしょうね。
ちょっと哀愁漂う石仏群です。

その右手、木立に隠れるようにして滝があります。
一筋の水がチョロチョロ落ちる、質素~な滝。
この滝、よく見ると左右に石組み、中央には縦長の大岩が据えられています。
つまり人工。
ハッキリ言って庭に力を入れてるってお寺じゃないんですけどね。
それだけにこの滝の存在がメチャメチャ異質。
え?なんでここで突然こんな気合の入った庭園風の滝があんの?みたいな違和感。
でも。
素敵です♪

再び奥の院へとつながる階段へ。
この階段が長くてね、そして勾配キツくてね。
結構疲れます。
ふーふー息切れします。
無理のないペースで登ってください。

そして登場、奥の院。
古っ~い木造のお堂が建てられています。
・・と思いきや、下部は鉄筋コンクリート、その上に木造建築。
謎ですね、なんでこんな事になってんのか。
多分元々あったお堂の下部分が腐ったのでそこだけ鉄筋コンクリートにすげ変えて、状態の良かった上部分はそのまま残した、と考えられるのですが。
それにしてもハンパないチグハグさ。
結構ズッこけます。

が、中は違う。
ガッチガチの宗教空間。
薄暗い室内に不思議な霊力が満ちています。
上にあるコンクリの梁、中央部分が黒くすすけているのが分かりますでしょうか?
これ護摩の跡ですね。
護摩とは炎をバチバチ焚いて仏に祈りを捧げる、あの密教儀式です。
そして炎を司る仏さまと言えば、そうあの仏さま。

不動明王~~♪♪
中央に不動明王、左右に脇侍(わきじ)を従えた三尊像形式ですね。
左が矜羯羅童子(こんがらどうじ)、右が制多迦童子(せいたかどうじ)。
ただこのお不動さん、妙にカッコ悪くないですか?
顔デカ、短足、謎に長細い火炎光。
これには理由があります。

このお堂、実は床下にも入口があります。
そして下アングルからこの不動明王像を見られるのです。
つまりこの仏像、下からの目線を意識して作られているんですね。

そしてこちらが下から見上げた不動明王像。
・・・・・・・。
やっぱイマイチだな(汗)。
多分やり過ぎたんじゃないですかね。
この仏像、下から見上げたアングルを意識して作られたってのはほぼ間違いないと思います。
ただ制作者の意図ほど上手く遠近の強弱が機能しなかったようで。
結果、こんなアレ?な出来になってしまったのでしょう。
おかげで普通に作った脇侍の矜羯羅童子と制多迦童子がスッゲーかっこいいわ(笑)。

最後の最後がツッコミ所満点になってしまった長楽寺。
でもね、いいですよー。
お寺全体の空気、周囲の山林が作り出す生命感、そして数多くの仏像。
充実感抜群です。
少々アクセスが良くないのが玉に傷っちゃー傷ですけど、それを補って余りある楽しさがあります。
お寺好きな人、仏像好きな人、ぜひ訪れてみて下さい。
きっと満足してもらえると思います。
あ、人相の悪い人は犬に注意してくださいね。(←?)
関連タグ >> 長楽寺 お寺
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