
堅田城跡 やっぱ山城、怖ぇ~~~~(震)
2021年10月30日

金沢市森本方面、山の中にひっそりとある山城が堅田城(かただじょう)です。
とにかく山の中です。
お城見学と言うよりも、ほぼ山歩きになります。
根性のない人は来ないでください。(←?)
そのくらい山の中です。

ではまず大まかなマップから。
入城ルートは2つ。
墓地の上と民家の裏のいずれかです。
基本的には墓地側から入る形になります。
構成としては主郭を中心とした曲輪群とそれを繋ぐ通路でできており、所々に堀切や竪堀、切岸といった防御施設が施されています。
主郭には櫓台も認められているので、お城現役時代には物見櫓もあったようです。
では個別に見て行きます。

通路はどこもこんな感じ。
細くうねって、片側は急斜面の崖。
ちょこっと足を滑らしたら下に向かってザザザザーーー!
危ないったらありゃしない。
守る方にすりゃ楽ですわな。
どんなに大軍で来ても、敵はこの細い通路を通らなきゃ前へ進めないから、わざわざ一列になってくれる。
そこを弓で射かけたり、上から大きな石を落としてやれば、勝手に向こうでパニクって山の下にこんコロこんコロ転げ落ちていくのですよ。
地の利というヤツです。

通路から上を見ると、そこは曲輪。
曲輪とは山を削平して作った広場の事で、当然守備側の兵が大量に常駐しています。
そして上からガンガン攻撃してくるんですね。
たまりませんわな、やられる側は。
上から見下ろされたら身を隠す場所がないですからね。
やられ放題ですわ。

こちらは堀切。
堀切とは曲輪と曲輪の間に作られた溝です。
こうして曲輪同士の通路を切断することで、一方の曲輪が敵の手に落ちても、すかさず次の曲輪に進撃できないようにしてあるのです。
と同時に、防御構造としても優れています。
敵は基本、この下の溝を伝って来ますのでね。
それを上から狙いすまして挟み撃ちで攻撃できるのですよ。
攻め手にすれば、右と左から弓矢や落石の雨あられ。
もう地獄ですな。

ちょっと変わったものにこんなのがあります。
畝形阻塞(うねがたそさい)。
画像じゃよく分からんですが、通路左側に連続して縦溝が並んでいます。
これ何のためにあるのかと言うと、敵の横移動を封じるためのものです。
敵もバカじゃないので、攻撃されたら左右に動いてかわそうとします。
しかしこうして溝を縦方向に並べて掘ることによって、横に動けなくなるんですね。
で、足を取られてもたもたやってる内にガッツンガッツンやられちゃうのです。
しかも上の人間がやられたらそのまま転がり落ちてくるから、下にいる者まで巻き添えを食うというね。
まさに被害のドミノ倒し!

そして曲輪です。
ここまで来たら攻め手の勝ち、ここの死守が守備側の生命線。
山城攻めというのは、端的に言えば、ここを取るか取られるかの攻防戦です。
堅田城の曲輪は段状になっていて、完全に真っ平らにしてある訳ではなく、まあラフと言えばラフ。
でもこのタイプの山城というのは、戦闘時にだけ使用する使い捨てのものなので、とりあえず最低限の構造だけ用意できればそれで十分だったのです。
なのでかなり大雑把。

ここは主郭と呼ばれる曲輪。
本丸と言った方がピンと来ますかね?
いわば堅田城の心臓部とも言える場所です。
主郭なので当然一番標高が高く、周囲一面を見渡せます。
ここから敵の位置や戦いの状況を確認し、適時兵を出したり攻撃の指示を出したりするんですね。
そのためにこんなものもあります。

櫓台。
山のてっぺんなので元々見通しがいいのに加え、そこに櫓を建ててさらに高い場所から見渡せるようになっています。
櫓と言うとなんやら立派な建物があったような印象を受けるかもしれませんが、ここにあったのはそんなに大したものじゃありません。
それこそ掘っ立て小屋に毛の生えた程度。
高さはせいぜい5~6メートルくらいですかね?
高い足場さえ確保できればそれでいいのです。

最後に主郭からの眺め。
いや~壮観ですな♪
ふもとが一望。
と、今なら言えるけど、いざ戦闘となったら命懸けですからね。
きっと当時の人々は胃がキリキリ引き絞られる緊張感の中で、ここからの景色を眺めていたのでしょう。

中世の山城、堅田城。
石垣や建物といった類のものは一切ない大雑把な城跡ですが、その分想像力をふんだんに働かせて遊ぶことができます。
ここに一体どんな光景が広がっていたのか、そしてどんな戦いが繰り広げられたのか、どうぞ思いっ切り妄想しまくってください!
そして何度も言う通り、現場はほぼ山歩きです。
お越しの際には動きやすい服装と靴で。
雨上がりにはかなり足元がぬかるむはずですので、天気にもよく注意してください。
ではレッツ・エンジョイ・山城歩き♪
堅田城跡
住所:石川県金沢市堅田町
関連タグ >> お城
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