加賀藩十村役 喜多家 室内編2◆最強の喰い付き所は「ココ」だ!
2021年10月20日
前回に引き続き喜多家邸内の様子を見て行きます。
今回は家主が生活用に使っていたスペースです。
まずは「溜りの間」。
これは前回も見た部屋です。
ただ見て欲しいのは部屋の様子じゃなくて天井。
こんな感じね。
梁と束が剥き出しになっています。
一見何の違和感もないですが、実はこの剥き出し天井にはある意図が隠されています。
これ、天井裏に部屋を作らせないため、わざと剥き出しにさせてあるんですね。
なんで天井裏に部屋があっちゃダメなのかと言うと、見えない所でコソコソよからぬ相談をするのを防ぐため。
加賀ってのはかつては一向一揆の盛んな土地でしたからね。
土着農民たちが結束して行動を起こすことに、過剰に神経を尖らせていたのでしょう。
その奥には台所。
その名の通り炊事場ですね。
外側が土間になっていて、煮炊きのための釜戸なんかもあります。
ここ、やけに壁や柱が黒くなっている事にお気付きでしょうか?
これは囲炉裏や釜戸から出るススのため。
火を焚けば当然煙が出ますからね。
その煙にいぶされる事で、こうして黒く染まったのです。
その台所から部屋をひとつまたいだ先にあるのが、こちらの「お寝間」。
家人の寝室だった場所です。
今はご覧の通りテーブルとイスがでーん!
壁には油絵なんかも掛けられています。
実はこの屋敷、結構最近まで実際に人が住んでいました。
でも東京だったか横浜だったかに移って、今は無人。
その当時の生活の跡がこのテーブルとイスなんですね。
なので妙にこの部屋だけ時間が現代っぽくなっています。
こちらはお寝間の向かいにある「書院の間」。
数寄屋風の座敷になっていて、奥には簡易の床の間もしつらえられています。
実はこの部屋、わたしがこの屋敷で最も喰い付いた場所です。
何に喰い付いたって、そりゃアレですわ。
床の間に置いてあるコレ。
仏像コレクション~~♪♪♪
なによ?
なんでこんな素敵なモノが突然こんなトコに置いてあんのよ?
しかもなんかすげー仏像のクオリティ高いし。
うっわ欲しいわ~♪
このコレクション、丸々欲しいわ~♪
ちょーだーーーーい!!!(←ダメ)
階段を挟んでその隣にあるのが「おへや」と名付けられたふたつの部屋。
8畳間の和風座敷です。
ここもかつての家人の暮らしていたスペースですね。
今は見学用にさっぱりさせてますが、昔はテレビとか置いてあったんじゃないですかね?
なんとなーくソレっぽい空気感みたいなのが残ってるし。
このふたつの部屋だけちょっと壁の色が違います。
なぜか緑。
この緑、ナンか意味あるんですかね?
江戸時代からこの色だったのか?
比較的最近、なんとなーくこの色で壁を塗っちゃったのか?
その辺、不明です。
多分そんなに深い意味はないと思うけど。
部屋横にある廊下沿いのガラスにもちょっと注目。
このガラス、画像じゃ分からんけど、表面が妙ぉ~にうねっています。
なんか雑。
これ、古いガラスの特徴なんです。
今のガラスはきれーなフラットなのが普通ですが、昔のガラスってのはこうして表面がうねうねしていました。
恐らく明治~大正期くらいのものでしょう。
いいですね~、うねうねガラス。
ホント古民家って、ガラス1枚にまで味がありますわ!
最後に「本座敷」。
家人が使う、最も格の高い部屋です。
奥は左が床の間、右が床脇。
両方ともたっぷりと横幅が取られています。
そして壁の色。
ビビッドな弁柄色です。
江戸時代に平民である家人がこの色を使えたとはちょっと考えにくいので、この壁は後から塗り替えられたのかもしれません。
恐らく明治期以降にリメイクされたのでしょう。
以上、長々と見てきた加賀藩十村役(とむらやく)喜多家の屋敷。
が、まだ終わりません。
もうちょっと続きます。
次回は敷地内にある喜多蔵のレポート。
江戸期から続く名家、喜多家のお宝がズラリと展示してある秘宝館です。
ここもね、なかなかいいモノが見られるんですよ。
詳細は次回!
データベースの接続に失敗しました。