店主たみこの観光案内ブログ

安土城天主 信長の館 豪華絢爛の裏に潜む名もなき人の苦しみを知れ

2021年02月24日

復元安土城天主

 

戦国の覇者織田信長。
そんな信長が築いた安土城天主は、世界最初の木造高層建築と言われています。
が、ありません。
とっくの昔に燃えてなくなりました。

 

そんな幻の天守の原寸大再現を見られるのが、ここ信長の館です。
場所は安土城から車で3分、ひょいっと行った先にあります。

 

安土城天主 信長の館

 

特徴的なのがこの六角形の建物。
いかにもなんか意味ありげ。
もちろんあります、意味。

 

それは天主の形。
安土城天主は地下1階地上6階建の構造になっていて、その5階部分が六角形をしていたのです。
その六角形を建物の形に使ったんですね。

 

信長の館のエントランス

 

中に入ると、家康・信長・秀吉の三者が揃い踏みでお出迎え。
もちろんセンターは信長。
黒のマントを羽織って仁王立ちしています。

 

なんか性格出てますね、この鎧。
信長は奇抜、家康は質実剛健、秀吉は派手。
それぞれの特徴を端的に表現しています。

 

安土城天主を下から

 

そしてどどーん!と登場、天主閣!!
カッコエーーなーー!!

 

再現天主とは言っても、さすがに丸々再現はしてません。
再現してあるのは5・6階部分のみ。

 

でもスゲーのですわ。
典雅・華麗・荘厳!
金・黒・朱・白!
権威と財力と芸術性を凝縮させた、エネルギーの塊のような建物です。

 

5階部分

 

こちらは5階内部の様子。

 

奥に見えるのは釈迦説法図。
釈迦の教えを聞く弟子と天女の様子です。
黄金の世界の中にゆるくたなびく白い雲が実に幻想的。

 

そして何気にその両脇の柱には、昇り龍と降り龍が彫られています。
この2頭の龍は天界と地上を行き来する龍で、神の使いと考えられています。
人の願いを携えて天に向かうのが昇り龍、その願いを叶える力を帯びて再び地上にやって来るのが降り龍。

そしてここは5階なので龍の昇る先は6階となります。

そこにあるものは?
そう、信長の部屋。
つまりこの昇り龍・降り龍は、信長を神に見立ててその絶対的な力を暗示しているのです。

 

6階部分

 

その6階の様子がこちら。
5階で見た宗教観あふれる天上的な空間とは違う、威厳あふれる帝王的空間。
力と圧で満ちた、重厚な内装となっています。

 

すごいですわね、このゴージャス感。
「オレ様」ムードでむんむん!
当時の信長の天下無敵パワーが、部屋全体から放たれているようです。

 

安土城天主の内装説明パネル

 

ただちょっと消化不良感ないですか?
なんかこー、中の様子がイマイチよー分からんなー、みたいな。
外から眺めるだけなので、角度的にも距離的にもなん~とも中途半端。

 

そんなもやもやを埋めてくれるのがこちら。
内部の障壁画や天井画を撮影した画像が、パネルになって展示されています。
お~~なるほど、間近でみるとこんな絵なのね、ってのがものすごく良く分かります。

 

天主閣全体の模型

 

天主閣全体の模型もあります。
スケールは1/50。

 

4階以下の建物の形がやけにカクカクしてて不規則なのは、土台の形に合わせた結果でしょうね。
安土城天主の土台は不等辺多角形になっています。
だから後の世に現れる規則正しい四角形の連続で構成されたスマートな天守と比べると、形的にはやや不細工。
でもまあその分武骨感が出てて強そう~って見方もできますけどね。

 

VR安土城シアター

 

復元天守の裏にはシアターがあります。
こちらではかつての安土城の姿を再現したCG映画が日に数回上映されています。
設定としては、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスが安土城を建てた大工の棟梁である岡部又右衛門(おかべ またえもん)の案内を受け、城内を案内してもらうという趣向になっています。
上映時間約15分。

 

これが良くできてましてね。
直前に安土城を歩いてから見ると、おーこの場所って昔はこんな風に建物があったのかーって感動が味わえます。
なのでできれば先に安土城に行ってから観ることをお勧めします。

 

なお同じムービーが安土城入口にある「城なび館」でも見られます。

 

築城の様子のジオラマ

 

こちらは築城時をイメージして作られたジオラマ。
工事中の風景が再現されています。

 

地獄だったでしょうね、建設に携わった現場の人間は。
どうせ強制労働でしょ?
重機も何もない戦国時代に、人力で石とか資材を山の上まで運んで石垣や建物を作らされるんですよ。
そんなのカネもらってもやりたくないですわ。
でもいつの時代も弱者に拒否権はなく、こうやって貧乏くじを無理矢理背負わされるのです。

 

被征服者ってつれーなー。
この構図は現代もそう変わらんけどね。

 

饗応の献立

 

こんな妙なものもあります。
メシ。

 

これ何かと言うと、信長が甲斐の武田攻めを終えた後、家康を始めとする武勲を挙げた家臣達をねぎらうために用意したものなんだそうです。
多分料理の献立表みたいなものが残ってんでしょうね。

 

ちなみにこの饗応の準備にはかの明智光秀も関わってたんだけど、信長にやり過ぎじゃッて言われてボロクソに怒られたそうです。
その事件が発端となり、後の本能寺の変に繋がったんだとか。

まあこのエピソードは後の世の創作と言われてるけどね。

 

安土城天主の6階外観

 

かつての安土城天主の様子が見られる信長の館。
カッケーですよ!
マジカッケーですよ!
ここは絶対に来て損はしませんから!
どうぞ信長という男が生み出したパワーとエネルギーを、思いっ切り感じていって下さい!

 

 

安土城天主 信長の館

住所:滋賀県近江八幡市安土町桑実寺 800

TEL:0748-46-6512

ホームページ:滋賀・びわ湖観光情報サイト

 




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