浅野川稲荷神社 お子様狛犬のじゃれつく姿にメロメロ
2020年11月14日
浅野川大橋を背に川沿いを上流に向かって歩いていると、右手にこじんまりとした神社が現れます。
ぼーっと歩いてるとそのまま過ぎ去ってしまいそうなくらい、地味~な神社。
それが浅野川稲荷神社です。
創建がいつ頃なのかははっきりしないのですが、現在の地に社殿を構えたのは江戸時代前期。
元々はここから車で20分ほどの所にある久安の御馬神社(みうまじんじゃ)から勧請(神様を分けてもらう事)してできた神社だそうです。
入口には立派な門。
木造瓦葺きの四脚門です。
重量感ありますわな、柱や冠木(かぶらき・上に渡された梁)がずっしり太くて。
上にかぶさる黒瓦が重々しくて。
退色した素の木肌に独特の深みが出てて。
その両脇に接続された玉垣は「お稲荷さんカラー」である鮮やかな朱色。
これだけで見るとカッコイイのですが、全体で見ると赤→黒→赤のデコボココントラスト。
色使いメチャメチャやん(笑)。
そのツートンカラーな入口をくぐると、中には鳥居と社殿。
敷地が狭いせいで、超コンパクト。
鳥居は当然赤、お稲荷さまなので。
材は柱も笠木(上に渡された横材)も貫(ぬき・笠木の下に渡された横材)も全部丸木。
小さな神社らしい、威圧感の弱い穏やかな造り。
その向こうには、もうひとつの神社のお決まりである狛犬。
雌雄一対で向かい合い、邪なるものの侵入を監視します。
この狛犬、面白いのですよ、右側が。
ちょっとアップで見てみます。
子持ちです。
たま~に見ますよね、子持ち狛犬。
でも私的な感覚としては、ガチガチ硬派なイメージの狛犬が子供連れてるって、な~んか変。
しかもこの子供狛犬、めっちゃじゃれついてるし(笑)。
人間的に言えば、子供抱っこしながら仕事してるお母ちゃんみたいな感じですかね。
威厳や迫力よりも、ほのぼの~とした温かみあふれる狛犬です。
拝殿は狐格子の引き違い戸が4枚。
当然色はザ・お稲荷さんレッド。
ちょーっと画像だと提灯が邪魔してて見えませんが、中央に大きな扁額(へんがく)が掲げられています。
額内には「正一位稲荷大明神 日吉二宮大権現」の文字。
ここから分かる通り、この神社にはお稲荷様と共に日吉明神も合祀(ごうし・一緒に祀ること)されています。
日吉神社は滋賀県大津市に総本社を置き、全国に3,800もの支社を持つ大神社です。
それがどういう経緯でここのお稲荷さんと合体したのかは不明ですが、古くより「祈れば必ず病が癒える」と信じられ、大切に崇められてきたそうです。
社殿内部はこんな感じ。
手前と奥との床高に段差を付け、かろうじて拝殿・本殿の境界を設けてはいますが、ほぼ一体化しています。
その境界の上部には金文字で「日吉宮」としたためられた扁額。
かなり古くて、レトロ感むんむん!
いつ頃のものなんですかね?
良く見ると手前左側と中央奥の2か所に社(やしろ)が据えられています。
奥の社の両脇には白狐が確認できるので、恐らくこちらはお稲荷様でしょう。
という事は手前にあるのが日吉明神、という事でしょう。
境内の右側にはこんなのもあります。
石碑。
画像だと光の加減で何て書いてあるか判別できませんが、「宝生紫雪先生終焉之地」と彫られています。
宝生紫雪とは能の役者さんで、宝生流という流派の15代目。
「紫雪」は隠居後の名前で、一般には宝生弥五郎友于(ほうしょう やごろう ともゆき)という名前で知られています、知らんだろうけど。
わたしも知りませんわ。(←おいっ)
鹿の像の意味については不明。
宝生流と何か関係あるんですかね?
あるいは奈良の春日社と何か縁があるとか?
ちょっとその辺に関する情報が全くなく、謎です。
浅野川のほとりにたたずむ地味で小っちゃ~い神社、浅野川稲荷神社。
派手な見所は何もないですが、地元でずっと愛され続けてきた神徳の高い神社です。
近くを通った際にでも、ぜひお参りください。
すぐそばには泉鏡花の小説に登場する女性をモチーフにした「滝の白糸像」があります。
センサーに手をかざすとぴゅーっとアレがでるヤツですね。
何が出るかはお楽しみ。
どうぞ現地でご確認ください。
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