
金沢城 色紙短冊積石垣
2019年05月04日

金沢城は別名「石垣の博物館」とも呼ばれておりまして。
江戸初期のものから晩期のものまで、異なる時代に建造された様々なスタイルの石垣が混在しています。
つまりここに来れば石垣の技術がどのように発展してきたのかという流れを、ざっと俯瞰することができるのです。
そしてその中でも最高峰とも言える大傑作。
それが今回紹介する「色紙短冊積石垣(しきしたんざくづみいしがき)」です。
ご覧の通り完全にアート。
めちゃめちゃビューティフルです。
場所は金沢城内にある玉泉院丸庭園の外周。
この庭園は前田家の身内だけが入れるプライベートな場、つまり完全な私的空間だったわけです。
それゆえか実に遊び心に富み。
その極地がこの色紙短冊積石垣でした。
縦横きれいな直線に成形された石材は色とりどり。
それぞれが精緻に組み合わされ。
あるものは多角形、あるものは正方形、そしてあるものは長方形。
正方形の石を「色紙」と呼び。
長方形の石を「短冊」と呼び。
付いた名前が「色紙短冊積石垣」。
カッコええね!
そもそも石垣とはなんぞや?という話をすると。
防御システムなんですね。
敵の侵入を食い止める壁、それが石垣本来の役目。
ところがこの石垣はと言うと。
遊んでます。
完全に遊んでます。
全然敵の侵入止める気ありません。
いらんやん(笑)。
でもここは先述の通り、前田家の私的空間なのです。
なので堅苦しく考えなくてもいいのです。
「あーあそこにちょっと石垣作って、なんかこー、オッシャレ~な感じで頼むわ」
みたいな指示があったのかもしれないですね。
そして出来上がった石垣。
石垣としての機能性を完全に無視して、意匠性だけに特化した超スタイリッシュなデザイン。
実際こんな石垣、日本中を見渡してもここにしかないそうで。
斬新さハンパない。
こんなの考えた人エライ!
そしてそれを許した藩主のノリの良さもエライ!
金沢城にお越しの際にはこの色紙短冊積石垣、必ず見て行ってください。
遊び心満点、石垣アート究極の到達点。
どうぞ心行くまでご堪能を。
時間のある人は、城内の石垣もぐるっと一通り見て行ってください。
玉泉院丸庭園の建物内にパンフレットがあるはずです。
それを参考に回れば、効率よく見られますよ。
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金沢城 色紙短冊積石垣
住所:石川県金沢市丸の内 1
TEL:076-234-3800
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