倶利伽羅峠
2019年03月26日
源平合戦。
かつて源氏と平氏が雌雄を決した戦い。
日本史の授業で必ず習うので、知らない人はいないはず。
中でも大きなターニングポイントとなったのが、ここ倶利伽羅峠で繰り広げられた戦いです。
「火牛の計」で有名な、ちょっとファンタジックな戦い。
このあたり、もう少し時間を遡ったところから見ていきましょう。
[予選 保元の乱]
平安時代末期、まだ公家が政治の実権を握っていた頃。
崇徳(すとく)上皇と後白河(ごしらかわ)天皇の間で皇位を巡ってゴタゴタが起こります。
結果的に後白河天皇側が勝利するのですが、この時後白河天皇側についた武家勢力が平氏であり源氏でした。
まだ両者の立場はあくまでイーブンの関係でした。
[第1ラウンド 平治の乱]
その後メキメキと頭角を現すのが、ヤリ手政略家の平清盛(たいらのきよもり)。
政治の中枢に巧みに入り込み、着々と権力基盤を固めていきます。
当然源氏の連中は面白くない。
そこで一発逆転を狙って挙兵、が、敗北。
これにより平氏の力はかえって盤石なものとなってしまいます。
[第2ラウンド 治承・寿永の乱]
この頃の平氏の隆盛を物語る有名な言葉があります。
「平家にあらずんば人にあらず」です。
もう完全に調子に乗ってますね。
そんな平氏の横暴ぶりに業を煮やした以仁王(もちひとおう)が、ついに平氏打倒の令旨を発布。
これに呼応したのが源氏方である木曾義仲(きそ よしなか)でした。
信濃国(今の長野県)で挙兵し、平氏方の城助職(じょう ながもち)の軍を撃破、そのまま北陸へと侵攻します。
そしてここ倶利伽羅峠で、都から討伐にやって来た平維盛(たいらのこれもり)の大軍とぶつかる事になるのです。
やっと倶利伽羅峠まで話が進んだ(笑)。
この時の兵力、義仲4万に対して維盛10万。
戦力差は歴然でした。
しかし戦略上の狙いで、維盛は10万の内3万を能登国志雄山に配置。
残る7万で義仲と対峙する形となりました。
それでもまだ3万の兵力差。
さーどうする、義仲??
で、取った作戦が奇襲。
寡兵で大軍に立ち向かう時の常とう手段ですな。
ここで注目したのが地形。
維盛の陣取った場所は裏側が谷でした。
よし、これを生かそう!となったのです。
まずは維盛軍正面をぐるっと囲むような布陣で軍を展開。
夜を待ち、わーーっと一斉攻撃を仕掛けます。
この時使われたのが「火牛の計」。
牛の角に松明を付け、敵陣に向かって突っ込ませたというものです。
へー、そんな事できんの?と思われるかもしれませんが、おとぎ話です。
あくまで後世の人が付け加えたフィクションです。
実際は人間がわーわー叫びながら襲撃したのです。
で、慌てふためいた維盛軍。
回れ右して一目散に逃げ出します。
しかしその先にあるのは谷。
しかも夜、よく前が見えない。
次々と谷に落ち、あえなく自滅します。
こうしてたった4万の義仲軍が10万の維盛軍に快勝。
この戦いで完全に勢いづいた源氏軍はあっさり都を手に入れ、その後西方へと平氏方を追い込み。
壇ノ浦にて平氏打倒の悲願を成し遂げるのです。
つまりここ倶利伽羅峠は、平氏にとっても源氏にとってもまさに死活を分けた天王山となった場所、という事なのです。
そんな歴史の大転換の舞台となった倶利伽羅峠。
現地は山・山・山ですが。
大丈夫。
空気は美味しいです!!(←?)
どうぞ思いっ切り深呼吸しに来てください!!
あ、いや。
歴史ロマンを楽しみに来てください(笑)。
源平倶利伽羅古戦場
住所:富山県小矢部市埴生
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