
兼六園 日本武尊像
2018年08月28日

兼六園で最も違和感を醸し出している構造物。
それがこの「日本武尊像(やまとたけるのみことぞう)」です。
場所は「千歳台」と呼ばれる、園内で一番見晴らしのいい広場。
曲水がゆるゆると流れ、日本庭園らしい古蒼な空間が広がる中。
唐突に、この時代感をスっ飛ばしたようなデカい銅像がどん!と現れるのです。
石垣1m+台座6.5m+像5.5m、で合計なんと13m!
なんじゃコリャ?と、普通なら思うでしょう。(少なくともわたしは思った)
そもそも兼六園のルーツは江戸時代。
前田の殿さまの隠居所から始まり、後に庭園化されたものです。
そしてこの像が建立されたのは、そこからさらに下った明治時代。
つまり庭園設計の流れの中で生まれたものではないのです。
もうちょっと平たく言うと、兼六園と全然関係ないのです。
じゃあなんなのコレ?という事ですが。
今人気の(←?)せごどんが絡んでまして。
1877年(明治10年)に勃発した西南戦争に参戦し命を落とした、旧加賀藩士の慰霊碑として建てられたのです。
モデルとなったヤマトタケルってのは、古事記とか日本書紀なんかに登場する古代の英雄で、熊襲(クマソ・今の九州南部)を平定したと伝えられています。
西南戦争も九州での出来事ですから、それにあやかってこの像が建ったようです。
まあ戦没者の鎮魂という銅像建立の意図については、全然オーケーだと思うんですが。
場所がなんでここなのかなー?と。
護国神社とか、山の高台とか。
もっと相応しい場所があったんじゃないのかなー?と。
この像を見るたびに、わたしいつも思うのです。
どうでしょう?
とは言え。
見た目的にインスタ映えするためか、写真スポットしては結構人気で。
かなり多くの観光客の方々が、この像をバックに写真を撮って行かれます。
日本武尊像。
兼六園の空気感の中では少々浮いちゃってますが。
実は「戦争」という重い歴史を背負った。
すごく意味の深~い像なのです。
兼六園
住所:石川県金沢市兼六町1
TEL:076-234-3800
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