店主たみこの観光案内ブログ

金沢神社(境内編) 空に浮かぶ鳳凰に惚れ惚れ♪白龍にアレ?

2021年01月25日

金沢神社の拝殿

 

兼六園に隣接する金沢神社。
前回の記事では鳥居から楼門までのアプローチ部分を見てきました。
今回はいよいよ心臓部の境内へと進んでいきます。

 

朱塗りの楼門をくぐると、ばっと目に飛び込むのが拝殿。
ここがいきなりクライマックス!

 

い~いじゃないですか、このマスク♪
ガン!と目に刺さるような赤・黒そして白。
安定感抜群のシンメトリー(左右対称)構造に、伝統的な和風建築の仕様がびっしりと詰まってて。
燃えるようなエネルギー感!!

 

いますゼ!
ここに神さま、絶対いますゼ!

 

拝殿の向拝

 

形式は入母屋造りの三間社。
入母屋ってのは屋根の形、三間ってのは正面から見て主柱が4本あるからその柱と柱の間隔が3つあるって事を意味します。
前面には大振りな向拝(こうはい ※ひさしの事)がばさっと張り出し、その下には2本の真っ赤な向拝柱を配し。
柱上部に渡された虹梁(こうりょう ※横木の事)には雲様の文様を施し、中央上部には構造支持材である蟇股(かえるまた)がガシッと腰を下ろす。
その蟇股の中心には、金装飾で飾られた前田家の家紋である剣梅鉢紋がキラリ。

 

もーイケイケですな!
圧倒的な風格です。

 

拝殿の鳳凰の鬼瓦

 

特に注目して欲しいのが、天頂にそびえるこの鬼瓦。
鳳凰ですわ、鳳凰!
10本に分かれた尾を放射状に広げ、両翼をゆったりと斜め下に垂らし、首をきゅっと上げて訪問者を見下ろす。

 

カッコええですわ~この瓦♪
各神社、聖獣として色んな動物を祀ってますが、ここまで効果的に鳳凰を使ってる例はちょっとない。
もー見れば見るほど。

 

・・・持って帰りたい!!(←おいっ!)

 

金沢神社の拝殿内部

 

拝殿の中はピカピカ。
平成5年に鎮座200周年の大整備を行ってるので、その時に多分リフォームしたんでしょうね。
床なんかワックスでつやつやになってます。

 

内装は中央上部に「菅原大神」の文字をしたためた扁額、その両脇には何を描いてるのかさっぱり分からん(←笑)扁額がひとつずつ。
どれもボロボロで歴史感むんむん。
建物がきれいな分、ちょっとアンバランス。

 

天井の白蛇龍神の画

 

で、内部をじろじろ見たら、次は上を見て欲しいのですよ。
天井一面に描かれた、がおおっー!とこちらを威嚇してくる白いライオンの画!!

 

なのですが、よーく見ると胴体が蛇。
どうもこの動物、ライオンじゃなくて龍のよう。

 

ここで思い出して欲しいのが、前回の記事で紹介した龍の灯篭。
そう、この絵はこの神社で祀られている白蛇龍神なのです。

 

描いたのは山田俊一。
金沢在住の日本画家です。
この画を書き上げるのに2年半もかかったんだそうで。

 

画面右下に裸んぼうの赤ちゃんが浮いてんの分かりますかね?

これ、天使っぽく見えるけど、普通に「人間」を描いたものだそうです。

貴賤に関係なく、神の前では人は皆同じ、ってのがこの裸んぼうの意味なんだとか。

 

・・・どっからどー見てもライオンに食われそうになってる子供にしか見えん(笑)。

 

金沢神社の夢牛

 

その拝殿の左横にこんなのがあります。
夢牛。
願い事を念じながらなでなですると、願いがかなうんだそうです。

 

ご存知の方も多いと思いますが、牛は天神さまの神使。
かつて菅原道真が亡くなった際、その遺体を牛が背に乗せて運んだと言われています。
ゆえに天神さまを祀る神社には、こういった牛にまつわるものがほぼ必ずあります。

 

ちなみにこの牛像を彫ったのは、以前このブログで紹介したハニベ巌窟院の記事に登場した都賀田勇馬(つがた ゆうま)。
あの石川県の誇る超珍スポットとこの金沢神社が、実は意外な形でつながっているのです。

 

清め砂

 

さらに拝殿右側ちょっと奥にはこんなのもあります。
清め砂。

 

この砂、持ち帰り自由。
家の中の気になる所にまいて、お清めに使うものなんだそうです。

 

わたしの家、ナンかいるのよね~って人。
持ち帰ってまけば、もう出なくなるかもしれませんよ!(←何が?)

 

鳥居トンネル

 

その清め砂のすぐわきにはこんなのがあります。
鳥居トンネル。
鳥居の数は10本だったかな、12本だったかな?
そんなに多くはないけど、朱色の鳥居がずらずらずらっと並んでます。
これがあるって事はひょっとしてお稲荷さんが祀ってあるの?って事ですが、はい祀られてます。

 

白阿紫稲荷大明神

 

それがこちら白阿紫稲荷大明神(はくあしいなりだいみょうじん)。
商売繁盛の神さまです。

 

この神さま、一時期東京へ行っちゃった時期があったそうです。
と言うのも廃藩置県で加賀藩がなくなった時、前田の最後の殿さまと一緒に東京へ引っ越しちゃったから。
でも地元の人が戻してくれ~戻してくれ~と懇願し、改めて帰ってきたんだそうです。
今で言うUターン就職みたいなもんですかね?

 

それは違う??(笑)

 

金沢神社の絵馬

 

サイズは小さいですが、面白さ満載の金沢神社。
どうぞご訪問の際には、隅々までい~っぱい観察していってください。

 

神社のすぐ隣は兼六園、道1本渡れば国立工芸館を始め文化施設がうじゃうじゃあります。
さらにちょっと先には金沢21世紀美術館金沢城も。
観光ネタには事欠かないエリアです。
どこ行くか?どこ行くか?思いっ切り悩みながら遊んでってください!

 

 

金沢神社

住所:石川県金沢市兼六町 1-3

TEL:076-261-0502

ホームページ:金沢神社公式サイト

 




エリア >> 石川県 > 金沢市 > 兼六町

 

関連タグ >> 神社 金沢神社 

 


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コメント

 

1.間違った

金沢大好き、三重県のふくもっちゃんです。
前回のコメントで兼六園に100回以上行った、と言うのは、50回以上の間違いでした。すみません。
神社に行くと、だいたいお参りするだけなので、じっくり見てくる事は無いんですよねぇ。
金沢神社も5回お参りして写真撮っただけ。
今度行ったら、じっくり見て来ようと思います。
早く行きたいんですけどねぇ、仕事柄、なかなか行けないんです。

ふくもっちゃん 2021-01-25 23:00:30

>> このコメントに返信

2.Re:間違った

> ふくもっちゃんさん
わたしはジロジロ見まくります。
ほぼ不審者です。(えへん!)

たみこ 2021-01-26 20:29:47

>> このコメントに返信

 

 

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