店主たみこの観光案内ブログ

石浦神社 逆立ち狛犬で有名な神社

2020年05月06日

石浦神社 拝殿

 

観光客が激しく往来する広坂の交差点。
その角にちっちゃな神社があります。
石浦神社です。

 

神社の公式アナウンスによると、創建は古墳時代(574年)。
金沢で最も古い神社だそうです。

 

石鳥居

 

まず入口にずどーんと現れるのが石造りの鳥居。
高さは5メートルほどですかね?

 

形状は典型的な明神鳥居。
柱を内側に傾斜させ、笠木(一番上に渡された横材)の両端にはシャープな反り。
中央に据えられた黒い扁額には、篆書体(てんしょたい)の古めかしい字体で「石浦神社」としたためられています。

 

神社のエントランスとしては、比較的オーソドックスな造り。
地味っちゃ~地味かもしんないですね。

 

石浦神社 拝殿正面

 

その鳥居を抜けると、すぐ真正面が拝殿。
これがなかなかイケてましてね。

 

正面には太い向拝柱が4本どんどんどーん!
その上に渡された虹梁には雲形文様が大きく優雅に彫られ、その虹梁と軒との間にはこれまた雲形文様で飾られた蟇股(かえるまた)が4基。
神社建築らしい、見事な装飾が施されています。

 

拝殿軒裏

 

屋根の下にも注目。
軒下もなかなか手が込んでいるのです。

 

縦にずらっと並んでいる部材を垂木(たるき)と呼ぶのですが、これは通常一重、または二重で構成されています。
しかしここの場合は三重。
いわゆる三軒垂木(みのきたるき)となっています。
当然こんなことするとひと手間もふた手間も増えるのですが、そこは宮大工さんの心意気なんですかね、目立たないところまで手を抜かずしっかりと作り込まれています。

 

木鼻のバク彫刻

 

この木鼻もい~いじゃないですか♪

 

木鼻ってのは虹梁と柱の交わった先のちょびっとはみ出した部分の事を差しまして、ここには通常なんらかの飾りが施されます。
最も一般的なのが雲形文様とバク。
この神社の場合はご覧の通りバクの彫刻があしらわれており、この細工がきわめて細かいのですよ。
たてがみをぐるぐるとうねらせ、口をあぐっと開いて。
顎の下には折りたたんだ前足を二本、指の先には鋭い爪。
そして目には彩色。
金色の瞳で前方をギロリと睨みつけています。

 

まるで今にも動き出しそうな臨場感。
触ったら噛みつかれそう!

 

石浦神社拝殿内部

 

拝殿の内部はこんな感じ。

ここもイケてますね!

 

上部に「石浦神社」としたためられた木製の大きな扁額。

その下には一対の黒い狛犬。

ちょっと距離があってよく視認できませんが、木製ですかね?

その先が祭祀のための外陣となっており、さらにその奥がお供え物を捧げる幣殿(へいでん)、最奥がご神体の収められている本殿。

奥行きの深い、重厚な造りになっています。

 

中でも特に見て欲しいのが、手前にある左右の丸柱と梁の接する場所に施されている一対の彫刻。

迫力満点の獅子!

この面構えがンもぉ~~カッコ良くて!!

こんなスゲーのあるなら下の狛犬いらんやん、みたいな(笑)。

作家さんの高いセンスがギンギン伝わって来る名作です。

 

石浦神社のおみくじトンネル

 

拝殿のすぐ脇にはこんなものが。
おみくじトンネル。
参拝者の願いがこもったおみくじが、びっしりと結び付けられています。

 

何気にこのピンクの色がファンタジックですわね。
どこか夢いっぱ~い♪というか、いかにも女子ウケしそうなビジュアル。

 

実際この神社、明らかに女子を意識してまして、お守りなんかのアイテムもかわいらしいデザインのものを多数揃えています。
『恋のパワースポット』的な神社を目指してんでしょうね。

 

神那の道

 

そんな野望(?)の一端がここにも。
神那(かんな)の道、または絵馬の小径。
まだ出来立てでスカスカですが、やがてここにはびっしりと絵馬がぶら下がる予定です。
その絵馬も、恋願い専用のピンクのハートマークがぽわんとデザインされたか~わいい絵馬。

 

うわ、こりゃ女子ウケするわ(笑)。

 

稲荷神社前の赤鳥居

 

そんな恋のトンネルストリートの奥、拝殿の左手側に、ちょっと隠れて目立たない摂社があります。
広坂稲荷神社、いわゆるお稲荷さん。
トレードマークの赤い鳥居を目印に探してください。

 

稲荷神社

 

鳥居の向こうのお社はこんな感じ。
銅板葺きの屋根の建物の中に、こじんまりとした拝所が設けられています。

 

が。

 

それより見て欲しいのが、このちょっと手前右側に置かれている狛犬。
石浦神社、何気にこの狛犬が有名なのです。

 

石浦神社の逆立ち狛犬

 

それがコチラ。
逆立ち狛犬。
ご覧の通り、狛犬が後ろ脚を蹴り上げて逆立ちしています。

 

これ全国的に見ると、ものすごーく珍しいポーズなんです。
県によっては1体もないところもあるんだとか。
そんな超レアな狛犬が、ここ金沢ではなぜかアチコチの神社で見られるんです。
わたしの知ってるだけでもこの大浦神社を始め、宇多須(うたす)神社大野湊神社諏訪神社小坂神社板屋神社にあるのを確認しています。
さらに西養寺(さいようじ)や来教寺(らいきょうじ)といった、お寺で見られるケースもあります。
市内全寺院を調査した訳じゃないので、探せば多分他にももっとたくさん見付かるでしょう。
ウソかホントかは分かりませんが、金沢市内の神社の約1割にこの手の逆立ち狛犬がいるとも言われています。

 

この逆立ち狛犬ネタ、なかなか面白いのでいずれはきちんとまとめて記事にしたいと思っています。
いつになるか分かりませんが。

 

衣真の道

 

最後の見所スポットはこちら、「衣真(きま)の道」。
別名「101鳥居」。
その名の通り101基の鳥居がズラリと並べられています。
京都伏見稲荷の千本鳥居には遠く及びませんが、それでもここをくぐってるとちょっと神々しい気分。
なんとなくありがた~い神パワーをいっぱいいただいてるような、不思議な感覚を味わえます。
短いのでくぐり終えるのに1分もかかりませんが、せっかく来たならぜひこの赤いトンネルも歩いてみてください。

 

石浦神社エントランス

 

県内最古の神社、石浦神社。
敷地が狭く、さらっと見ると10分もかからず全部見通せちゃうサイズ。
だけど細かく見ていくと、面白いポイントがぎっしり。
特に逆立ち狛犬はかわいいので、ぜひ見てってください。

 

境内には常時テキ屋も出ています。
お腹が空いたしタコ焼き食べてちょっと休憩、なんて使い方もできますよ!

 

 

石浦神社

住所:石川県金沢市本多町 3-1-30

TEL:076-231-3314

ホームページ:石浦神社公式サイト

 




エリア >> 石川県 > 金沢市 > 本多町

 

関連タグ >> 神社 逆立ち狛犬 

 


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