金沢市立中村記念美術館

 

兼六園のすぐそばに1軒の美術館がひっそりと隠れるようにあります。
中村記念美術館です。

 

場所は通りからちょっと入った先。
の、さらにちょっと曲がった先。
めっちゃ見付けにくいです（笑）。

 

「中村」とはこの美術館を設立した人の名前で、フルネームは中村栄俊（なかむら えいしゅん）。
造り酒屋の社長さんだった人です。

 

日栄ってご存知ですかね？
石川県の有名地酒ブランドのひとつで、会社は金沢のお隣の野々市にあります。
初代は中村栄助という人物で、創業は明治3年。
ざっと計算すると149年前。
超老舗ですな。
栄俊の生まれは明治41年だから、栄助はおじいちゃん、栄俊は孫って関係になるんですかね？
その辺の詳しい関係は不明なのですが、栄俊現役バリバリの頃、ビジネスはかなり好調だったようです。
そして儲かったお金で美術・骨董品をバンバン買い集めたのです。

 

今でもいますわな、そんな社長。
カネにモノを言わせて、美術品をおもちゃのように買い集める人。
まあ成功者にとっては、ひとつのステータスなんでしょうな。
わたしなんかラーメンに玉子ひとつ付けるのにも、んんーーーーーっっっ！！！と真剣に悩むのに！（←それはそれで貧乏すぎ）

 

で、散々集めてこう思ったらしいのですよ。
「美術品は個人のものではねー！人類共有の財産だ！」と。

 

もう余裕ですな。
さすがお金持ち。
わたしなんかラーメンに付けた玉子は絶対にわたしのモノ、死んでも他人になんかあげませんよ！（←それは論点が違う）

 

こうして個人の出資により、美術館ができあがったのです。
開館当初は、現在の建物からちょっと離れたところにある旧中村邸が使われていたそうです。
その後昭和50年に、建物＆コレクションの全てを金沢市に寄贈。
さらに平成元年、市政100周年を記念して新たに鉄筋の新館を建設、それが今使われている建物です。

 

まあこんな流れなので。
ロビーには栄俊の写真がででーん！
栄光に満ちた生涯と、文化活動に捧げた熱い情熱が、輝かしい功績としてパネルにつづられています。

 

いいなあ成功者は。
わたしもいつか銅像くらい建つかなあ？
絶対建たないから自分で建てようかなあ？
でもきっと、誰？って言われて終わりだろうなあ・・・（悲）。

 

館内は2階建て。
1階はロビーとショップ。
さらに茶室なんかもあります。

 

2階は展示室。
コの字型のスペースで、正直そんなに広くはありません。
すたすたっと歩くと1分もかからないくらいのサイズ。
なので腹いっぱい色んなモン見たいわ、って人にはちょっと消化不良かも？

 

ただその分、変化は付けてると言うか、展示内容は結構頻繁に入れ替えているようです。
最新の情報は公式サイトでチェックして欲しいのですが、基本は茶道・工芸分野が基軸のようで。
そもそも栄俊自身、茶道に深い造詣があった絡みもあり、その手の展覧が比較的多く開かれています。
1階に茶室があるのもそんな関係からなのです。

 

さらに茶室と言えばもうひとつ。
美術館正面にはちょっとした庭園と独立した茶室「耕雲庵（こううんあん）」があります。
建物は江戸時代のもの。
シブイっスよ～♪
ただ庭園がクローズされてるので、遠巻きにしか見れないんですけどね。

成功者のステータスから生まれた中村記念美術館。
見どころ一杯！ボリューム満点！・・・とは言いませんが。
茶道や茶道具に興味のある人にはなかなか面白い場所かも？
軽～い気持ちで遊びに行ってみるのもいいかもしれません。

 

すぐ近くには金沢21世紀美術館、石川県立美術館、さらに鈴木大拙館なんかもあります。
金沢文化施設共通観覧券を使えばこの中村記念美術館も含め、市内18の文化施設が520円で1日見放題！
1日たっぷり使って美術館・博物館をハシゴするってのも楽しいですよ！

 

 

 

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