宇多須神社 ここにもいますゼ!あの神秘の霊獣がーー!!
2020年04月11日
金沢の有名観光名所ひがし茶屋街の奥、ちょこっと路地裏を入った先にこじんまりとした神社があります。
宇多須(うたす)神社です。
この神社、境内に掲示してある縁起を読んでもなんやらまとまりのない話がごちゃごちゃと書いてあり、結局なにがどうなってるのかよく分からんのですが。
わたしの解釈が間違ってなければこんな感じ。
718年(養老2年) 卯辰治田多聞天社(うたつはるたたもんてんしゃ・卯辰社)が卯辰山のどこかに創建
1599年(慶長4年) 卯辰八幡宮を現在の宇多須神社がある場所に創建し、前田利家を祀る
1746年(延亭3年) 卯辰社を卯辰八幡宮内に移動(末社として?)
1873年(明治3年) 尾山神社ができて前田利家がそっちに行ってしまう
1881年(明治11年) 卯辰神社に改名
1901年(明治34年) 宇多須神社に改名
2004年(平成16年) 尾山神社から分霊された前田利家が返って来る
・・・と文字で書くとやっぱり分かりにくいので、図解にしたのが下の図。
まあこんな感じですわ、多分。
ただこの流れだと、この神社の主体はあくまで卯辰八幡宮であり、卯辰社は後から合流しただけなので、創建年は卯辰八幡宮の1599年であるべきだと思うのですが。
どんなソースを見ても、創建年は卯辰社の718年とされています。
コレ、な~んか違うんじゃね~の~??と思うんだけど。
どうですかね?
どうでもいい??
創建年の話はこの辺にして、神社を見て行きましょう!
まず入口にどどんとそびえるのがこの大きな石鳥居。
笠木(天頂の横に渡されたパーツ)がすらっと反り上がった、典型的な明神鳥居。
中央の扁額には「宇多須神社」の文字。
両脇には玉垣がぐるりと伸び、神社の聖域をがっちりと囲い込む。
この鳥居を通して見るビジュアルがいいのですわ。
白い石畳が真っすぐに伸び、その先に階段。
階段の頂上には灯篭が2基並び、その向こうに拝殿の大屋根がどどーん!!
も~引かれますわ、ぐいぐい引かれますわ。
強烈な「コッチ来い」引力が、ダイソンのサイクロン掃除機をはるかに上回るパワフル吸引力でぎゅぉぉぉーーーッッッと引っ張り込んできますわ!(←意味不明)
が、ちょっとその前に見て欲しいのが、鳥居の右側すぐ後ろにある狛犬。
後ろ足をぴょーんと蹴り上げてます。
世に言う「逆立ち狛犬」。
珍しいっしょ?
狛犬が逆立ちしている理由については諸説ありまして。
一番有力なのが、かつて狛犬のポーズについてかなり自由な時期があったらしく、その時に遊びで作られたのがコレ、ってことらしいです。
要は作った人の茶目っ気ってコトですな。
で、先に進むと現れるのがこの拝殿。
神社と言えば曲線屋根が主流ですが、ここの拝殿は直線!直線!ひたすら直線!
大屋根はばっさり本を伏せてかぶせたような切妻屋根。
前面に張り出す向拝屋根はやっぱり三角形の千鳥破風。
ザ・直線!
大屋根の棟上を見てください。
横向きに乗っけてある棒、これを鰹木(かつおぎ)って言うんですが、数えると全部で9本あります。
奇数は神社の主祭神が男性であることを表します。
そして棟の両端にある上に向かって突き出た枝、これを千木(ちぎ)って言うんですが、先端が垂直に切り取られています。
この形を男千木(おちぎ)と呼び、これも男性神であることを表します。
ここは前田利家を祀るために作られた神社、当然建物は男性形になるのです。
内部を覗くと、至る所に前田家の家紋である剣梅鉢!剣梅鉢!剣梅鉢!剣梅鉢!剣梅鉢!剣梅鉢!
室内全面前田祭り状態!!
しつこいわ!(笑)
珍しいのは狛犬ですね。
室内に狛犬がいるってあんまりないケース。
そもそも狛犬というのは魔を払う守護獣としての役割があるので、建物の外や神社の入口にいるのが正しいポジション。
室内にいちゃ意味がない。
それがなんでこんなトコにあるかと言うと、多分ですが、昔は外にあったものを室内に持ってきたからじゃないですかね?
例えば老朽化による入れ替えで古い方をこっちに持って来たとか、あるいは他の閉鎖した神社から持ってきたとか。
恐らくそんな感じでしょう。
拝殿の左横には七福神。
左から順番に弁財天、恵比寿、毘沙門天。
あれ?七福神なんだからあと4体いるんでねえの?って感じなんですが。
いないんですわ、どこにも。
よっぽど見付けにくい所に隠れているのか、あるいは本当に3体しかないのか。
真相は謎です。
大黒・布袋・寿老・福禄の神様ーーー!!!
どこにおるんやぁーーーー?????
拝殿の左脇をさらに進むと井戸が現れます。
こちらは「利常公酒湯(ささゆ)の井戸」と呼ばれるもの。
なんでも五代目藩主の前田綱紀(まえだ つなのり)が疱瘡(ほうそう・今でいう天然痘)を患った際、おじいちゃんの利常(としつね)がこの井戸から汲んだ水を沸かし酒を混ぜて体にかけたらきれいに完治したんだとか。
以来なんやらありがた~い水として珍重されてきたそうです。
わたし思うんですけどね。
それは多分、酒が良かったんですよ。(←ソッチか?)
地味だけどツッコミ所(?)いっぱいの宇多須神社。
ゆる~い気持ちで遊びに行ってみてください。
のんびりした楽しいところですよ。
あっとそうそう、この神社、忍者がいます。
どこにいるのか?
それは自分の目で探してみてください。
気を付けて探さないと、後ろから手裏剣ザクッ!と飛んで来るかもしれないのでご注意を!
ニンニン!
関連タグ >> 神社 卯辰山寺院群
コメントをする
東山の最新記事一覧

お茶屋美術館 お茶屋文化の次元の高さに驚け~
2022年11月12日
現在も脈々とお茶屋文化を継承し続けている金沢のひがし茶屋街。そんなお茶屋文化の一端を見られるのが、今回紹介するお茶屋美術・・・
カテゴリー:観光名所

志摩 スゲーわ、派手だわ、鼻血出そうだわ
2022年03月12日
オールドな茶屋建築が軒を連ねる金沢のひがし茶屋街。今でもお茶屋さんとして営業している店が数件残っていますが、基本的に中に・・・
カテゴリー:観光名所

栄照山 了願寺 この難解な文書を解読できるか!?
2020年12月30日
犀川に架かる白い鉄橋、天神橋。その天神橋を卯辰山側に渡ったすぐ先に、こじんまりとしたお寺があります。了願寺(りょうがんじ・・・
カテゴリー:観光名所

祥雲山 龍国寺 謎の資金力を持つお寺
2020年10月14日
加賀友禅ってご存知ですかね?金沢の伝統工芸で、京都の友禅染にルーツを持ちます。今回紹介する龍国寺は、そんな加賀友禅と深い・・・
カテゴリー:観光名所

毘沙門山 来教寺 アナタはこの仏像の正体を見破れるか!?
2020年10月07日
卯辰山寺院群の一角にちょっと変わったお寺があります。来教寺(らいきょうじ)、天台真盛宗のお寺です。ここはかつての神仏習合・・・
カテゴリー:観光名所

長谷山 観音院 長階段のイジワル地蔵に負けるな!
2020年09月12日
いきなり漢字をズラっと並べます。高野山真言宗長谷山観音院(こうやさん しんごんしゅう はせざん かんのんいん)。北陸三十・・・
カテゴリー:観光名所

東山菅原神社 女子をシアワセにする神社?
2020年09月09日
ひがし茶屋街のちょっと奥に入ったところに、宇多須神社(うたすじんじゃ)があります。まあまあの存在感。でもよく見るとその向・・・
カテゴリー:観光名所

普香山 蓮昌寺 金沢で唯一いつでも大仏さまに会えるお寺
2020年09月05日
金沢四大仏。極楽寺の阿弥陀如来坐像、浄安寺の阿弥陀如来坐像、玄門寺の阿弥陀如来立像。そして最後のひとつがここ蓮昌寺(れん・・・
カテゴリー:観光名所

清澄山 西養寺 その3◆行方不明の普賢菩薩を探せ!
2020年08月22日
アバウトとカッコ良さが入り乱れるお寺、西養寺(さいようじ)の様子を前回・前々回と2回に渡って見てきました。最終回である3・・・
カテゴリー:観光名所

清澄山 西養寺 その2◆鐘楼に隠された神秘の仕掛けに気付けるか?
2020年08月19日
卯辰山寺院群を構成するお寺のひとつ、西養寺(さいようじ)。前回は色んなツッコミ所(←?)を見てきました。今回は一番の見所・・・
カテゴリー:観光名所
- 羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 part2 等伯の神画が見られるゼ~♪
- グリル&ハンバーグNINO ハンバーグ&ソーセージ&から揚げ コスパ高すぎ!腹いっぱい食えます
- 旧橋本家住宅 ここに人間が住んでたのが信じられない
- 富山市ガラス美術館 展示編 難しいゾ~、ガラスアート
- 富山市ガラス美術館 建築編 富山という土地を表現した建築アート
- 白山町遺跡現地説明会 永遠に答えが分からないのが考古学
- 薬王院 温泉寺 「あいうえお」はここから始まりました
- 餃子のあひる 餃子定食 この餃子、エンドレスに食えるわ~♪
- 栄谷丸山横穴群 コウモリに注意してご鑑賞ください
- 富山市郷土博物館 復元模型のテクノな仕掛けがイカスのよ!
- 富山城跡 千歳御門~日本庭園周辺 庭園の読み解き、楽しいわ~♪
- 富山城跡 水堀~西の丸 石垣の詳細がよー分からん、謎多きお城
- 羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 今しか見られない貴重なお宝がいっぱい
- 香満居 豚トロ黒胡椒炒め定食+担々麺 ボリュームも美味さも文句ナシの街中華
- 一乗谷朝倉氏遺跡 中の御殿跡・諏訪館跡庭園 こんなカッコエエ庭に憧れるわ~
- 一乗谷朝倉氏遺跡 南陽寺跡庭園・湯殿跡庭園 ちょっともったいないなココは
- 一乗谷朝倉氏遺跡 朝倉館跡 ここにはロマンが眠っています
- 一乗谷朝倉氏遺跡 雲正寺地区・平面復原地区 今も残る生々しい生活の痕跡
- 一乗谷朝倉氏遺跡 下城戸跡・上城戸跡 ここがディフェンスラインの最前線
- とんかつ勝亭 立山ロース定食 この肉、味もボリュームも極上だわ~♪