兼六園 栄螺山 お魚くわえたドラ猫を追いかけろ!?
2020年06月24日
兼六園で一番大きな池、霞が池。
その脇に小高い丘があります。
それが今回紹介する栄螺山(さざえやま)です。
栄螺と言えば国民的人気アニメ「サザエさん」を思い浮かべそうですが、アレとは全然関係ありません。
そもそも江戸時代にサザエさんやってないし!
で、なんで栄螺山って名前なのかと言うと、この山を登る道がグルグル渦巻いているから。
そのラインがちょうどサザエの殻のグルグルに似ているからという事なんですね。
ちょっと見てみましょう。
こんな感じ。
円錐状の山に巻き付くようにぐるぐる~っと道が伸びています。
なんかメリーゴーランドみたい。
もうちょっと分かりやすく、上から見た図にするとこんな感じ。
やや渦巻きの巻き数が中途半端ですが、ほぼ渦巻きです。
直線でも階段にすれば上まで登れんことはないですが、それだと傾斜の角度的にちょっとキツイ。
でもこうして渦巻き状にすれば老若男女優しく登れます。
ご高齢のナミヘイさんやフネさんだってラ~クラク♪
もうサザエさんネタはいい??(笑)
そもそもこの山、なんでこんなトコにポコッとあるのか言うと、わざわざ作ったからなんです。
この山のすぐ足元にある池が人口池でして、それを彫る時に出てきた土砂を積み上げてできたのがこの山なんです。
へ~~~って思えばそれまでの話なんですが、これ作ったの江戸時代ですよ、江戸時代。
重機もトラックも何もない江戸時代。
そんな時代に手作業でえっさほいさとこんなの積み上げたんですからね。
言語を絶する超筋肉労働だったはず。
モヤシ系のマスオさんなんかにゃ無理!無理!
サザエさんネタしつこい??(笑)
この山ね、所々に石垣があるのですわ。
理由は簡単、崩落防止のため。
こうやって補強しとかないと、雨とかで地盤が緩んでどばっ!と崩れちゃうんですね。
ただその石垣が今じゃい~い絵面になってまして。
がっしりした野面積みの粗さが果てしなくクール!
そこに苔なんかがポツポツッと生えてて。
時代感のある日本的な風景が、何とも言えないノスタルジックな気分を掻き立ててくれます。
頂上はこじんまりとした平地になっていて、宝塔と御亭(おちん)が設置されています。
まずは宝塔から見て行きましょう。
形状はご覧の通りの三重宝塔。
石造りです。
この石、よーく見ると二色の石が組み合わされています。
胴の部分が青戸室石、屋根の部分が赤戸室石。
いずれも金沢城の石垣にも使われている高級石材です。
内部は空洞になっていて、かつては仏像とお経、前田斉広(まえだ なりなが)の肖像が収められていたそうです。
でも今は行方不明。
どこに行っちゃったんでしょうかね?
そのすぐ近くに避雨亭と呼ばれる小亭があります。
「避雨亭」とは言っても周りに障害物が何もない山頂にポツンとあるので、雨に降られら間違いなく濡れます。
何が「避雨」なんだか(笑)。
でもその分、晴れの日は爽快。
高台だから眺めもいいですし、今は木が鬱蒼と生えてますが、昔はまだ樹高が低かったのでかなり向こうまで見渡せたそうです。
そんな絶景の中、ここで観月や茶会なんかが頻繁に催されたのでしょう。
殿さま専用の贅沢な遊び場、って感じですかね。
兼六園一の築山、栄螺山。
訪問の際には忘れずに登って、江戸時代の様子をイメージしながら、周りの景色をゆ~っくり楽しんでってください。
ふもとには親不知と呼ばれる石造りの通路があります。
ここから眺める霞が池がまた格別。
兼六園内の隠れた写真スポットともなっていますので、いい画が撮りたい人はここも忘れずに立ち寄ってください。
運が良ければ、お魚くわえたドラ猫追いかけて裸足で駆けてくゆかいな女の人に出会えるかもしれませんよ!(←サザエさんネタしつこい)
関連タグ >> 兼六園 庭園
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