店主たみこの観光案内ブログ

諸嶽山 總持寺祖院 エントランス編 経蔵の中にいる顔の赤い人の正体とは!?

2024年08月24日

総持寺祖院の境内

 

かつて曹洞宗の大本山として隆盛を誇った總持寺祖院(そうじじそいん)。
現在もその威容は健在で、輪島の山手に静かにそびえています。
以前こちらの経蔵に絞ってレポートしましたが、今回改めてお寺全体を見ていきます。

 

このお寺ね、何て言うか居心地がいいんですわ。
通常禅宗寺院と言うとストイックな仏道修行に没頭する閉鎖的なイメージがありがちですが、ここは全然オープン。
訪問者を快く迎え入れてくれます。

 

總持寺祖院の全体図

 

まずはお寺の全体図。

 

入口に三松関と呼ばれる門。
そこから境内に入り、左手に経蔵と白山蔵を見つつ、突き当りに巨大な山門。
山門をくぐるとロの字型の回廊がぐるりと庭園を取り囲み、正面に大祖堂、左に僧堂、右に香積台と仏殿、最奥に放光堂・伝燈院・慈雲閣、となっています。

 

寺域は広大。
時間をかけてゆっくり散策してください。

 

入口の三松関

 

三松関。
赤瓦が鈍く光る、シブ~イ門。

 

軒下の蟇股(かえるまた)の彫刻が特徴的ですな。
雲様にデコレーションされたものが3つ並んでででーん!
一見シンプルな造りの門を、何気にスタイリッシュに飾り上げています。

 

珪化木の復興記念之碑

 

参道はそのまま真っすぐ進むのですが、ここでちょっと左の広場に寄り道してみて下さい。
そこにこんな面白いものがあります。
パッと見、木みたいな見た目、でも触ったら石?どっち?

 

これ、珪化木(けいかぼく)と呼ばれるもので、木の化石です。
『復興記念之碑』と記されているので、平成19年の震災からの復興を記念したもののよう。
「石」という頑強さ、そして太古よりその姿を留め続けているという「永続性」に、寺の未来を重ねたのでしょう。
それともうひとつ・・・まあそれはで。

 

總持寺祖院の経蔵

 

改めて参道に戻り、真っすぐ進むと左手に経蔵。

 

素敵だわな~このプロポーション。
方形を二段重ねにした安定感のある躯体に、反りの美しい二重の屋根。
漆喰の白とコケラ葺きの深茶色とのコントラストが、シビれる程にイケイケ!

 

いいわな、日本の伝統建築ってのは。
奥ゆかしくて、落ち着きがあって、そして温かくて。
洗練された美意識みたいなのがピッカピカに光ってます。

 

経蔵の中の傅大士と輪蔵

 

中には真っ赤な像と六角形の何か。

 

この像、傅大士(ふだいし)という中国の南北朝時代のお坊さんで、輪蔵(りんぞう)の発案者と言われています。
後ろにある八角形の黒い柱みたいなのがその輪蔵。
この中には334巻の経典が収められていて、下の取っ手を押してグルグル回転させられる構造になっています。
これを1回回せば、334巻全ての経典を読了したのと同じ功徳が得られるんだとか。

 

なんかよー分からん理屈やのう・・(悩)。

 

回らない輪蔵

 

って事で早速グルグル・・と思ったのですが、重い!重い!
いくら力入れて押してもビクともしない。

 

これ数人がかりで回すモンみたいですね。
独りじゃ絶対無理。
って言うか、ずっと回してなくて、もう回らなくなってんじゃないかって気がするけど。

 

總持寺祖院の巨大な山門

 

山門ずずーん!
強烈なボディサイズ!重量感!
見上げてるだけで押し倒されそうになるほどのエネルギー量!

 

これは本当にスゴイよ。
宮大工の技術と熱を詰めに詰め込みまくった、炎の傑作。
圧巻の建築美です。

 

山門の見事な組み物

 

この頑強精緻な組み物のなんと見事な事か。
ガシガシと突き出た斗栱(ときょう)は、まるで金剛力士の太い腕のよう。
一方でその下の梁や柱に施された彫刻は華麗にして優美。
流れるようなタッチで、浄土世界の幽玄さを表現しています。

 

もう溜息しか出ませんな。
眺めてるだけで頭クラクラしてきますわ。

 

格天井

 

天井は正方形を並べた格天井。
これもこの空間の格の高さを表しています。

 

なんたって元は曹洞宗の総本山だからね。
それなりの身分の人が通る事を前提にデザインされているのでしょう。
隅から隅まで隙のない、緊張感のある設計です。

 

山門の先の様子

 

そしていよいよ門の先へ、となるのですが、この続きは次回
改めて詳しくレポートいたします。

 

この先もいいですよ~。
ズンズンと並ぶ貫禄満点の堂宇群、荘厳な室内装飾。
そして祈りの場としての神秘性。
歩いてるだけでわくわくが止まりませんゼ!



※このレポートは震災前に訪問した時のものです

 

 

諸嶽山 總持寺祖院

住所:石川県輪島市門前町門前 1-18甲

TEL:0768-42-0005

ホームページ:總持寺祖院公式サイト

 




エリア >> 石川県 > 輪島市 > 門前町 > 門前

 

関連タグ >> お寺 總持寺祖院 

 


コメントをする

 

 

 

門前の最新記事一覧

諸嶽山 總持寺祖院 慈悲の杜編 現代風にアレンジされたイケイケの仏さまに萌え

2024年09月14日

ここまで3回に渡ってお届けしてきた總持寺祖院レポート。1回目はエントランスを、2回目と3回目は回廊周辺をアレコレと紹介。・・・

カテゴリー:観光名所

諸嶽山 總持寺祖院 境内編その2 このお寺何が何でも瑩山紹瑾が大好きです

2024年09月07日

仏教建築の博物館のような堂塔伽藍が並ぶ總持寺祖院。前回は回廊内部の鐘鼓楼(しょうころう)~放光堂(ほうこうどう)までを見・・・

カテゴリー:観光名所

諸嶽山 總持寺祖院 境内編その1 外観も装飾も見事過ぎる仏教建築にうっとり

2024年08月31日

国指定・県指定の文化財建築がゴロゴロ並ぶ總持寺祖院(そうじじそいん)。前回は入口の三松関から山門までを見てきました。今回・・・

カテゴリー:観光名所

諸嶽山 總持寺祖院 エントランス編 経蔵の中にいる顔の赤い人の正体とは!?

2024年08月24日

かつて曹洞宗の大本山として隆盛を誇った總持寺祖院(そうじじそいん)。現在もその威容は健在で、輪島の山手に静かにそびえてい・・・

カテゴリー:観光名所

諸嶽山 總持寺祖院 経蔵

2019年03月19日

能登半島のほぼ先端、山奥にそびえる古刹。曹洞宗大本山總持寺祖院。漢字並び過ぎてお経みたいだ(笑)。總持寺祖院(そうじじそ・・・

カテゴリー:観光名所


 

新着記事

>> 記事一覧