池田城跡 入口探すのが難しいんだゼ、このお城
2024年08月17日
氷見の小山にぽつーんとあるお城、池田城跡はそんなお城です。
ここがまたね、難易度高いんですわ。
何が大変ってね、入口が分からんのですよ。
え?どこ?どこから入ったらええの??みたいな。
事前情報がないとまず見付けられんので、注意してください。
初訪者を惑わせるのがこの看板。
道沿いに立ってて、いかにも『この脇路を入った先にある』的に見えます。
ないです。
逆です。
お城があるのはこの逆側です。
ダマされないように!(※わたしはダマされた)
地図にするとこんな感じ。
民家の並ぶ、え?ここ?みたいな小路を入った先にあります。
ちなみにgoogle mapを頼りに探すと、全然違う農道に案内されます。
軽自動車じゃないと入れないような超細っぉ~い道。
アレはアテにしないように。
目印はこの案内標識。
塗料が落ちちゃってて全然読めんですが、近づいてよーく見るとちゃんと「池田城跡」と書いてあります。
この先は1本道なので、そのまま自信を持って進んでください。
ちなみに車が軽で勇気があれば、このもうちょっと先まで車で入れます。
と言っても見ての通り道幅が狭くてコンディションも悪いので、横着せんと徒歩で入る方が無難。
散歩気分でとことこ歩いてください。
5分程登ったところで舗装が途切れて山道となり、そこからいよいよお城スタート。
その口火となるのがこのカーブです。
一見ただの曲道に見えると思いますが、ノー!ノー!、これ立派なトラップです。
この斜面右上が曲輪(くるわ・城兵の陣地)になっていて、ここを登って来る敵を迎え撃つ構造になっているのです。
上に行く通路はここだけ、でもここを通ると一網打尽。
まさに地獄への一本道!
そのトラップを越えると三段構えの曲輪がバン!バン!バーン!
なかなかに壮観です。
これじゃ攻め手はキツイですな。
城側は高い足場から敵の位置を正確に把握し、個別に撃破。
攻め手側はその攻撃が当たらないよう祈りながら、一か八か突っ込むのみ。
どちらが有利か、一目瞭然です。
曲輪の境界部分には、このように急勾配の傾斜が設けられています。
切岸(きりぎし)です。
切岸とは人工的に切り削った斜面で、これによって敵の侵入を阻みます。
ここにさらに柵も設けられるので、実際には5メートル程度のバリケードが張り巡らされていたことになります。
もう絶望的ですな。
上からジャンジャン攻撃が降り注いで来るわ、目の前には5メートルのバリケードがあるわ。
どーやったって突破無理!
三段曲輪の脇には帯曲輪(おびぐるわ)。
帯曲輪とは敵を迎撃するための細長い足場で、ここに横一線に並んで、下から這い上がって来る敵を殲滅するのです。
これも鬱陶しいですよ。
攻め手にすれば斜面を登るだけで精一杯、とても上から飛んで来る攻撃にまで対応できない。
しかも先に登ってる味方がやられたら転がり落ちてくるから、それもかわさなきゃいけない。
想像しただけでオシッコ漏らしそうなヤバさです。
そんな恐怖まみれの三段曲輪の一番上が本丸。
このお城の心臓部です。
広さはテニスコート半面程度、まあまあのサイズです。
この曲輪、妙に足場がきれいなんですよね。
基本、戦国時代の山城ってのは急ごしらえの雑な造りが通常なんですが、ここにはそんなバタバタした雰囲気がない。
多分これ、後世に手入れしてならしてあるんでしょうね。
ひょっとして畑にでも使ってたのかも?
実際この本丸の直下に小さな畑があります。
この畑は明らかに元々曲輪だった平地を改造したもの。
まーなんとも平和な光景です。
こんな感じの曲輪の転用例、他にもチョコチョコあります。
以前見た阿尾城跡なんかでも曲輪が畑にされてたし、他にも墓地になってたり、公園になってたり。
まさか500年後にお城がこんな使い方をされるなんて、戦国時代の人はきっと思ってもみなかったでしょうね。
コンパクトだけど恐怖がぎっしり詰まった池田城跡。
なかなかに見応えがあります。
アチコチに仕込まれたトラップをひとつひとつ吟味しながら、じ~っくりとお楽しみください。
なお、入口に熊注意の案内がありますが、本当に出るそうです。(※畑の人の話)
訪城前にはしっかりと「死んだフリ」の練習をしといてください!
池田城跡
住所:富山県氷見市小久米
関連タグ >> お城
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