伏木北前船資料館 土蔵編 アブネー望楼の先にあるのは極上空間♪
2024年07月20日
江戸~明治期、北前船で大儲けした秋元家。
その屋敷が現在まで残る伏木北前船資料館です。
前回は正面にある母屋の様子を見てきました。
今回は裏手の土蔵を見ていきます。
ここもい~いんですわ。
なんたって江戸時代から残る建物ですからね。
シブさ全開!!
蔵の手前にはゴロゴロっと鉄釜。
ニシン釜ですね。
ここ高岡は鋳物業が盛んで、現在は銅製品が特に有名ですが、かつては鉄製のニシン釜も大量に生産していました。
江戸時代から作られ始め、昭和頃にはほぼ全国シェアを独占していたと言われています。
そのニシン釜をジャンジャン運んだのが北前船だったんですね。
ちなみに煮詰めたニシンは食用ではなく、肥料に使われます。
これがまた高値で売れたんだそうです。
入り口前には巨大なイカリがででーん!
北前船関連の資料館ではオキマリのモニュメントです。
これらは昭和25年に海上保安部が海底から引き上げたもので、もちろん本物。
なんでそんなモンが海の底に落ちてたのかは不明ですが、多分時化に飲まれないよう切り捨てたものなのでしょう。
蔵の扉がまたイカスわ~♪
防火・防犯に徹底特化した、重厚感満点の極厚扉。
ついでに扉上のデコレーションもちょっと見て欲しいのですが、分かりますかね、鳥居の形になってるのが?
まるで神社のよう。
神さまパワーを取り込んで、この中にた~くさんお宝を詰め込むぞーというオマジナイですね。
カネ持ちってのは神さままで味方にしちゃうようです。
内部は広々としたワンルーム。
蔵だけあって柱も梁もまー太い事!
展示物は当然北前船関連。
航海グッズやらなんやら色々。
どれも骨董感全開で、その筋の人が見たら喉から手が出るほど欲しくなるような逸品ばかり。
わたしも1個欲しい~!
こちらは反対にある衣装蔵の様子。
壁面一面に飾られているのは「引札(ひきふだ)」と呼ばれる、今で言えばチラシのようなものです。
ごひいきさんと継続的な関係が結べるよう、年末年始の挨拶品として配ってたんだとか。
これがまたレトロ感むんむんでね、野暮ったさが返って斬新。
1枚1枚見ていくと面白いんだ~。
その中の1枚、えべっさん引札。
『恭賀新年』って書いてあるから、年始の挨拶に配ったものみたいです。
「萬金網千石トウシ」(意味不明)
「土蔵亀甲網節」(意味不明)
「洋銀銅真鍮線」(積み荷)
「和鐵洋鐵トタン引」(積み荷)
「針金ランプ荒物類」(積み荷)
文字から想像するに、金属関係の運搬をメインにしてた業者なんですかね?
ちょっとよー分からん。
そしてここからがクライマックス。
この屋敷、船の出入りを監視するための望楼があるのですが、そこに上る事ができます。
普通、こんな危ない所には上らせないんだけどね。
でもまあここはユルイと言うか大雑把と言うか、嬉しい意味でテキトー。
自由に上って自由に眺めを楽しめます。
ただ階段がハンパじゃないんだ。
角度的に限りなくハシゴ。
手すりにつかまって両手両足で踏ん張って上がらないと、危なくてしょうがない。
ここを上る時は足元によーく気を付けて。
どっちかと言えば上りより降りの方がヤバイんだけど。
頂上は二畳ほどの狭い部屋。
周囲に何もないので風がびゅーびゅー吹き込んで、結構寒々としてます。
昔はここからずーっと海を眺めて船の入りを待ってたんですよ。
で、船を見付けると大声で合図。
その掛け声に合わせて、人が一斉に動き出す。
船の来航ってのは、町を挙げての大イベントだったと言われています。
望楼上からの眺め。
住宅地の向こうに日本海がズバッ!
かつては今より海岸線が近くて建物も低かったはずなので、もっとダイナミックに海を見渡せた事でしょう。
わたし高い所大好きなんでね、こんなん楽しいですわ~♪
毎日でも遊びに来たい。
温かい日にここで昼寝したら気持ちよさそう~!
北前船が現役だった頃の匂いを今も残す伏木北前船資料館。
ノスタルジック感スゴイですよ。
うわ、昔の空気だ、みたいな。
ここを訪れる時はそんな往時の雰囲気を思いっ切り吸い込みながらお楽しみください。
なおくどいですが望楼の見学には十分気を付けて。
落ちたら大けが必至、ガチのヤバさです。
細心の注意を払い、安全第一で上り降りしてください。
関連タグ >> 古民家 古建築 伏木北前船資料館
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