店主たみこの観光案内ブログ

富山城 千歳御門

2019年10月05日

富山城 千歳御門

 

現在の富山市の中心にあった富山城。
残念ながら石垣や堀の一部を残し、その遺構のほとんどは失われてしまっていますが、唯一残っている建造物があります。
千歳御門(ちとせごもん)です。

 

この門ね、い~い味出してまして。
まーカッコイイ!!

 

造りは薬医門。
薬医門とは正面に鏡柱と呼ばれる立派な柱が2本、奥に控え柱と呼ばれる添え柱が2本、その上部に切妻屋根をばさっと乗っけた門の事です。
要はすごーくグレードの高い門って事。
一般的に門は2本の柱で構成されることが多く、基本屋根もありませんからね。
今の住宅でもそうでしょ?
門柱を4本備えて、屋根まで付いてる門なんてそうそう見かけないはず。
そもそも門自体ない家の方が一般的。

 

さらに注目なのがサイズ。
デカいんですわ。
どでーん!とデカい。
分厚い門扉とがっしり頑丈な柱で構成された門は、もうそれだけで威厳むんむん!
思わず、うっ!?と尻込みしてしまいそうなほどの圧力。

 

装飾もいいですよ。
所々に配された黒金物はずっしり重く、1個1個の存在感が強烈。
一方で屋根には明るい赤瓦。
それも格式高い本瓦で、先端には前田家の家紋。

 

うん!
こんな門がある家に住みたい!(笑)

 

でもこの門、実は元々ここにあったものではないのです。
本来の位置はここから100メートルほど離れた東出丸ってところにありました。
そこには千歳御殿と呼ばれる立派なお殿様の住まいが建ってて、その正門として使われていたのです。
だから名前が「千歳御門」。
お城の正門って訳じゃなかったんですね。

 

で、なんでその門が今の場所に移っちゃったの?って事ですが。
2度ほど引っ越ししたからなんです。

 

最初の引っ越しは明治初期。
悪名高き(←?)廃城令によって、富山城も払い下げの憂き目に遭いました。
その時に門の部分だけ、この地にいた豪農赤祖父家が買い取ったのです。
多分自分の家の前にこの立派な門をどでーん!と移築したんでしょうね。
うらやましい・・・。

 

でも世の中何が幸いするか分からないもので。
移転したおかげで富山空襲を逃れ、奇跡的に生き残ることができました。
もし元の場所にそのまま建っていたら、間違いなく灰となって失われていた事でしょう。

 

2回目の引っ越しは平成18年。
今度は赤祖父家が富山市に寄贈しました。
詳しい経緯や理由は分かりませんが、多分メンテナンスが大変だったんでしょうね。
古いし、デカいし、修理したくても代替部品ないからいちいちオーダーメイドになるし。
カネかかりますよ~、あんなの家にあると(笑)。

 

その時本来は元ある場所に戻すべきだったのでしょうが、そこは既に宅地化が進んでいて無理。
なので富山城本丸の一角に無理矢理ねじ込んだと。
そんな理由で今の場所に建ってるんだそうです。



富山城唯一の現存建築物、千歳御門。
カッコイイです。
もーひたすらカッコイイーです。
歴史のいたずらが気まぐれで残してくれた江戸期の文化遺産。
隅から隅までじ~~~っくりご堪能ください。

 

門をくぐれば城址公園。
正直そんなに広い公園ではないですが、郷土博物館があったり日本庭園があったり。
石垣があったり、お堀があったり。
なぜここ?的なオブジェがあったり。
ほんわかしたゆる~い場所です。
せっかくなのでこちらの散策もゆっくりとお楽しみください。

 

 

富山城 千歳御門

住所:〒930-0081 富山県富山市本丸 1-1 富山城址公園

 




エリア >> 富山県 > 富山市 > 本丸

 

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