店主たみこの観光案内日記

金沢蓄音器館

2019年02月12日

金沢蓄音器館

 

蓄音器ってご存知ですかね?
今や完全に過去の遺物なのですが、まあ音声再生器です。
電源ナシ、手動のぜんまい式で。
無駄にサイズがデカくて、音がバリバリに悪くて。

 

はっきり言って。

 

カッコイイ!!!

 

そんな蓄音器のコレクションをごっそりと見られる博物館があります。
尾張町の通り沿いにある金沢蓄音器館です。

 

ルーツは八日市屋浩志(ようかいちやひろし)氏が長年収集してきた機器の寄贈。
八日市屋氏は金沢を地盤とするレコード店「山蓄」の経営者だった人です。
すでに山蓄は廃業し、八日市屋氏は逝去されているので、これらのコレクションは彼の遺産とも言えますかね。

 

そもそも蓄音器が発明されたのは1857年。
フランスのエドゥアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィル(Edouard-Leon Scott de Martinville)って人が音の「記録」に成功します。
とは言えあくまで「記録」であり、それを「再生」する事はできませんでした。
その「再生」に成功したのがエジソン。
彼が研究員達の前で披露した「メリーさんの羊」は今も語り草となっています。
その後エジソンは蓄音器の実用化に向けての開発を進めるのですが、ここで一人の強力なライバルが現れます。
エミール・ベルリナーです。
ベルリナーは音源をそれまでのシリンダー(円筒)形のごってりしたものから、ペラペラのディスク(円盤)状の板へと進化させました。
これが画期的で。
ディスク型の、まあ今で言うレコード盤の登場によって、安価な大量生産が可能となったのです。
さらにソフト面にも力を入れ、当時の有名音楽家や楽団とバンバン契約。
顧客が「聞きたがる音」を商品化して次々と世に送り出しました。
一方で音質にこだわるエジソンは製品開発にばかり力を入れた結果、高性能だけど高価なものしか提供できず。
供給するソフトも市場受けしない、退屈なものに終始しました。
要は商売下手だったという事ですね。
こうしてハード・ソフト両面でエジソン陣営を圧倒したベルリナーは、蓄音器戦争に見事勝利。

市場の主導権をガッチリとつかんだのです。

 

その後も蓄音器の開発競争は続き。
音質、サイズ共にさらなる進歩を遂げていきます。
が、時代は流れ、やがて終わりの時がやって来ます。
電子機器の登場です。
新しく出てきた電気式スピーカーやアンプは、蓄音器よりもはるかに高性能かつ省スペースで。
またたく間に市場を席巻し、蓄音器は完全にその役割を終える事となるのです。

 

無用の長物として、次々と打ち捨てられていく蓄音器。
それは偉大な歴史遺産の喪失でもありました。
そんな中立ち上がったのが八日市屋氏。
「一時代を築いた蓄音器の名器がこのまま消えていくのは忍びない!」
そう考えた彼は、いらなくなった蓄音器を全国から収集。
コツコツと集められた蓄音器は、なんと540台にも及ぶ大コレクションとなったのです。

 

すごいよね、540台。
あんなでっかいのが540台もあったら、家1軒倉庫にしても収まり切りませんわ(笑)。

 

その後これらのコレクションをすべて市に寄贈。
この資源を元に生まれたのが金沢蓄音器館なのです。

 

館内には年代ものの蓄音器がズラリ。
もーー壮観!
もちろん全部本物。
見てるだけでため息が出てきます。

 

それだけじゃありません!
この蓄音器ちゃんとメンテナンスされてて、現役で動くんです。
100年以上前の人も聞いたであろう同じ音を、今聞くことができる感動。
すごいですよ~。
しかも音のレトロ感がさらに強烈で。
ブツブツバツバツとノイズが混じり、高音は低く、低音はボケて。
あいまいでへろへろな音なんですが。
な~んかも~あったかいのですわ~。

 

休みの日。
こんな音聞きながら、の~んびりバーボンでも転がしながら1日を過ごしたら。
気ン持ちい~だろうな~♪♪



時代のワンシーンを飾った蓄音器の数々。
どうぞここでしか味わえないノスタルジックな空気を思う存分ご堪能ください。

 

あ、そうそう、蓄音器の生演奏は時間が決まってます。
いつでも勝手に聞けるわけじゃないので。
生音がどうしても聞きたいって人は、事前にサイトでチェックする等してからお出かけください。

 

 

金沢蓄音器館

住所:石川県金沢市尾張町 2-11-21

TEL:076-232-3066

 




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