金沢文芸館
2019年07月09日
金沢橋場町の交差点にずずんとそびえる石造りのレトロな建物。
金沢文芸館です。
建てられたのは昭和4年。
まだまだ明治期の気風が残る、西洋列強に追いつけ追い越せの時代。
この頃の建築は、欧米の意匠・技術を真似たものが多く。
鉄筋、レンガ、石造り、宮廷風などなど。
この建物もそのひとつで、イタリアのパラッツォ建築を模しています。
パラッツォ建築とはルネサンス期に流行った建築様式なのですが、主なオーナーは王や貴族と言った富裕層でした。
なので規模が大きく、装飾にも贅が凝らされています。
基本は3~4階建てとなっており、建物最上部に出っ張りをぐるりと張り巡らせてあるのが特徴です。
この出っ張りを「コーニス」と呼ぶそうで。
なるほど金沢文芸館の最上部にも、ぐるりと出っ張りが張り巡らせてあります。
窓は中心にキーストーンをガチっと据えたアーチ窓。
金沢文芸館の場合はアーチ窓と四角窓が混在してますが、この辺は設計した建築家さんの遊び心でしょう。
さらに遊び心がもうひとつ。
入口両脇にある柱です。
縦に真っすぐな溝を幾筋もすっと通し、柱頭にはぐるぐる渦巻き。
これは古代ギリシア建築の柱によく用いられたイオニア式と呼ばれるスタイルです。
エフェソスのアルテミス神殿なんかに用いられているそうで。
本来はスマートにすっと伸びる軽やかな造形なのですが、この柱は寸法が短いせいか妙にドン詰まり。
ちょっとココはイケてない(笑)。
さてこの建物。
見た目3階建て、そして中身も3階建て。
だけど建築当初は2階建てだったってのをご存知でしょうか?
そもそも元は高岡銀行が建てたもので、その時は1階の天井を高く取り、その上に2階(現在の3階)があるという構造でした。
それがどういう経緯でかはよく分からないのですが、銀行撤退後に金沢市が建物を取得。
その後改修が行われ、平成17年に金沢文芸館としてオープンしました。
そしてその改修の際に1階の上部に1層床を差し込み、現在の3階構造へと作り替えたのです。
なるほど、そう言われて見て見ると。
うん。
言われても分からない(笑)。
中は1階が交流サロン。
テーブルと椅子が用意され、ゆっくりとくつろげるスペースとなっています。
2階は五木寛之文庫。
五木氏は生まれこそ福岡ですが、奥さんが金沢の人で、しばらくの間金沢に住んでいた事もあります。
そんな金沢にゆかりの深い彼の作品や記念品などが展示されています。
3階は文芸フロア。
金沢を拠点に活動している作家の作品や、奥の部屋には泉鏡花文学賞の作品などが納められれています。
金沢文芸館。
建物の話ばかりになってしまいましたが。
まあわたしあまり中身には興味ないので。(←!)
でも趣旨としては、「文学の街金沢」の創作拠点となるべくして作られた施設です。
どうかご来館の際には、金沢に息づく深~い文化的空気を思いっ切り体感して行ってください。
でも。
やっぱ建物「が」カッコイイわ~♪♪(笑)
金沢文芸館
住所:石川県金沢市尾張町 1-7-10
TEL:076-263-2444
関連タグ >> 美術館・博物館 古建築
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