一乗谷朝倉氏遺跡博物館 ロビー&遺構展示室 謎の解析はアナタの仕事です
2024年06月08日
2022年10月にオープンした一乗谷朝倉氏遺跡博物館。
50年に渡る朝倉氏遺跡発掘の成果をぎゅっと凝縮した、見応え満点の施設です。
一見してまず感じるのが、すげーカネあるな福井県って印象。
一体こんだけ作るのに何億突っ込んだのよ?
多分新幹線開業を口実に予算取ったんだろうな。
リッチだわ~。
館内の見取り図。
1階は売店とロビー、そしてメインの遺跡展示室。
2階に上がると基本・特別のふたつの展示室に、朝倉館の原寸再現。
いずれも充実感満点、歴史好きには胸わくわく、血圧上がりまくりの内容となっています。
入場すると、まず最初に目にするのがこのお勉強シアター。
巨大スクリーンで朝倉氏についてのプロフィールがざっと紹介されています。
ここ、しっかり見といてください。
要点を押さえておくだけでこれから見る展示がぐっと楽しくなるし、後で朝倉氏遺跡を見学する際にも大いに参考になります。
こちらは遺跡からの出土品がどんな風に処理されるかを説明したもの。
洗ったり、組み合わせたり、年代測定したり、アレやらコレやら分析かけたり。
あの手この手をズラリと紹介。
手間かかんのよ、考古学って。
ほとんど意地との格闘。
しかも出土物全てが一点物だから絶対に失敗が許されない。
神経すり減らしながらのキリキリ作業が延々と続きます。
その向かいにはお遊びのパズルコーナー。
バラバラのパーツを組み合わせて原型を復元しようってオモチャです。
各パーツは磁石で引っ付く仕組みになってて、なかなかに精巧。
これね、完全に子供向けなんだけど結構面白いんですわ、大人がやっても。
ヒマな人は挑戦してみて下さい。
そして1階のメイン、遺構展示室。
この奥にはなんと生の遺跡が展示されています。
室内で生遺跡を展示って例は他にもあるので、決して珍しい訳じゃありません。
でもね、雰囲気がめちゃめちゃムーディーなんですよ。
照明の具合や室内のしつらえがもの凄く幻想的で、なんか空気から違う感じ。
やっぱカネかけると違うな~。
どどん!と生遺跡。
暗のグラデーションの中に静かに浮き上がる川石。
まるで時が止まってしまったかのような不思議な異次元感。
しかも結構な広さがあってね、その奥行がまた時間の深遠に触れているようなんですよ。
素晴らしいパフォーマンス!
石敷きの所々に切れ目。
排水のための溝と考えられていますが、はっきりとした目的は不明。
現在も継続調査中です。
そもそもこの石敷き自体、目的が分かってないそうで。
ここをどう使っていたのか、謎、謎、謎。
最早誰も知る者のいない、永遠の歴史ミステリーです。
そんな謎解きのひとつのヒントとなるのがこちら、さし銭(ぜに)。
持ち歩きやすいように硬貨の真ん中の穴に紐を通した銭束で、この遺構から見付かりました。
要は大昔の落とし物って訳ですが、拾われてないって事は、この場所は物を落としても見つかりにくい場所だったって事になります。
例えば水中。
という事はこの石敷きは川の中にあり、船着き場として使われていた、という説が成り立ちます。
あくまで仮説ですが。
なおこのさし銭は2階の展示室に展示されています。
この生遺跡の室内展示、結構管理が大変らしいです。
屋根の下にあれば雨風の影響を受けないし保全に最適なんじゃないの?と思われがちですが、とんでもない。
雨に濡れなきゃ濡れないで乾き過ぎてモロくなるし、乾かないように湿度を高くすると今度はカビや苔で逆に遺跡を痛めるし、と面倒臭い事だらけ。
意外に神経を使うのです。
どの辺りを落とし所にするかは、今もデータを取りながら日々検討を重ねています。
室内で生の遺跡が見られる一乗谷朝倉氏遺跡博物館。
歴史ロマンが肌でビンビン感じられる、素敵な展示となっています。。
ここでかつてどんな人々の営みがあったのか、どうぞ想像力をフルに働かせてお楽しみ下さい。
次回は2階の基本展示室を見ていきます。
こちらは遺跡からの出土品がびっしり。
歴史好きには胸わくわくのワンダーゾーンです。
関連タグ >> 美術館・博物館 一乗谷朝倉氏遺跡 一乗谷朝倉氏遺跡博物館
コメントをする
安波賀中島町の最新記事一覧

一乗谷朝倉氏遺跡博物館 朝倉館原寸再現 蘇る中世の武家屋敷の空気感
2024年06月22日
一乗谷朝倉氏遺跡博物館、その最大の目玉が今回紹介する朝倉館原寸再現です。500年前に失われてしまった朝倉氏の屋敷が目の前・・・
カテゴリー:観光名所

一乗谷朝倉氏遺跡博物館 基本展示室 中世の町を実際に歩いてみよう
2024年06月15日
福井マネーの塊のようなスーパーリッチな一乗谷朝倉氏遺跡博物館。前回は1階ロビーと遺構展示室を見てきました。今回は2階の基・・・
カテゴリー:観光名所

一乗谷朝倉氏遺跡博物館 ロビー&遺構展示室 謎の解析はアナタの仕事です
2024年06月08日
2022年10月にオープンした一乗谷朝倉氏遺跡博物館。50年に渡る朝倉氏遺跡発掘の成果をぎゅっと凝縮した、見応え満点の施・・・
カテゴリー:観光名所
- 薬王院 温泉寺 「あいうえお」はここから始まりました
- 餃子のあひる 餃子定食 この餃子、エンドレスに食えるわ~♪
- 栄谷丸山横穴群 コウモリに注意してご鑑賞ください
- 富山市郷土博物館 復元模型のテクノな仕掛けがイカスのよ!
- 富山城跡 千歳御門~日本庭園周辺 庭園の読み解き、楽しいわ~♪
- 富山城跡 水堀~西の丸 石垣の詳細がよー分からん、謎多きお城
- 羽咋市歴史民俗資料館 渚の正倉院 氣多大神宮展 今しか見られない貴重なお宝がいっぱい
- 香満居 豚トロ黒胡椒炒め定食+担々麺 ボリュームも美味さも文句ナシの街中華
- 一乗谷朝倉氏遺跡 中の御殿跡・諏訪館跡庭園 こんなカッコエエ庭に憧れるわ~
- 一乗谷朝倉氏遺跡 南陽寺跡庭園・湯殿跡庭園 ちょっともったいないなココは
- 一乗谷朝倉氏遺跡 朝倉館跡 ここにはロマンが眠っています
- 一乗谷朝倉氏遺跡 雲正寺地区・平面復原地区 今も残る生々しい生活の痕跡
- 一乗谷朝倉氏遺跡 下城戸跡・上城戸跡 ここがディフェンスラインの最前線
- とんかつ勝亭 立山ロース定食 この肉、味もボリュームも極上だわ~♪
- 加賀大観音 怖いです、マジで
- 高岡市万葉歴史館 大伴家持への愛がどっぷり詰まった万葉の空間
- 武家屋敷旧内山家 古き日本のノスタルジーを今に残すシブ~いお家
- 兼六園 鶺鴒島 見ただけじゃ絶対に気付けない隠されたストーリーを読む
- 南新保C遺跡現地説明会 詳しい事後検討の報告を求ム
- さぶろうべい 親とり白菜鍋 素材の味が素朴に生きるそのまんまの味