一乗谷朝倉氏遺跡博物館 朝倉館原寸再現 蘇る中世の武家屋敷の空気感
2024年06月22日
一乗谷朝倉氏遺跡博物館、その最大の目玉が今回紹介する朝倉館原寸再現です。
500年前に失われてしまった朝倉氏の屋敷が目の前で見られる奇跡。
もーハートばくばくモンです!
復元のベースとなったのは、このすぐ近くにある朝倉氏館跡。
礎石の配列から部屋割りと屋敷の輪郭を割り出し、建物の仕様は当時の建築を参考に構成。
中世の姿を見事に蘇らせています。
この原寸復元、実は広大な屋敷のほんの一部です。
その位置を表す案内図がこちら。
場所的にはメインの座敷って事になるんですかね?
恐らく重要な客をもてなしたり、大きな行事が行われたりした部分。
いわば館の心臓部として機能した場所だったと考えられます。
入口をくぐると、いきなり中庭。
中央のカッチリ四角形な花壇がメチャメチャ西洋的。
日本庭園的感覚から言えば、え?って感じ。
でもこんな感じの花壇が実際にあった痕跡が残っています。
それがこちら。
四角形に区切った輪郭がハッキリと確認できます。
この輪郭が花壇の跡だったのであろうと考えられています。
当時、上流階級の間では庭に花壇を作るのが流行ってたんだそうで。
そのマネッコですな。
きっと流行に敏感な人だったのでしょう。
戦国の世らしからぬ、余裕のある生活ぶりが伺えます。
会所と呼ばれる部屋。
24畳の大部屋です。
ダイナミックだわな。
これぞ大名屋敷と呼ぶにふさわしいサイズと風格。
堂々たる威厳と気品に満ちています。
襖絵が見事。
墨の濃淡だけで表現された、シッブ~~~イ水墨画が三方をぐるり。
京都の大徳寺真珠庵に残る「四季花鳥図」をベースに作成された複製画だそうです。
ええな~、日本画の襖絵。
うちの襖にもこんなカッコエーのをバシーッ!と貼りたいわ。
カネないから無理だけど・・。
床の間には三幅の掛け軸がどどーん。
左から順に猿猴図、白衣観音図、芦雁図、いずれも室町時代に描かれた画です。(複製品)
手前には花瓶・香炉・燭台の三具足(みつぐそく)。
お寺の定番ですね。
屋敷の床の間に三具足飾るか?って気がせんでもないですが、恐らく中央の観音さまを意識したチョイスなのでしょう。
その床の間の前に、なんやら意味ありげな畳・オン・ザ・畳。
これ、後に将軍となる足利義昭(あしかが よしあき)を迎えた際の御座(ぎょざ)をイメージしたものです。
この上に義昭がどっかと座ったという事ですね。
今でも語り草となっている義昭の越前来訪。
なんたって将軍家の直系に連なる大人物がこんな地方にやって来たんですからね、当時としては空前の大イベントだったそうで。
今で言えば皇太子が突然我が家に遊びに来るようなモンです。
そりゃ盛り上がるでしょう。
部屋から眺める中庭。
奥行がスゴイな。
実際奥行あるんだけど、実寸以上の遠近感。
高さと横の広がりがそんな錯覚を抱かせるのでしょう。
ただちょっと主役の中庭が弱いな。
なんか力ないわ、花壇じゃ。
これなら石組みでゴツゴツにしつらえた枯山水の方が断然いい気がするな。
・・・という不満があったのかどうかは知りませんが、石組みの庭もちゃんとあります。
それがこちら。
大岩を立てて水を張った、ガッチガチの山水庭園。
武士の心意気をそのまま表したような力強い構成。
これね、実物はもっと迫力があります。
モデルとなった現場はもっともっと武闘系。
その現場がこちら。
石、苔、植栽、山。
押し迫るような重量感でガーン!!
遺跡となった現在でさえこの圧力だからね。
現役の庭として使われていた朝倉氏時代は、もっと勇ましく仕立てられていたはず。
当時の眺め、見てみたかったなー!
朝倉氏全盛時代を振り返る事ができる、一乗谷朝倉氏遺跡博物館の朝倉館原寸再現。
圧巻だわ。
どんだけカネかけてんのよ?とツッコミたくなるくらいのクオリティ。
もー溜息しか出ません。
ただひたすら中世の空気を味わってください。
一通り見学したら、ここから車で3分の朝倉氏遺跡もどうぞ。
復元屋敷と生の現場、時間を空けずに見ることでさらにリアリティが高まりますよ!
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