尾山神社 拝殿・本殿 そのカッコよさを徹底分解!
2020年05月16日
金沢でナンバーワンの神社は?という質問をされると、恐らくほとんどの金沢人が「尾山神社」と答えるでしょう。
そのくらいこの神社は金沢では別格の存在です。
創建は明治6年。
今からたったの147年前。
創建1000年とか1500年なんてのが当たり前にゴロゴロある神社の世界においては、ハッキリ言ってヒヨッコレベル。
しかしそれでも金沢を代表する神社となれたのはなぜか?
それは御祭神に前田利家を祀っているからです。
利家と言えば金沢の生んだ数少ない、というかオンリーワンの歴史ヒーロー。
そんな利家を象徴する尾山神社が金沢の「顔」となったのは、いわば必然ともいえる流れなのです。
その尾山神社の拝殿が立派でしてね。
金沢の顔に恥じない堂々たる風格。
ちょっと見ていきましょう。
ストーリーはエントランスから始まります。
ずらりと一直線に続く長い石段を登ると、その先にはまるで龍宮城のように神秘的な神門。
中央にある大きなアーチ型のゲートをくぐり、石畳の参道を真っすぐに進むと、やがて目の前に巨大な拝殿が現れる、。
黒瓦の大屋根で重々しく覆われたその姿は独特の威厳に満ち、訪れる者を圧倒的な迫力で飲み込む。
この演出というかアプローチがね、何度行ってもシビれるのですわ。
分かってても、うわっとキちゃいますからね!
建物のサイズ自体も大迫力なのですが、細かな意匠がまたキマってまして。
まずは屋根。
ずどんとかぶさるような大振りな屋根は全面黒瓦。
黒の色が生み出す重厚感・威圧感がもう強力で。
さらに屋根装飾。
ご覧の通り中央上部に三角の千鳥破風、下部にカーブ状の唐破風の二重破風。
ただでさえデカい屋根に、迫力満点の大二重破風。
このマスク見てるだけでも~~~白ごはん3杯くらい食べられますわ!(←謎)
破風がデカいのでね、その天頂に乗っかってる鬼瓦もビッグ。
中央に金細工の菊花文様を据え、上部に鳥衾(とりぶすま・チョンマゲみたいににょきっと伸びてるヤツ)、下部に水文様のヒレ。
こいつがどうだと言わんばかりにガーン!!
これじゃ鬼も寄り付きませんわ(笑)。
内部は3枚の平部屋。
中央は床貼り、両サイドは畳敷き。
建物自体が大きいので、間取りゆったり。
室内に垂らされた御簾には前田家の家紋「剣梅鉢紋(けんうめばちもん)」がズラリと並び、天井は格式高い格天井。
この空間がなんて言いますかね、霊的な緊張感がピーンと張り詰めていると言うか。
独特の空気なのですよ。
ナンかいるよ~、みたいな。(←何?)
そしてこの拝殿のさらに向こうが、神社の心臓部とも言える本殿となります。
御祭神である利家が祀られている場所です。
真正面に回れんもんで、こんな中途半端な角度からの画像になります。
見苦しくてスミマセン。
こちらが本殿です。
石造りの玉垣にずらっと囲まれた、神社の中でもさらに1格上のエリア。
良く見ると何気に地面を1段高くしてあるのが分かります。
いわゆる高座ですね。
とにかくここは特別な場所なのです。
これは本殿を別角度から見たもの。
この方がもうちょっと建物の様子が分かります。
拝殿が黒の本瓦で葺かれた重厚なものであったのに対し、こちらはもう少し軽めの銅板屋根。
通常銅板屋根は緑色をしていますが、ここの屋根が赤いのはまだ葺き替えたばかりだからでしょう。
もう数年経てば深い緑色へと変色していくはずです。
屋根の形状は流造(ながれづくり)。
流造とは後部が短く前部がビローンと長くなっている屋根です。
その屋根の上に棒状の物が5本並んでいます。
これは鰹木(かつおぎ)と呼ばれるもので、奇数なら男神、偶数なら女神が祀られていることを意味します。
利家は当然男なので、ここでは5本乗せられています。
さらにその鰹木の端と端くらいの所に、天に向かってぴょこっとそそり立っているV字形の竿があります。
これは千木(ちぎ)と呼ばれるもので、先端が垂直に切られていれば男神、水平に切られていれば女神が祀られていることを意味します。
なのでこれも当然垂直に切られています。
話がちょっと横に逸れますが、この本殿を囲んでいるレンガ壁、これすごく歴史的に価値のあるものなのです。
というのも、この壁は金沢で初めて作られたレンガ壁だから。
使用されたレンガも金沢で焼かれたもので、当時の瓦職人が見様見真似で作ったそうです。
だからでしょうね、まだ技術が確立していないらしく、やや焼き色にムラが目立ちます。
積み方はイギリス積み(1段ごとにレンガの長面と短面を交代させた積み方)。
ズレなくきれいに積まれています。
金沢の顔ともいえる尾山神社。
歴史の詰まった古社とは言えませんが、見所はいっぱいです。
金沢観光の中心地である兼六園や金沢城とはすぐ目と鼻の先なので、徒歩で気軽にアクセスできます。
近くまで来たら必ず立ち寄ってください。
なお境内にはこんなのもいます。
金運を呼ぶゴールデンカエル。
どこにいるかはお楽しみ。
どうぞ自力で見付けてみてください。
ケロ!ケロ!
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