石川県立能楽堂 能舞台を間近でがっつり見学できます
2021年01月02日
石川県と言えば能楽が盛んな土地です。
その能楽活動の中核を担うのが、こちら石川県立能楽堂です。
場所は兼六園から道を挟んですぐ、オープン間もない国立工芸館からもすぐそこです。
ただね、エントランスの構成が下手と言うか、ちょーっと目立たないのが玉に傷。
え?ここってふらっと立ち寄ってもいいの?みたいな、ちょっとゲリラ訪問者シャットアウト的な雰囲気があります。
でも大丈夫、いきなり行って見学できますから。
どうか勇気を持って(?)訪問してみてください。
こちらが入口。
普通はお客さん用の入口って一番前面にあるんですけどね、ここは結構奥です。
なんかお客さん用というより、楽屋口みたいな感じ。
と言うか、実際に楽屋口だと思うんだけど。
能楽公演時に使われる観客用の入口は実はこことは別にあって、平時は閉ざされています。
なのでその時以外の飛び込みの見学客は、こっちの楽屋口の方で受け付けているのです。
奥にあるのはそのため。
おかげですごーくウェルカム感がないのですが、まあそこはお気になさらず。
こちらが能舞台。
昭和7年に作られて、今なお現役で使われています。
カッコイイっスねー!
能の舞台なんて普段目にすることはないですからね。
非日常的というか、なんとなく漂う緊張感が独特なのですわ。
試しに舞台に立って壇上からの空気も味わってみたいんだけど、さすがにそれはNG。
とりあえずは周りからの眺めをじ~っとお楽しみください。
なお右下に写ってるモニターでは、能に関する説明映像を見せてもらえます。
能ってよー知らんし~って人でも、まずこの映像で能の触りみたいなものをつかめるので大丈夫です。
どーん!と能舞台。
背部の鏡板にはお決まりの老松の絵。
そもそも能の演舞は屋外で行われるのが基本でした。
その当時の舞台は四方が吹きさらしになっており、周囲の景色がそのまま背景となりました。
今も鏡板に松が描かれるのはその当時の名残りなんですね。
こんな形の松の木、絶対ないけどさ(笑)。
舞台の周囲は白洲。
白い石がびっしりと敷かれています。
かつての能演は神社の境内でよく行われました。
なのでこの白洲は玉石のイメージなのでしょう。
だからものすごく清浄感が強烈というか、ぴーんと空気が張ってて独特。
舞台全体が神域に囲まれているような、不思議なイメージを抱かせます。
さてその舞台の床なんですが、実はある仕掛けが隠されています。
さてどこか?
その場所とは床下。
なんとこの舞台下の地面にはカメが埋め込んであるのです。
カメってアレね、大きなツボね。
このカメに音を反響させることで、床を踏み鳴らす音や演者の声を大きくこだまさせるのです。
舞台の音がダイナミックに聞こえるのはそのためなのです。
舞台の左側には橋掛がり。
橋掛がりとは演者が入退出するための廊下です。
そしてその橋掛がりに沿うようにして3本の小さな松がポツポツポツ。
この松、すべて本物です。
なので水を与えたり剪定したりと、色々手入れが必要なのだそうです。
でもそうするといつか大きくなっちゃうと思うんですけどね。
その時は植え替えるんですかね?
今も現役で使われている能舞台が生で見られる石川県立能楽堂。
能ってよー分からんし敷居高いわーって人でも、舞台を見学するだけならそんなに抵抗ないはず。
入場無料ですので、ぜひ気軽にお立ち寄りください。
舞台じゃなくて能の演目が観たいー!って人は公式サイトの方をチェックしてください。
公演スケジュールが公開されています。
ディープな伝統芸の世界にどっぷり浸るのも面白いかもしれませんよ。
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