伊勢神宮 内宮(皇大神宮)御稲御蔵~参集殿 ◆伊勢神宮最高位のお宮をズームイン!
2020年11月04日
長々ダラダラと続けてきた伊勢神宮編もいよいよ今回がラストです。
いやー長かった。
誰がこんな長い記事を読むんだって、途中何度も心折れそうになりましたからね。
まあ全部読んでくれる人なんてほぼいないだろうけど。
とグチをこぼしつつ、自己満足のために最後まで書き切ります。
それがザ・意地!!!(謎)
では早速スタートです。
正宮を出て横にある細い道を進むと、唐突にぽこっと建物が現れます。
高床式に丸柱、切妻の茅葺屋根で、両脇には内転びにした棟持ち柱。
大棟には千木(ちぎ・屋根上端部に付けられたV字形のツノ)と鰹木(かつおぎ・屋根の大棟上に横向きに並べてある棒)。
いかにも伊勢神宮的なたたずまい。
こちらは御峰御倉(みしねのみくら)という神社です。
祀られているのは御稲御倉神(みしねのみくらのかみ)という穀物の神。
ちょっと聞きなれない小難しい名前ですが、「お稲荷さん」と言えば耳通りよくないですかね?
この御稲御倉神はお稲荷さんと同体と言われています。
こちらでは毎年伊勢神宮の私田である神宮神田で収穫した御稲を抜穂(ぬいぼ・稲穂だけを抜き取ったもの)にして収められます。
要は収穫の無事を感謝する神社ですね。
その先にも同じようなスタイルの社殿があります。
こちらは外幣殿(げへいでん)。
これ何かと言うと、古神宝類(こしんぽうるい)を収めた蔵、つまり宝物殿です。
ただどうなんでしょう、ここに本当にお宝が入っているのかは不明。
いくら密閉した建物内と言っても、こんな何のセキュリティもない所に宝物類を入れとくとは考えにくいので、多分今は普通に倉庫にでも使ってんじゃないですかね?
あるいは空っぽか。
興味のある人は覗いてみてください。
多分捕まって連行されるけど(笑)。
そのまま進んだ先にあるのが、いよいよ最後のお宮、荒祭宮(あらまつりのみや)です。
この神社は天照大御神(あまてらすおおみかみ)の荒魂(あらみたま)を祀った神社です。
荒魂とは外宮の多賀宮(たがのみや)の所で説明した通り、「ヤル気スイッチが入ったモード」の神さまです。
なので前回見た正宮もここも、祀られている神さまは同じなのですが、より強くかなえて欲しいお願い事がある時は、こちらにお参りするのが正道なのです。
イメージで言えば上司に何か仕事して欲しい時、メシ食った後のほわ~んとしてる時より、スイッチ入ってバリバリやってる時に持ってった方がレスポンスが早い、みたいなそんな感じです。
まあ世の中にはずっとスイッチ切れっ放しの上司もいるけどね(笑)。
そして注目して欲しいのが場所。
じつはこの荒祭宮、何気に伊勢神宮で一番高い位置にあります。
基本的に一番高い所には一番格の高い神さまを持ってくるのがセオリー。
高座に格下の神さまなんか祀っちゃったら、それこそ神さまヒエラルキーが崩壊しちゃいますからね。
だからこの場所に祀るのは何が何でも天照大御神じゃなきゃいけないのです。
それも最もエネルギッシュな荒魂。
考えてみれば外宮で一番高い位置にあったのも、豊受大御神(とようけのおおみかみ)の荒魂を祀った多賀宮でしたよね?
あれも同じ意図であの場所が選ばれているのです。
その荒祭宮をとことこっと下ると再び五丈殿(ごじょうでん)や忌火屋殿(いみびやでん)のあった場所に出ます。
そのまま道なりに進んで、今度は来た時に通ってない脇の道に入っていきましょう。
すぐ先に再び手水舎が見えてきます。
ここは手水舎なので、当然手を洗う場所。
なのですが、見て欲しいのはその手水舎の裏なんです。
池があります。
この池はかつての禊(みそぎ)の場です。
恐らく手水舎が作られたのは後年になってからで、元々はこの池の水で手を洗うのが通例だったのでしょう。
それはここを見れば分かります。
石段です。
昔の人はこの石段を降りて手を洗ったんですね。
やや幅が狭く、参拝者が手をゆすぐには少々窮屈な気もしますが、まあここは裏ルートになりますので。
ほとんどの参拝者は五十鈴川がある方のルートから来るはずなので、ここはこの程度のスペースを確保しておけば十分だったのでしょう。
ここもなかなかに味がありますので、興味がある人は帰りにでもぱちゃぱちゃっと手を洗ってみてください。
手水舎を後にし、火除橋を渡ると正面に謎の小屋が現れます。
こちらは御厩(おうまや)。
馬小屋です。
馬小屋なのでなんか馬がいそうですが、いない事の方が多いです。
伊勢神宮の馬は基本、別の所で飼われていて、神事の時にスポット的にここに連れて来られます。
なのでいたらまあラッキーくらいに思っておいてください。
そして最後の建物、参集殿(さんしゅうでん)。
休憩所です。
伊勢神宮、疲れた~~~~って人が一服する場所です。
中は結構座る場所あるんですけどね、そこは天下の伊勢神宮、ほぼ満席です。
どうぞ譲り合いの精神を持ちつつ、自分の場所を確保してください。
なお一応自販機があって飲み物が購入できますが、夏場は回転が速過ぎて補充が全然追い付かず、素晴らしいくらい冷えてません。
喉乾いてしゃーないし、常温でもいいやって勇気のある方のみ、ご購入ください。
以上、外宮4回、内宮4回、合計8回に渡って伊勢神宮を見てきました。
とにかく敷地が広大で、両宮を全部見て回ると半日はかかります。
地元民ならともかく、遠くから来られるって方は時間に十分余裕を持ってお越しください。
さらに伊勢市内には、この伊勢神宮に関わる神社がまだいくつもあります。
つまり伊勢参拝はこれら外宮・内宮を回っただけで終わりではないのです。
なので真に伊勢神宮を極めたい人は、ぜひ何度も何度もお参りに来てください。
来れば来るほど伊勢神宮の奥深さが体験できますよ~。
伊勢神宮、フォーエバー!!!
関連タグ >> 神社 伊勢神宮 伊勢神宮 内宮
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